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1911  フルオート機能付のルガーP08(P08/15?)というものが1915年頃に少量生産された。
と、いった内容の書物を読んだ覚えがあるのですが、どのくらい作られたのでしょうか?
又、セミオートとのセレクティブ・ファイア機能はあったのでしょうか?
ご存知の方がみえましたら、教えてください。

ごんざ

  1. >.フルオート機能付のルガーP08〜内容の書物

    それはどの様な本だったのですか? 和書でその事が書かれている物には、めったにお眼にかかれないと思うのですが!
    故・小橋良夫氏の20年以上前の小本で、フルオート・ルガーP08の事が少々触れられているのは知っておりますが、
    是非その書物を見てみたいものです。

    さて、私の浅い知識を思い出して”フルオート・ルガーP08”の大雑把な解説を致しますと・・・・・

    ”フルオート・ルガーP08”→仮称 ”ルガーMP1917”と言われている物で、塹壕戦用新兵器案として、
    ルガーP08砲兵タイプより改造されたものと考えられており、 生産数は数丁程度と推定されています。
    現存するたった1丁は、通常でのサムセフティがセミ・フルのセレクターに変わり、
    砲兵タイプ同様にショルダーストックと32連発スネールマガジンが装着される他、
    両手保持用にフォアストック(先台)も備わっています。

    1917年にシュパンダウ兵器廠で実射試験が行われた結果、
     ・単射時の命中精度は当然抜群(距離20OMマンターゲツトヒット率50%)なるも、
     ・フル連射時は軽量&高発射速度 故、両手保持すれど、まともに扱える物では無く、
      又、繰り返し射撃時のクックオフ現象も生じ、実用化を諦める事となりました。

    この実験結果及び、同時期に鹵獲入手したイタリヤ軍の ”ビラールペロサ・ピストルマシンガン”が、
    この時、設計中であった”ベルグマンMP18”に大きく参考にされたと言われています。

     大きく参考:フルオート化には、適度な重量、適度な発射速度、クックオフ防止の為の銃身冷却 が必要。
           後の”ベルグマンMP18”がその成果。 でもね、マズルブレーキの発想は未だなんです。


    補足、
    ピストルのフルオート化は”ルガ−”だけで無く”モーゼルミリタリー”でも同時期にトライされています。結果は同じ!!

    以上 なにぶん90年位前の戦中実験の事ですので、文献・資料により多少の内容相異は有るかと思います。
    その他、博学な方のフォローを待ちましょう。

    軌跡の発動機?誉

  2. >1.誤記訂正
     誤:仮称 ”ルガーMP1917”→ 正:仮称 ”MP1908”
     資料(洋書:The Luger Story)を見直したら記憶違いでした。
     一説には、冷却ジャケットを備え、32連発スネールマガジンは左側より装填された(MP18みたい?)
     との話もありますが、よく解りません。

    又、この独軍製フルオート・ルガー以前にも、通常ルガ−をフルオートに改造する考案として
     ・メキシコ人”マニエルとエバラルド”(Manuel & Everardo)による1914年米国パテント。
     ・スイス陸軍兵器廠役人 ”ハインリッヒ”(Heinrich Senn)による1916年独国パテント。

    が存在するとの事ですが、小生の薄学では詳細不明です。
    ごんざさんの(P08/15?)1915年頃 という物はこの事かも知れませんね。

    〜?誉

  3. 詳細な解答を頂き、ありがとうございます。
    記述についてですが、古い記憶の為、自信はありませんが、
    確か別冊月刊GUN「ドイツの小火器」だったと思います。
    ごんざ

  4. >.3 別冊月刊GUN「ドイツの小火器」

    こちらこそ有り難うございました。 その様な本が存在していたのですか。 
    手に取れる機会がありましたら見たいと思います。 

    ちょっと補足。
    >2. ・メキシコ人”マニエルとエバラルドの兄弟”(Manuel & Everardo)による1914年米国パテント。
        ・スイス陸軍兵器廠役人 ”ハインリッヒ”(Heinrich Senn)による1916年独国パテント。

    両方共、口径7.65mmPara(.32Luger)弾使用のパラベラムピストル1900シリーズ用改造案と思われます。
    対し、仮称 ”MP1908”は当然9mmPara弾使用のルガーP08砲兵タイプ改造です。改造部品の互換性は微妙です。

    「P08/15?)1915年頃」の件が、別冊月刊GUN「ドイツの小火器」に載っていたとなると
    これらメキシコ人&スイス人 の改造案という線は遠のいてしまいますね。

    〜?誉

  5. そうですね。でもこの本では、少し触れていただけでしたし、より詳しい文献の方が信憑性は高いと思います。
    古い物や少量生産品は、読む本によって記述が異なる場合が多々ありますし。
    それらを総合して自分なりの判断をしていくのが面白いですね。

    なんとかこの本については確認をしてみたいと思います。

    ごんざ

  6. >1.「和書ではめったにお目に掛かれない…」

    誉さん、GUN誌1964年5月号をお探し下さい。
    西江 剛さんの4〜6月号の拳銃講座のルガーピストルの解説中に出てきます。
    一応写真もありますが、4インチモデルに木スト、32連マガジン、大きなサイレンサー付きです。
    小さな写真ですので細部が判らず、本当にフルオートモデルかは確認できませんが…

    papanambu


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