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1983 今回のイラク攻撃に際して、
米軍の陸軍兵士の発砲シーンが、よくTVなどで見受けられます。
このとき気づいたのですが、持っているアサルトライフルが
M−16(?)ではなく、上に大きなスコープがついた
ブルパップ機構のアサルトライフルでした。
これはアメリカの新しい兵器でしょうか?
また、いままで数々の戦闘で洗練されてきたM−16とは
どのような点で優れているのでしょうか?
よろしくおねがいします。
ぴんがー

  1. たぶんそれはイギリス軍のL85アサルトライフルです。そして多分撃っているのはイギリス兵であると思います。
    YF−23A

  2. YF−23Aさんが仰られたとおり、それは英軍のL85、その現行モデルL85A1ライフルでしょう。オプションとして銃身を延長してストック(機関部下)にヴァーチカルグリップ、2脚を装備した分隊支援火器L86もあります(現在使用しているかは分かりません)ただこの系統の銃は精巧すぎるつくりであるため砂塵に弱く前回の湾岸戦争ではひどい目にあったそうですが、今回は大丈夫なのか、気になるところです。その他の銃についての詳しい解説は識者のかたにお任せするとして、英軍の兵士と米軍の兵士の見た目上での識別法(今次戦の場合)があります。
    簡単なのは迷彩のパターンの違いによる識別で、
    http://members.tripod.co.jp/mortar/HOME.html
    を開き、砂漠系を選択すると各国の砂漠用迷彩を見ることができ米・英それぞれ違ったパターンの迷彩を使用しているので新聞の写真やニュース映像でどちらの軍のものか識別することができます。(まあたいていテロップで〜軍との解説はつくはずなんですが)
    紅葉饅頭

  3.  L85A1/A2(製品名SA80)はL1A1(FN FAL)の後継としてイギリス軍が使用している口径5.56mmX45のアサルト・ライフルです。
     イギリスは第1次大戦前のボーア戦争時代からブル・パップ形式のライフルに対する志向が強く、戦後もEM1やEM2といったブル・パップ・ライフルを開発しNATOトライアルに提出しました。この2つは結局採用されませんでしたが、1970年代に実施された新たなNATOトライアルでイギリスは独自の4.85mmX49弾薬を使用する新型ブル・パップ・ライフルを開発しました。この銃は5.56mmX45(SS109)弾薬への変更等の小改良を経てSA80に発展し、L85A1の名称でイギリス軍の新制式ライフルとなりました。SA80シリーズはいわばイギリスのブル・パップ・ライフル開発史の集大成的な製品ということができます。

     L85A1はレシーバーの大部分をプレス・スチールで作っているため、重量約5kgとこのクラスのライフルの中では重い部類に入ります。作動機構はオーソドックスなガス圧利用式&ロータリー・ボルト・ロッキングで、かつて英スターリング社(現ロイヤル・オーディナンス)がライセンス生産したAR-18を参考にしているといわれています(ちなみにスターリング社は新型ブル・パップ・ライフルの開発に際してAR-18をプル・パップ形式に改造した検討用モックアップを作ったことがある)。プル・パップ銃の泣き所の一つである照準装置については、L9A1 SUSAT低倍率スコープを標準装備しています(訓練用のカデット・モデル等ではキャリング・ハンドル兼用の照準器を装備)。しかし、同じくブル・パップ銃の泣き所である左利き射手への対応については、ステアーAUGやFA MAS等と違い両利き対応では設計されていません。
     英軍の標準ライフルとしてバッキンガム宮殿の近衛兵すら持っているL85A1ですが、1991年の湾岸戦争では作動不良等に悩まされ、湾岸戦争後に改良されてL85A2となったものの、2002年のアフガニスタン戦ではまたトラブル続出だったとか。SASやSBS等の特殊部隊はL85系を信頼できないのかM16系ライフルを使用しているくらいです。海外市場でも採用している国はあまりありません。
     実戦での評価等を見聞きする限り、現時点ではM16系に比べるとL85系は信頼性の面で劣るというのが正直な評価のようですね。メカ的にはL85系の方がM16系よりは確実な作動が期待できるはずなんですが・・・

     なお、L85ライフルの派生型として長銃身と二脚架、補助グリップを備えた分隊支援火器仕様のL86A1/A2ライト・サポート・ウェポンがあり、L85と共に英軍で使用されていますが、ライフルのままの装弾数&給弾方式(30発マガジン)で図体だけ改修した代物のため原型銃共々評判は芳しくないようです。

     ところで、質問者様がご覧になった映像の兵士が被っていたヘルメットはどんな形でしたか? 紅葉饅頭さんも書かれていますが、英軍と米軍ではヘルメットの形が違うほか、迷彩や個人装備も似てるようでかなり異なります。ヘルメットがフリッツ型ではなく卵を切ったような形であれば間違いなくイギリス軍です。
     そーいえば今回のイラク攻撃の映像で、イギリス軍装備を身に付けた兵士がミニミ分隊支援火器を持っているのを見たような気がするのですが、わしの見間違いですかね?(笑)上でも書いた通り英軍はL86A2を分隊支援火器として使っていますが、原型銃はともかく分隊支援火器としてのL86A2は役不足もいいところなので(ベルト給弾式機関銃と比較しての話)、ミニミ辺りが採用されても不思議ではないんですが・・・
    ブラック・タロン

  4. さっそくの回答ありがとうございました!
    さっそくL85A1で検索をかけたところ
    まさしくニュースで見たライフルでした!!
    いや、ブルパップででかいスコープというと
    アメリカで新開発されたアサルトライフル(名前が出てこないんですが)
    かと思ってしまいました。また、迷彩についても教えていただいて
    ありがとうございました。う〜ん、アメリカとイギリスの違い…。
    アメリカはなんだか点の集合のようで、イギリスは線のような…。
    いってみるとアメリカは「おから」でイギリスは「ひじき」の模様でしょうか…(え?
    人命が奪われる戦争には正直つらいものがありますが
    兵器を見ると心が躍るのは悲しい性でもあります…。
    ぴんがー

  5. <おから
    それは米海兵隊が現在トライアル中のデジタル迷彩のことをおっしゃっているのでしょうか、戦線の一部では用いられているかもしれませんが現在米軍の砂漠戦用主力迷彩となっているのは先ほど紹介した「迷彩図鑑」のしたのほうにあるコーヒーステインパターンと呼ばれるもので大分大まかな模様どりとなっています。でこれは傾向なんですがイギリス軍兵士は頭のてっぺんからズボンの先っちょまで砂漠迷彩ですが米軍は砂漠用被服、ヘルメットカバーをつけていますが装備品はウッドランドパターン(今日ファッション用の服にも用いられる最もベーシックな迷彩パターンです)の濃緑色の装備品を装着しバックパックに砂漠用迷彩のカバー掛けるような感じになっています。あとヘルメットで見ればブラックタロンさんがおっしゃったようにまず形が違うのと迷彩のパターン、あとイギリス軍のヘルメット(カバー)には格子状に黄土色のテープが張られているのでそこら辺を見ていただければ識別は簡単だと思います。長くなりましたが、これで。
    紅葉饅頭

  6. >3
    > そーいえば今回のイラク攻撃の映像で、イギリス軍装備を身に付けた兵士がミニミ分隊支援火器を持っているのを見たような気がするのですが、わしの見間違いですかね?(笑)

     SASや英海兵隊では以前から使用されている様です、また2002年に一部部隊に対しパラ・ミニミの緊急導入も行なわれている様ですから、身間違いでは無いでしょう。
    ooi

  7. スクリムドヘルメットの兵隊さんがブルパップライフルを撃ってるところを米英軍として紹介するニュースは見ましたねぇ


  8. ゴミですが、昨晩のNHKで、L86を持っている兵士がいました。
    個人的にはすごーく好きなのでまだ現役でよかった〜
    noumin


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