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1996  過去ログにあったら、すいません。軽機関銃に銃剣を着けたのは、日本だけで、諸外国ではそのような馬鹿はしなかった、と他の掲示板の書き込みを読んで、諸外国でも自動小銃に銃剣を着けた例があると主張したら、自動小銃と軽機関銃は全く違うものだから、それは当たり前だ、もう少し勉強して書き込め、と昔叱られました。その後、自分でいろいろ調べたのですが、未だに分かりません。自動小銃と軽機関銃はそんなに違うものなのでしょうか。
山家

  1.  軽機関銃(特にマガジン給弾式)と自動小銃は似ているようで全くの別物です。自動小銃はあくまで歩兵が使うライフルであり、歩兵用ライフルだけで長時間の連続射撃を行うことは基本的に考えられていません(今のアサルト・ライフルにはフル・オート機能があるがこれはある意味オマケのようなものと考えるべし)。一方、軽機関銃は基本的に歩兵用ライフルよりも長時間のフル・オート射撃を行うことを前提に設計されています。

     軽機関銃を大別すると、ブローニングM1919系やMG08/15等のような軽量化ベルト給弾式機関銃と、M1918 BARやVz26系等のマガジン式機関銃に分けられます。BARやFG42は元々自動小銃として設計されたものですが、設計・運用コンセプトとしては軽機関銃と同等に捉えられています。
     マガジンのみで給弾する軽機関銃が存在するために、自動小銃と混同される面があるのはある意味しょうがないのかもしれません。

     もっとも、自動小銃の黎明期には、ボルト・アクションと比較しての連射速度の速さからか自動小銃を軽機関銃に代わる存在として考えていた軍隊もあったようです。旧チェコスロバキアでそのような考え方があったようで、旧日本陸軍が96式/99式軽機関銃の開発と平行して自動小銃の試作を行ったのも将来的に自動小銃を軽機関銃の後継的な装備とすることを考えていたのではないかと推測する研究者もいるようです。

     あと、銃剣の話ですが、自動小銃だろうが何だろうが歩兵用ライフルであれば銃剣は制定されています。念のため・・・
    (旧日本陸軍の軽機関銃が着剣機能を備えていた件についてはここの過去ログを当たってみてください)
    ブラック・タロン

  2. 個人的意見ですが、一般に軽機関銃と言われる銃
    で、自在に銃剣術を行おうとすれば、ボブサップ
    なみの腕力を持った兵士が望ましいのではないか
    と。
    SAW

  3. 軽機関銃というのは、もともとボルトアクション小銃装備の歩兵小隊の突撃間の直協火力ではないでしょうか。
    重機は後方の突撃発起点からは動けませんから、進んだ先で敵火点を制圧しておくのに突撃部隊についていけるだけの機動性のある自動火器が必要になって軽機関銃というカテゴリの兵器が登場してきたものと思います。
    つまり、重機関銃を軽くして運動性を高める方向に進化してきたものが軽機関銃です。

    対して、自動小銃というのは歩兵銃に自動装填を付加したものであって、小銃手の持つ火力を増大させる方向に進化してきたものです。

    よって、兵器としてのカテゴリ、どこに配備されてどのように使うかという点で見れば、かなり違いがあるわけです。

    では、技術的な、あるいは設計的な部分でどう違うかというと、これはブラック・タロンさんも仰るように両者の違いは曖昧です。
    それを使う軍がどのように使いたいかによって設計はまちまちになります。
    わかりやすい例で、FG42であれば、これは空挺作戦に使うものであって、しかもドイツの降下猟兵は兵器を別梱包で投下します(拳銃と手榴弾だけで飛び降りる)から、Kar98kとMG34の組み合わせでは不十分な場面がいくらも予想されるわけです。MG34の梱包にたどりついても白兵戦はできませんし、Kar98Kの梱包を開けても敵陣に機関銃があったら手も足も出ません。そこで、自動火器としてのFG42の仕様は射程と威力の面で7.92ミリX57弾使用、しかも軽機としても小銃としても使えること、となるわけです。これにより、二脚と折畳み銃剣を装備したFG42の仕様が定まります。
    普通の装備と編成で運用される陸軍歩兵であればこうした要求にはならず、こういう仕様にもならないでしょう。
    各国の歩兵戦術にも関わってくるものですから、外見や重量、性能などから一概に軽機はこう、自動小銃はこうと言うことはできません。
    まなかじ

  4. >3.技術的な、あるいは設計的な部分で〜両者の違いは曖昧です。
       外見や重量、性能などから一概に軽機はこう、自動小銃はこうと言うことはできません。

    いやいや両者の違いは、はっきりしています。 

    軽機関銃:
     1.300発程度の連続持続射撃を考慮して、小銃よりヘビーバレルであり(冷却フィン付きも有り)、
       且つ バレル交換が可能です。又、その連射に耐え得る様、機関部主要部品の肉厚・強度・耐久性も
       小銃より上です。→重くなる。
     2.連続射撃にても、有効射程700メートル程度のを持つ様、銃重量(概ね10kg)が必要ですし、
       照準器、2脚(銃によっては後脚も)も それなりの物が付いています。
     3.一般に、射撃操作は二人程度で1組となります。(重量と弾薬補給の為)
       基本射撃姿勢は伏射、或いは設置・依託射撃です。


    自動小銃 及び機関小銃:  上記項目に合わせてみると
     1.数十発程度の連続射撃までです。 バレル交換不可。バレル及び主要部品の肉厚・強度は銃重量が
       4〜5kg程度になる様調整(軽量化)されます。
     2.単射での有効射程400〜600メートル程度を考えた作りです。
     3.個人携帯火器であり、ショルダーウエポン(両手保持・肩撃ち立射)です。
       伏射 或いは設置・依託射撃も可能ですが。 

    現代の視点から見て過去存在した自動小銃と軽機関銃で、以上の解説に合致しない点があれば、
    それはその当時の運用上の迷いや、試行錯誤(思考錯誤!)の結果と思います。
    むしろ、マルチパーパスマシンガンというカテゴリーが当たり前の現代、軽機とは?、重機とは?
    の区分けや解説が、し難くなっていると思います。

    補足、
     ・BARは米陸軍テクニカルマニュアルでも、個人携帯火器・ショルダーウエポンのカテゴリーに記載されています。
     ・FG42は、”独 FallschirmjägerGewehr(英 paratrooper rifle) ”の略であり、
    ”FallschirmjagerMaschinenGewehr”ではないです。
    開発過程で多々思惑が有ったのでしょうが、結果としてFG42は空挺機関小銃と言えますね。


    以上 薄学な者の私見でありました。

    >山家さん ・・・自動小銃と軽機関銃はそんなに違うものなのでしょうか。
    それでは、そこへ(叱られた掲示板)質問してはいかがでしょうか。 我がWarbirdsより、
    明解な回答を得られるかも知れませんね。


    軌跡の発動機?誉

  5.  自動小銃は分類が難しい。普通はサブマシンガンのことだろうと思う。それなら普通は
    拳銃弾を発射するので、ライフル弾やそれに近い弾をを使う軽機とは全く別と考える。
     しかし、ニュースではアサルトライフルも含めて個人用のフルオート可能な火器を自動
    小銃と呼んでいるようだ。九六/九九式軽機は外国の本では初期のアサルトライフルの分
    類しているものがある。こうなると境目があいまいになる。 素人が良く読むとよけい
    わからなくなる。

     九六式が銃剣を付けた理由は、発射時に射撃を安定させる目的で銃の先端部の重量を
    上げる事を目的としたのではないか、とGUN誌のレポーターはguessされました。

    素人

  6.  まあ、なんつーかね、日本軍軽機関銃は歩兵突撃時に撃たないんです。一緒になって突撃するんです。
     軽機関銃は歩兵分隊の射撃戦における根幹火力として位置付けられますが射撃戦と突撃は同時には出来ません。突撃直後の部隊は混乱寸前ですから、この時に火力のある軽機関銃が一緒に来てくれないと、敵の逆襲によって返り討ちになる危険もあります。
     よって突撃時に軽機関銃も一緒に走って追随してもらいたいのです。ですが突撃時に機関銃を撃つのは難しいし、第一重たい軽機関銃を持ってるんですから味方小銃手よりも遅れがちですね。この状況下で引き金引いたら味方撃っちゃいます(一般に突撃時は暴発等の危険を避けるためにも装弾しないとか安全装置をかける)
     つうわけで、軽機関銃は戦闘能力を完全に喪失した状態で分隊の突撃に付随します。突撃時ですから何があるか判りません。よって自衛の武装は欲しいわけです。この結果が大して役に立つとは思えないけど、無いよりはマシだろうという銃剣装備になるのです。
     もちろん、これは一緒になって突撃する小銃手達の気分もあるでしょう。機関銃だけ銃剣持たないで後ろからついてったら、その後の人間関係は少し嬉しくないものが想像されます(笑)かといって拳銃とかでも暴発とか考えると怖いです(でも他国ではそういう方向に進んでますね)
     という事で、銃剣は突撃行動等の軽機関銃が射撃できない時の保険的自衛+精神・人間関係的な装備だったのです。
    SUDO

  7.  つまり、拳銃や、咄嗟応戦に対処出来るBARのような機関銃が無いという予算・技術的な問題と、それでも歩兵突撃時には軽機関銃も来て欲しいという戦術上の要求の妥協が、日本軍の場合は軽機関銃に銃剣を装備してお茶を濁すという結果になったのです。
     米国には立射のできるBARがあり自衛能力に不安はあまり無く、独等では優秀な拳銃や護衛をする兵士の手当てで軽機関銃を守れる上に、分隊戦闘における突撃のウェイトが低めだった事が、軽機関銃に銃剣という方向性に進まなかった理由であろうと考えられます。
     よって、日本軍の軽機関銃の銃剣が、あまり銃剣戦闘に使えるとは思えないような代物でも、他に自衛手段が無い訳ですから、馬鹿なことというよりは悲しい事と見るのが自然ではないでしょうか。
     想像して下さい。立射出来ない機関銃を持って、丸腰で突撃に参加するよりは、非常に心細いとは言え、銃剣でもついていたほうが、まだ多少は心が落ち着くでしょう(何しろ突撃ですからね、気合とか根性が萎えたらだめです)
    SUDO

  8. >ゴミレス的補足
    映画や漫画では軽機をスリングで肩から掛けて立射する描写があったりしますが、ZB26 系のガス作動機銃は銃身下にガスパイプ/ガスピストンがあり、一発でも撃てばアッチッチになるので保持できません(だから銃身上にキャリングハンドルが付いているとも言える)。

    >ドイツの拳銃
    機関銃手の自衛手段は第一次大戦時すでに問題となっており、長銃身に多弾数弾倉を付けた「ルガー・アーティラリー」が供給されたりしていますね。二次大戦では MP38/40 マシンピストルを装備することが多かったようです。
    ささき

  9.  これもかなりゴミです…全くうろ覚えの記憶のみですが、掲載されたのは「Gun」誌、時期はここ数年、アメリカの銃器研究者のレポートとして、以下の記事があったと思います。
     日本の軽機関銃に取付けた銃剣は、射撃時の安定用錘として計画されたと思われる。少なくとも実射の場合に明らかに効果があるのを確認した。もしそうだとすると、軽機関銃の軽量化のための優れたアイデアであったと思える。
     この説の真偽は、執筆者自身が確認困難と認めていたと記憶していますし、小生には判断つきません。ただ、非常に「納得力」のある話として記憶に残っております。
     可能であれば、どなたか納得のいく説明を御願いしたいです。


    タンジェント

  10. ↑済みません、5で素人様が既に触れている話でした。昼休みに慌てて書き込みました。ごめんなさい


    タンジェント

  11.  どうも、皆様、いろいろと親切に回答して頂き、ありがとうございます。

     本来から言うと、軌跡の発動機?誉さまが言われるように、私が叱られたHPの掲示板に書き込むべきなのでしょうが。私が叱られたのは、2,3年前で、その後、私がのんびり調べるうちに、そのHPは閉鎖されたみたいなのです。それ故、このような失礼をしたことを、どうかご宥恕下さい。

     ところで、本当に、軽機関銃に銃剣を着けたのは、日本だけなのでしょうか。過去ログを読む限りでは、サブマシンガンに銃剣を着けた例はあるようなのですが。重ね重ねの不躾な質問になりますが、どうかよろしくお願いします。

     
    山家

  12.  初期のBARにも銃剣がありましたが、「自動小銃」か「軽機関銃」か迷う銃ですから(前にここで「機関小銃」という分類がなされていましたが)、ちょっとどうかとは思います。
     他には・・・・・・すんません、調べてから出直して来ます。
    居眠り将軍

  13. 昭和50年代、私がいた頃の横須賀教育隊の小火器庫にあったBARには、剣座がついていましたね。
    ちなみに、海自では「BAR」のことを「ブローニング式自動銃」と呼んでいました。もともと、「小銃」というのは、「長銃」を小型化したものが語源なので(カービン(騎兵銃)は「小銃」をさらに小型化したものです。)、BARは、軽機関銃というよりも、「自動長銃」と言うべきものだと思います。
    ちなみに、重量は、「M1型自動小銃」が4.2Kg、BARが8.5Kgです。
    元むらくも乗員

  14. さて、帝国陸軍のみが、軽機に着剣する件は、過去のAnsQでも話題になった事がありましたが、
    私としても、SUDOさんの解説に同意ですね。
    歩兵と随伴・突撃する機銃手にも、銃剣を持たせる・着剣させる。・したい。・心細い という精神的な面からでしょう。

    対し、「軽機に着剣させる事により、銃の安定性を増し、命中精度が上がる為」という様なお話は、
    その過去のAnsQで紹介したHP(現在は行方不明の様です。)でレポートされていましたが、
    この考えは全く考えにくい事です。
    そのHPでは具体的データーを示していませんが、その時の実験で良い集弾結果が偶然でたものか、
    もし仮にこの銃の特性として着剣時命中精度向上が事実だとしても、それは設計想定外の偶然の産物と考えます。

    その様な用法に効用が有れば、先駆者である欧米各国の軽機で具体化されるものでありますが見受けられません。
    (例えば銃剣代わりにダミーウェイトを付けた物も無し)、又は、旧造兵廠生き残りの方達で設計した62式機銃にも
    採用されるのではないでしようか。
    銃口付近にある種の物体を装着する事は、過度弾道や銃身振動の面より、百害有って一利無しと思います。

    * 但し、「着剣→銃の安定UP」肯定派の論として下記の話が有る事も付け加えます。

    銃剣重量が射撃跳起角を抑える効果により、 ロシア モシン・ナガンM1891/30小銃では、射距離300m時、
    平均弾着点が非着剣時に較べて、着剣時では30cmも下がるとのデーターがあるそうです。 この銃の特性だそうです。 
    グルーピング自体の大小はどうなるかは詳細不明です。


    >11.山家さん  2,3年前で、その後、私がのんびり調べるうちに、そのHPは閉鎖されたみたいなのです。
     そうだったんですか。長年の心残りだったわけですね。 皆さんの答えが、少しでもお役に立てばよいですね。

    〜?誉

  15. モシン・ナガンでのテストがどのようなものであったか知りませんし、素人なので詳しい計算はできま
    せんが、
     銃身を内径6mm、外径9mm、長さ500mm、弾性定数20000のパイプによる方持ち梁とし、
    銃剣をその先端に釣り下げられた重さ1Kgのおもりとする。その時の銃身のたわみを計算すると、先端の
    5cmで40μm/mの下り勾配になる。300m先では40μm×300で12cmほど着弾が下がる。
    銃剣が2kgだと倍の24cmになる。
     モシンナガンを使って実験した時の銃剣の重量が2Kg程度だと仮定すると、着弾位置の低下は銃身の
    曲がりだけでほぼ説明がつく。九六/九九式軽機関銃の場合には銃口近くをバイポッドで支えてあるので
    方持ち梁にはならず、着弾位置の低下は考えられない。

     よって、上記の仮定が成立する時には、モシンナガンの例が九六/九九式軽機関銃に着剣が射撃の安定
    化をもたらすことを期待したものであることに対する反証とはならない。また、「欧米がしなかったので
    それはない」的な考えもいかがなものかと思います。 62式機銃の設計時に前記のような考え方により、
    銃剣装着案が削除された可能性もあります。

    というような意見はどうでしょうか。

    素人

  16.  私がこれまでに読んだ資料は、紹介している軽機関銃に着剣機構が有るのか、無いのか、ほとんど書かれていないものばかりでした。やはり、軽機関銃に銃剣を装備したのは、日本だけのようですね。重ね重ねありがとうございます。
    山家


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