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2071 今、現在で世界最高の性能(解像度、RGBの階調数等)を持つ光学式偵察衛星はどこの国のどれ程のモノなのでしょうか?
またアメリカ軍では次世代の偵察衛星が開発されてると聞いたのですがどの様なモノなのでしょう?
確かKH−12/Improved CRYSTAL 4が1996年に打ち上げられていたと思いますがその後継機のことですか?
質問ばかりですみません・・・。
友達は、今は1cm未満の解像度で偵察できる時代だと言っています・・・ホントにそこまで見えるのか疑問なんですが・・・
D・D

  1.  まずはちょっとした計算から。
     軍事用偵察衛星の場合、軌道修正・再加速用の燃料を積んでいるのでもっと低くまで降りてくる(=接写する:KH-12の場合、近地点150km、遠地点690km程度の楕円軌道を常用)こともありますが、人工衛星が安定して周回できる(=空気抵抗による減速が気にならない)最低高度は200km程度です。
     この高さから地上の1cm角の物体を撮影しようとすると、レンズから撮像素子まで20mあるような巨大デジカメ衛星(ちなみにKH-12の全長は約15m、カメラ部分の長さは当然これより短い)を使っても単純計算で1μmピッチ、すなわち産業用の最高級品に相当する(宇宙環境に耐えられるか?)撮像素子を必要とします。しかも、このままでは白黒画像しか撮れません(カラー撮影にはRGBの3素子を要する※)。
     また、分解能を上げるためにはレンズの口径(反射式なら反射鏡)を大きくしなければならず(KH-12の場合4(乃至4.8?)m程度)、これは全長ともども打上げ手段によって制限される要素です。
     以上のような制約があるため、KH-12クラスの衛星でも分解能は白黒で5〜6cm、カラーで15〜20cmとのこと。さらにいえば大気中での光の散乱や揺らぎによって生じる「ぼやけ」があるため、10cm以下の分解能での撮影は無意味だともいわれています。

    ※「単一センサーを縦に使って分光する」ものもあるが、大きさや性能の面でまだ実用的とはいえない。
    Schump

  2. 自己ツッコミ。
     反射望遠鏡にするとかズーム機構を入れるとかすれば撮像素子のピッチの限界は緩和できるわね。ただ、光学系の精度に対してセンシティヴになるし、分解能に見合ったレンズ口径が必要なのは変わらないから本質的な解決にゃならないだろうけど。
    Schump

  3.  単一波長開口合成の可能性も考えると、どうなるでしょうか。



  4. 多分に開口合成干渉法(スケッチング干渉とも言うね)のことを言っているのでは思うけど、現状、レーザーを用いた微小距離実験でも実用化が難しい状態である事を考えると、現状そんな技術が実用化されうるとは思えません。

    それはそれとして、ビート信号を利用することで光学系のMTF以上の情報を手に入れる方法というのは、過去から色々提案されてはいますが、その代償として、非常に狭いコントラスト域でしか干渉画像が再生できなかったり、開口合成法は光波という激しく周波数が高いものを弄くる必要上、ミリ電磁波よりも6桁以上高い位置精度を出さないと実用的ではなかったりするので、まぁ、その手の基礎技術が実用化してからじゃないと難しいでしょうね。
    sorya


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