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2074 初めて質問します。
B29により使われた焼夷弾および通常爆弾についてです。
当時使われた焼夷弾、通常爆弾の種類、性能についてご存知でしょうか?
本土空襲について調べているのですが、これら爆弾についての情報がほとんど発見できません。
いろいろ種類もあると思いますが、よろしくお願いします。
kou

  1. とりあえず下記の書籍をご参照ください。
    書店では入手困難なものもありますが、図書館に所蔵されているものも多く、オンライン古書店で探せば比較的容易に入手できます。

    「東京を爆撃せよ―作戦任務報告書は語る」(奥住喜重・早乙女勝元 著,三省堂選書,1990)
    「中小都市空襲」(奥住喜重 著,三省堂選書,1988)
    「東京大空襲―B29から見た三月十日の真実」(光人社NF文庫,2001)

    この3冊には具体的な記述があります。

    「米軍が記録した日本空襲」(平塚柾緒 著,草思社,1995)
    「ボーイングB-29 世界の傑作機 NO. 52」(E.バートレット カー 著,大谷勲 訳,文林堂,1998)

    この2冊は写真・図版が掲載されています。

    「米軍資料 日本空襲の全容―マリアナ基地B29部隊」(小山仁示 訳,東方出版,1995)

    これは、個々の出撃の記録です。

    OPD

  2. ありがとうございます。
    早速、図書館などで調べて見ます。
    kou

  3. すみません、訂正です。

    誤)「ボーイングB-29 世界の傑作機 NO. 52」(E.バートレット カー 著,大谷勲 訳,文林堂,1998)

    正)「ボーイングB-29 世界の傑作機 NO. 52」(文林堂,1998)


    誤)「東京大空襲―B29から見た三月十日の真実」(光人社NF文庫,2001)

    正)「東京大空襲―B29から見た三月十日の真実」(E.バートレット カー 著,大谷勲 訳,光人社NF文庫,2001)

    OPD

  4. B-29によって投下された爆弾・焼夷弾を簡単にまとめます。

    通常爆弾
     M64  500ポンド 最も多量。焼夷弾と混投も。
     M65 1000ポンド
     M66 2000ポンド
     M56 4000ポンド
     M30  100ポンド 少数
     M57  250ポンド 少数

    破片集束弾
     T4E4 500ポンド 少数

    焼夷弾

    当時の焼夷弾は、焼夷剤の種類からは油脂(ナパーム)、テルミット、マグネシウム、黄燐・白燐、およびこれらを組み合わせたものに分類され、また形状からは焼夷爆弾(Incendiary Bomb)と集束焼夷弾(Incendiary Cluster)に分類されます。

    集束焼夷弾は小型の焼夷爆弾を数十発束ねたもので、投下後に所定の高度あるいは経過時間により信管により解束し、所期の密度で着弾・発火させます。ヨーロッパ戦線では「モロトフのパン籠(Molotov's bread basket)」という通称で知られており、これはソ連のフィンランド侵攻ではじめて使われたため(モロトフは当時のソ連外相)で、当時の日本でも一部の人はこの通称を知っていたようです。

    焼夷爆弾
     M50 4ポンド 六角形のマグネシウム合金製弾殻のテルミット・マグネシウム焼夷弾。原型は、ドイツがイギリスに投下した1kg焼夷弾で、イギリスが改良しアメリカが量産した。通称エレクトロン弾(エレクトロンはドイツのマグネシウム合金の商品名。)。ヨーロッパ戦線終結後に対日戦に使用。

     M69 6ポンド 対日戦用に開発された油脂焼夷弾。弾殻は六角形のスチール製。落下速度を抑えるため尾部に麻布製のリボンが付いている。落下速度を抑えるのは、瓦屋根を貫通したあと天井を貫通することなく天井裏で発火させることを企図したため。
    M69の開発の経緯については前掲の「東京大空襲―B29から見た三月十日の真実」や「アメリカの日本空襲にモラルはあったか―戦略爆撃の道義的問題」(ロナルド・シェイファー 著, 深田民生 訳、草思社、1996)詳しい記述がありますが、軍関係者のほかに石油会社の重役、損保会社の火災専門家なども参加したプロジェクトで、模造の日本家屋を使った燃焼実験も行っています。

     M74 10ポンド ナパーム・黄燐焼夷弾。

     M47A2 100ポンド 油脂焼夷弾。爆風効果もある。一発で木造家屋一軒全体が火に包まれる程度。夜間空襲の場合は、先導機がマーキング用に投下。同じ名称で、焼夷剤が黄燐・白燐のものもある。

     M47A3 100ポンド 詳細不明。

     M76 500ポンド マグネシウム・ナパーム焼夷弾。

    集束焼夷弾
     E46 500ポンド (1945年8月よりM19と改称)M69を48発集束したもの。
     E28 500ポンド M69を集束したもの。集束数不明。
     E36 500ポンド 同上

     M17A1 500ポンド M50を110発集束したもの。

     E48 500ポンド M74を38発集束したもの。


    この他に、509混成団が原爆の模擬弾として日本での「リハーサル」に投下したパンプキンと呼ばれる10000ポンドの大型爆弾がありますが、詳細については存じません。正式名称、諸元等どなたかご存知ないでしょうか?


    なお、1942年4月18日のドーリットル隊のB-25による日本初空襲では、炸薬を増量した500ポンド通常爆弾とM54を128発束ねた500ポンド集束焼夷弾(型番不明)が投下されました。M54はM50のマグネシウム弾殻をスチールで代用したもので、これは当時まだアメリカのマグネシウム合金の生産が充分でなかったためだそうです。M54はその後は実戦には使われていないとのことです。
    OPD


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