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2233 旧ソの銃器SVDドラグノフに関する質問です。

ある本でドラグノフを市街で暗殺使うのはナンセンスだ。旧ソ連軍やロシア軍の使いかたが望ましい
という一文を見たのですが具体的にどのような使い方なのか書かれておらず

私自身も銃器などに関して素人でして
狙撃銃と聞きますとテロ制圧作戦で市街で窓からテロリストを射殺したり
要人を暗殺したりする漫画のようなの想像ぐらいしか思いつきませんが

旧ソビエト軍やロシア軍では狙撃銃をどのように使っていたのでしょうか
カナコ・ハインケル

  1. 映画や漫画では単独行動、遠距離から一発で仕留める、というイメージが強いですが、軍では通常の歩兵等と行動を共にし、また精度や射程もそれほどシビアには求められない狙撃手というのもあるのです。
    ドラグノフの運用もその一つで、かつて旧ソ連では一個小隊に一挺の割合で支給されたと言います。
    ドラグノフは本格的なボルトアクションの狙撃銃ほどは精度が高くなく、一発必中を狙う銃ではありません。射程、技術、弾等によっては可能でしょうが、不向きな銃です。その代わり、しかし、セミオートで撃つ事ができ、また比較的軽量に作られていて、しかもAK系と操作系が似ているので、AK系に慣れた兵士が馴染みやすいというメリットがあります。
    一発必中を狙うのにはあまり向いていませんが、小隊の歩兵に持たせ、小隊の危険を排除するなどの役割には適しているのです(無論、その運用でも欠点があるとか細かい指摘はあるかもしれませんが)。
    町田

  2.  恐らく、何処の軍隊でも同じような物だと思いますが、歩兵部隊の射撃戦に於いて、敵の枢要(機関銃手や指揮官)を、見つけ次第仕留めるのが狙撃手の任務です。
     よって、混乱興奮しやすい射撃戦で落ち着いて敵方を観察して重要目標を探せるだけの胆力があり、射撃の上手な「使える兵」に、良い銃(精度の良い銃や、狙撃スコープがついた銃)を持たせておくだけで、まずは充分になります。
     この為、狙撃銃の役割は、軽機関銃にも似た位置付けの「小隊支援火力」にもなり、的確かつ連続して敵を火制する事も望まれたので、半自動小銃等が狙撃手に与えられる事も少なくなかったようです。
     この延長として、ドラグノフのような狙撃銃が配備される訳です(AKでは狙撃射程が不足するんでしょう)
    SUDO

  3. 有効射程の短いAK系およびRPK系(ないしRPD)の分隊火力を補完する目的を以って、小隊狙撃手にSVD、中隊レベルの重火器小隊にPK(ないしPKM)を配備しています。

    たとえば、7.62X51NATO(あるいは自国系7.62X54R)クラスの機関銃を三脚に据えて頭を抑えられてしまうとか、自動擲弾発射機の火制を受けている状態にあると、分隊の7.62X39や5.45X39を使う火器では射撃戦で非常な不利を抱えることになります。
    これに対して、ポテンシャルで劣らない7.62X54Rを使い、長い銃身で射程と弾道性能を稼ぎ、照準眼鏡でその性能を活用できるSVDは、小隊レベルでの長距離射撃戦の能力を確保するものとして重要な位置にあります。
    ドイツ軍でいえばちょうどG3/SG4にあたるものと言えるでしょう。

    米軍などでは迫撃砲や砲兵、あるいはIFVとか戦車とかヘリとか状況によっていろいろですが、きつい場面ではそういうものを呼び出して進撃路を開きます。
    狙撃兵も「狙撃チーム」として、呼び出して障害を排除する支援戦力として使われます。とくに海兵隊の狙撃兵が高精度と長射程で鳴るボルトアクションのM40/M40A1を使うのはこれが理由です。

    もちろん、ソ連やドイツ、あるいは旧ワルシャワ条約機構の東欧各国でも同じような呼び出しは当然行うわけですけれども、その確実性や即応性に対して疑念があるのでしょう。歩兵の小部隊が自力で血路を切り拓く能力をより重視しているわけです。
    この場合、あくまで部隊としての小隊の展開を援護する火器という位置付けですから、要するに敵の長射程火器や大威力火器に一方的に撃たれるという状況を排除できればよいのです。
    また、普通の射撃戦や接近戦にも小隊の一員として対応する必要があり、このために半自動小銃という選択になっているものと思われます。

    まなかじ

  4. >Q.ドラグノフを市街で暗殺使うのはナンセンス

    市街戦狙撃に”ドラグノフ”を使用する事は、遠距離精密狙撃精度に劣るが、速射火力性に優れている半自動狙撃銃の
    ベストな使用方法と思います。
    ”ドラグノフ”=ガス圧利用+実質ピストルグリップ付き直銃床+高位置照準線の銃で高命中精度は期待出来ません。
    (元から期待せず。) 
    但し、長銃身+狙撃専用弾、又は機銃用増装弾 使用により、マンターゲットに当たれば良い程度精度での遠距離狙撃は
    考慮されていそうです。


    世界中の対テロリスト部隊が真に希望する狙撃銃(市街或いは中距離狙撃用で、速射火力が必要)は、
    PSG−1に代表される半自動狙撃銃です。 しかしながら、予算の都合でボルトアクションになってしまう様です。


    さて、現米軍は下記2本立てという事をお忘れなく。

     ・遠距離且つ精密狙撃: M24(M700)系ボルトアクション狙撃銃。
     ・中距離速射狙撃:  M21(M14A1)系半自動狙撃銃。


    >Q.旧ソビエト軍やロシア軍では狙撃銃をどのように使っていたのでしょうか

    列強各国の配備・運用形態については、諸氏の解説におまかせ致します。
    諸氏、ライフル撃ったことある?

    軌跡の発動機?誉

  5. 旧日本軍の軽機は非常に命中精度が高く「連射できる狙撃銃(?)」的運用もされていた、と何かで読んだのですが、>>2のような運用をしていたのでしょうか?
    みどり

  6. >5
     日本軍の戦術戦闘指揮においては、軽機関銃と狙撃銃をほぼ同列同種に用いる事が有ります(小隊・分隊の攻撃戦闘時の射撃戦)
    SUDO

  7. みなさんありがとうございます。
    狙撃銃にそんな役割があったとは驚きでした。

    カナコ・ハインケル


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