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188 何故に神たる天皇陛下はさっさと白旗振らんとあそこまで動かなかったのですか?
紅葉饅頭

  1. もう少し具体的に説明してくれませんかね。要するに第2次大戦でなぜ、もっと早く天皇が戦争終結の指示を出さなかったのか、ということかな?
    これに関しては、第2次大戦後、現在に至るまで天皇の戦争責任をめぐる議論があるが、簡単に言ってしまえば、連合軍に降伏した場合、先方が日本の国体(天皇制のこと)の存続を認めてくれるのかどうか、よくわからず、徹底抗戦を続けざるを得なかったという事情がある。日本は戦局が不利になる中で、艦隊決戦である程度アメリカに打撃を与え、向こうも戦争を止めたくなった状態で、こちらになるべく有利な条件で戦争を終結させようと考えていた。
    しかし、そのように事はうまく進まず、ジリ貧になる中でソ連などの第3国を通じた和平工作もやってみるものの中々進展せず、そして、45年8月9日、ソ連が満州に侵攻したとき(長崎原爆と同日)、連合軍に降伏するか、それとも本土決戦覚悟で徹底抗戦を続けるか、究極の選択を迫られた。最大の問題は国体の護持だったが、外交ルートを通して連合国の真意をさぐった結果、天皇制否定までは考えていないことがわかり、結局、8月15日、天皇の聖断により、日本軍の連合軍に対する無条件降伏と戦争終結を決定した。(「無条件降伏」というのは日本という国家が完全に無条件で連合国に全面降伏したという意味ではない)
    この戦争末期の一週間は、降伏に傾く政府や軍首脳に対し、それを許せない近衛師団の軍人がクーデターを画策したとかいうこともあった。また、当のアメリカの対日観も、戦争当初から日本天皇制=ナチスで徹底壊滅という考え方を取っていたのが、よく調べてみるとそうとも言えないと気づき、ポツダム宣言の頃になって天皇制存続に方針転換したわけ。非常にはしょったが、大体、こんなところか。
    それから、天皇は現人神とされていたが、独裁者ではなかった。当時、天皇も入って国家の最高決定を行う御前会議というものがあったが、天皇がリーダーシップを取った、独裁的に運営したわけではない。内閣、軍、元老らの合議制の会議であり、ただ、8月15日の戦争終結の決定は天皇の聖断でないと収まりがつかなかった。
    アリエフ

  2. なるほど。ありがとうございましたところで末期のクーデターの中に海軍かなんかの将校が負けを認めんがために天皇暗殺を画策したってテレビかなんかでみたんですがマジでしょうか?

    紅葉饅頭

  3.  暗殺計画云々については寡聞にしてわかりませんが、アリエフさんが触れられたとおり、降伏に反対し本土決戦を主張する陸軍近衛師団の一部が、玉音放送を奪おうと宮城(皇居)に乗り込むクーデター未遂事件を起こしたのは結構有名な話です(終戦の日の直前だっけ?)。侍従長がぶん殴られた程度で終わったようですが・・・

    ブラック・タロン

  4. ↑この件、うちの伯父が関係しているらしく、クーデター側に撃ちかけられて、皇居のガレージで防戦していたらしいのです。本人の口からではなく書物から知りました。


  5.  この件なら、映画『日本の一番ながい日』に詳しいです。傑作だし、ドキュメンタリータッチの映画なので歴史の勉強にもなります。お薦めです。
    ツカドン

  6. >3. この騒ぎで出兵を拒否した森赳近衛師団長が殺害されました。
    天皇が戦争継続を拒否したら退位させ、その弟を天皇にしようと計画していたとか。それでも暗殺はあり得ないでしょうね。

    近衛師団にいた爺様は宮城事件前後も変わらぬ生活だったそうです。理由は「馬の世話は何があっても手を抜けない」からだとか。
    ふじい

  7. ↑うちのは、へたに近衛の憲兵中佐だったりしたもので、押し込められちゃったようです。


  8. ドイツ・ヒルトゲンの森やベトナム・ジャングルのように本土ゲリラ戦なら
    アメリカも手を焼いたんでしょうが、こういうやり方で抗戦継続ってのは・・・
    aaa

  9. ↑いわゆる8・15事件は、停戦決定・ポツダム宣言受諾に対する国内的クーデターであって、連合軍に対する戦闘行為ではありません。


  10. ざくっといって、「まだ見込みがある」として、「一撃して講和を有利に」するための継戦が戦争末期の昭和天皇のスタンスでした。これが変化するのはドイツ降伏・沖縄決戦敗北の後です。これは「独白録」からもうかがえます。
    ともあれ、このため和平派が公然と和平工作を行い得ず、陸軍主戦派が支持を失ってからも明確な和平方針を国家指導部として確立できなかった側面があります。さらに天皇を中心とした保守穏健層の維持(つまり国体護持)の確証を得るまで2ヶ月、時間を費やすことになります。
    お楽しみチケット


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