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112 第二次大戦前・中に、日本ではゾルゲ、ドイツでは「赤い礼拝堂」によって、その他イギリスなどでも、ソ連による諜報活動が行われていたことはよく知られています。その現地エージェントには一部に金目当ての者がいるようですが、多くは「信念」に基づいて活動に携わっていたようです。しかし、当時のソ連はスターリンの統治下で、刑法58条「反革命罪」容疑により多くの人々が処刑もしくは強制収容所送りになっていることも周知の通りです。
ならば、彼らエージェントを含め当時の世間の人々は社会主義の「現実」を知らなかったのか、知ってはいても彼らは社会主義革命のためには「多少の」犠牲はやむをえない、と考えていたのか、それともファシストや米英帝国主義の「でっちあげ」だと信じていたのか、もしくはそれ以外の何らかの理由があったのか、どうなのでしょうか。
なんでや?

  1. 当時最も流行した思想が社会主義でした。社会主義国であるソ連のいうことに従うことが、一流の文化人の証だったんです。それにソ連による徹底的な情報統制でなかなかソ連の状態は漏れませんでした。だからソ連に従うことが社会主義を遂行していると社会主義者達が思い込んでいたんです。説明不充分ですいません
    ヘス

  2. 理念としてのマルクス主義と現実に出来上がった政治体制は別物だからです。これはマルクス主義に限らず、何でも同じ。
    今の資本主義世界がこれだけ快適なのも、社会主義的な理念が対立事項として常に存在して常に変革を迫られた結果。当時の資本主義社会というのは貧乏人と金持ちの差が半端じゃなかった。「タイタニック」の1等船客と3等船客の扱いの差をみればよく解るファーストクラスとエコノミークラスの差とは本質的違う。身分の差がという物があったりしたのだ。今のだから単純には言えない。
    itou

  3.  実像がばれなかった、あるいは容認された要因としては、1930年代においてソ連の産業が著しい成長を果たしたという「実績」もあるでしょう。社会主義(といいつつ実際には開発独裁に近い)が「後進国の産業化の立ち上げ」に有効なことは当時の共通認識だったようで、日本でも「生産手段の国有化による計画的産業社会化」が政府部内で検討された形跡があります(戦時中の国家総動員体制に流用)。日本愛国党等の一部右翼が「土地国有化」を訴えているのは、このころの社会主義運動の影響(故赤尾敏など左翼くずれだし)とされています。
    Schump

  4. 上の各回答とだぶる所もありますが、第2次大戦前の状況について私の知っている範囲で述べます。
     1920〜30頃、ソ連共産主義が労働者の地位向上だけでなく、工業化の立ち遅れている国を一気に近代化させる手段として各国の知識人等の関心を集めていた。日本でも共産党員ではないが、陸軍将校の中に土地公有化、農業集団化等のソ連の共産主義改革を見本とし、財閥支配を排除した天皇制共産主義を主張する勢力があった。石原莞爾はその中心人物であり、その著書「最終戦争論」で兵営国家とでもいうような国民総動員体制を考えている。
     また、イタリアのファシスト党やナチスはソ連共産党の組織、戦術をモデルとしている(ヒトラー・ユーゲントはソ連のピオネールを真似たと言う)。30年代、ナチスが政権を取ったときドイツ共産党はソ連の指示の下、傍観者的な態度をとっており、この時点ではナチスは共産党と協力関係にあった(後に弾圧するが)。これらの国の外交官、軍人等でスターリン体制の現実をいくらか知っていた者はいただろうが、大恐慌による経済混乱の中で全体主義的手段による発展のためには人権を多少犠牲にしてもやむをえない、とする考え方が普及していたようである。なお、各国の共産主義運動はソ連共産党の指導で動いており(第三インターナショナル)、スターリン批判をしようものなら党から即座に追放された。
     なお、この頃の西欧諸国でスターリン体制下のソ連を注意深く観察して官僚支配と化した現実を知り幻滅した左翼系知識人は少なからずいるが、彼らの著書、発言は当時あまり世間の関心を集めなかった。ソ連の宣伝工作、極端なほどの秘密主義体制により、スターリンの圧政の全体像が隠されていたこともあるが。

    アリエフ

  5. 皆さん回答有難うございます。当時の(一部の)人たちが、社会主義の弊害や矛盾を認識しつつも、社会主義を「信じて」いたとするなら、さしずめ、今の私たちも民主主義の弊害や矛盾を認識しつつも、民主主義を「信じて」いることになるんでしょうね。
    今の価値観からすれば、かつて「赤の広場」でのパレードに参加する市民や兵士たちが「ロボット」にみえるように、私たちも「あのころの人たちは、かわいそうに『コントロール』されていた」と将来いわれるのかと思うと、何かセツないですね。別に『コントロール』されているという自覚はないのに。
    なんでや?

  6. ↑私も含めて日本人の多くは北朝鮮を変な国、嫌な国、怖い国だと思っていますね、行ったことなんてないのに。本で読んだ話やTVで見た話や人から聞いた話だけで「北朝鮮」という国のイメージができてるんですが、もしかするとそれは情報操作によって作られたもので、実態は全然違うのかも知れません(もちろん、噂どおりの国なのかも知れません)。「皆がそう言ってるから、きっと正しいんだろう…」と無条件に思い込むのは危険ですね。
    ささき

  7. >6
    しかし、「現場」にいても「現実」は見えない場合もあるから、これはなかなか難しい問題ですよね。例えば、ナチス支配の13年間について当時の「一般的な」人々は自分たちはそれほど不自由だとは思っていなかったなかったようです。また、現代においても、メーデーにおけるパレードやマスゲームに参加する北朝鮮の市民は、まさか自分たちが「ロボット」だとは思ってはいないでしょう(思っていたとしたら、悲しすぎます)。
    人間は「神」ではないから、全てを見通すことはできません。だから、「何か」を信じ、それを通して「現実」とむきあうことになります。その「何か」とは、思想であったり、宗教だったり、仕事や会社、恋人、お金、若さ、容姿など人によって様々です。なかには、私は何も信じないという人もいますが、「何も信じない」ことを「信じて」いるだけだったりします。
    だとしたら、「現実」と自分の「信仰」とのバランスをどのようにしてうまく保つのか、そしてそのために必要な「健全な批評精神」をいつも維持しているか、ということが大切になるんだと思います。例えば、とある宗教の「セミナー」にちゃんと研修費を払って参加したのに、夕食のカレーに肉が入ってなかったので、これは金もうけのための集団だ、と判断する程度のものであったとしても。

    なんでや?

  8. >7
    ユニセフの親善大使の元アイドル歌手さん、随分色々な現場に行かれますがあの人の発言聞くと(読むと)現場で現実を見てるのは確かなんだろうけれど、私が見てきた現場では、と変に決めつけますね。現場で見たのは現実だけれど自分が見たのは現実の全てではないという現場批判精神も重要ですよね、さもないと害を及ぼす。
    SHI


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