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178 元帥杖というのは意味として地図ケースですか?
先日博物館(Hohenwollen城;プロイセン王の居城?)で中空、両端ねじ蓋のやたら豪華な彫刻付きの棒があるのを見て(直径5センチ、長さ1メートルくらい)これは元帥杖とかいうもので元は地図入れだなと見当つけたのですが、どなたかご教授下さい。
SHI

  1. これは「軍配って団扇ですか?」と言う類の質問ではないですよねぇ?

    冗談はさておき、『元帥杖』とは将校が一般に持つ
    “将校杖(指揮官の持つ指揮杖のこと。日本でも機動隊指揮官が持つあれ)”の
    最上等にして最高級の物のことです。

    起源はローマの軍団長(だったかな?)に手交した指揮権の象徴としての指揮杖、
    (つまり軍配に当たる物を交付したわけです)
    意味的には更に後の欧州文化・キリスト教的価値観の影響を受けて中世来の文化、伝統となりました。

    ですから『元帥杖』とは「権力の象徴」とか色々言われますが、
    一般に(ここで言う)『杖』とは“法力”を司る道具、
    転じて、かつ時代が下りその(役職者の)象徴となって、これが今に続くというわけなのです。

    悪の側、魔法使いがその力を引き出すときに「魔的」棒に頼るのと対局の概念です。
    (でもこちらはステッキ、つまり「棒」であっても杖がこれを為すことはない)

    非常に高価な装飾品として完成しました。私も最近公開された二次大戦時のカラーフィルムで
    元帥杖を持つマンシュタイン元帥の動画を見る機会がありましたが、
    その中で何より印象的だったのは彼が手にする(ナチ時代の)元帥杖でした。
    その真紅に輝くピッカピッカの元帥杖はカラー映像の凄味を存分に伝え、
    その絵が鮮明に今でも目に浮かびます。

    >中空なのは地図入れなのですか
    これは軽量化を図るための中空で別にマップケースでは有りません。
    なんて言ったって保有者は元帥様で、相当にお年を召しています・・

    あと当時は地図自身を巻物の様に加工したため、それ自体で言わば剥き身で筒に入れて運ぶということはしません。
    (これならばスライドのスクリーンのように垂らせるしテーブルに広げられる)
    それは参謀制度が確立し、後方の建物の中で壁に地図を貼って指揮するイメージで、
    幕内での陣屋と言う時代では甚だ不便です。
    それに元帥が一枚の(または筒内に)収納できる数しか地図を保有しないと言うことはないですし。

    あと軍用の地図は眺める物ではなく道具ですので、直接書き込みをし易いように畳んで
    そのくらいの大きさの版ならば画板のようなケースに入れて持ち運びます。

    かっぱ

  2. それと、参謀・幕僚の語源です。
    かっぱ

  3.  ドイツ軍の本物の元帥杖を見たいのでしたら、ドイツのリューネブルガーハイデ(ブレーメン、ハンブルクの近郊に広がっている草原)にある、ムンスター戦車博物館を訪ねてみたらいかがでしょうか。ここにはヒトラー暗殺未遂事件の後に自決した、ギュンター・フォン・クルーゲ陸軍元帥の元帥杖が展示されています。それから、ロンメル元帥とグデーリアン上級大将の軍服も展示してあります。
    海軍元帥

  4. ロンメル元帥の元帥杖はソビエトが自国へ持ち帰ったそうで、
    先年、モスクワで開かれていたロシアの戦利品展示展の中にこれが含まれて展示していたそうです。
    つまり、ドイツへの帰還は望み薄ということです。
    ああ、誰か元帥杖もドイツの「装飾技術の粋を集めた民芸品」とか“芸術品”とか主張して
    返還して貰わないかな?(エカテリーナ宮の『琥珀の間』は返したんだし。。。)
    かっぱ


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