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512 マヌケな質問ばかりで恐縮です。源平戦から大東亜戦に至るまで、我国が関係した多くの戦場で用いられた「日本刀」、その殺傷力、というか実戦能力は如何なものだったのでしょうか?
またハード面でも、その製造技術というものが、明治以降の兵器(銃剣等)に活かされた例はあるのでしょうか?
愚問にお答えいただければ幸いです。
葡萄家

  1.  日本刀の3大特徴として『折れず、曲がらず、よく斬れる』とよく言われます(実際には曲がりにくい&折れにくいだけど)。
     斬るという能力に関しては、他国の刀剣と比較しても優秀とよく聞きますが、実際どうなのかは資料不足でわかりません(;^_^A
     ただし、時代劇では何十人もの侍を一本の刀でバッサバッサ斬っていくシーンがよくありますが、実際に一本の日本刀で一度に殺せる人間は3〜4人が限度だそうです。その中でも『斬殺』できるのは1〜2人、後は刺殺するか殴り殺すくらいです。

     日本刀の素材に使われる玉鋼(砂鉄から精錬した鋼鉄)が、明治以降の兵器製造に応用されたという話は寡聞にしてわかりません。
     兵藤二十八氏の著書にあるのですが、戦前の日本の国産スプリング(バネ)は品質が悪く(村田銃を開発した村田経芳も撃針スプリングの製作に悩み、ボーモン銃のV字形バネを参照したとのこと。14年式拳銃も撃針スプリングが非力なため予備が用意されていたという話)、その原因は不純物の多い国産鉄にあったということです(当時の日本は、鉄鉱石の精錬能力の低さから、鉄地金の大部分をクズ鉄輸入に頼っていたらしい)。不純物の少ない玉鋼は、スプリングなどの硬さと粘りを要求される部品の素材として最適であり、応用されなかったのが惜しまれるというのが兵藤氏の見解です。
    ブラック・タロン

  2. 「私の中の日本軍」山本七平・文春文庫のなかに、このことについて面白い(かなりイタイですが)考察があります。

    日本刀は、柄の部分に構造的な弱さがある(目釘一本で支えている)ことから、耐久性において全く劣るというのがまずあります。
    刀身自体の強度も、いわゆる胴太貫クラスでないと不足で、ふつうの刀ではまともに打ち込んだりすると、曲がってしまいます。ある意味、木刀よりも強度がありません。
    刀身の反りは、源平時代の太刀を除くと薙ぐにもまっすぐ打ち下ろして食い込ませるにも不足で、実質直刀と変わるところがありません。
    となると、「斬る」には包丁のような直線上の前進または後退を要することになり、確かに一部の剣法(鹿島流など)ではそうした操法を重視していますが。

    こうした一種の欠陥兵器を扱うには、相当な熟練を要します。
    竹刀や木刀とはまた違った操法がどうしても必要で、道場剣法に優れているだけでは、刀を壊してしまうようなのです。
    戦前の陸軍将校向け雑誌「皆行」にそれの特集号がありますが、見てみると剣道よりもむしろ居合の要領に近い解説ですね。
    まなかじ

  3.  平凡社新書「刀と首取り」(鈴木眞哉著)によれば日本刀には構造的な欠陥があったようです。目釘なんか、故障を抱えたものが非常に多かったそうです。
    tomo

  4. 武士は、むしろ指揮刀ないし咄嗟の護身用として帯刀していた様子です。白兵戦では、「槍一筋」などと云われて、槍・薙刀が主要兵器だったようです。刀は、槍の穂先を逸らせて(短劍術の要領で)懐に敵が押込んできて、槍が操作できなくなった時に、槍を捨て抜刀して対抗したり、組打ち相手に止めを刺したりする時に重宝したようです。ところで、外地駐屯時に、ときどき自分の軍刀で狼みたいな野犬を斬っては(頭をブン殴ると云う方が正確?)、仲間を集めて兵営ですき焼パーティーをしていたと云う豪傑もいらっしゃるので、そう極端に役に立たないと云うほどのものでもないそうです。

    あるめ

  5. 博物館とかで見てみると良いのですが(東京だと国立博物館や靖国神社とか)
    一口で日本刀と呼んでも、本当に多種多様というか個性があり
    装飾品や献上品として用いられた物から本当に実戦用の物まで色々あります

    まあ戦国時代とかでは何振りも持っていく人とかも居たそうですから
    耐久力は無いのだろうと思います(笑)

    そいや幕末の新撰組とかはどうしてたんでしょう?
    相手が鎧とか身に着けていなくて、扱う人間が上手ならアレで充分なのかな・・・
    SUDO

  6. >そいや幕末の新撰組とかはどうしてたんでしょう?
    一人斬るだけなら、きっと問題ないんですよ。
    沖田さんやら土方さんはどうだったのか知りませんが、近藤総長の「虎徹」は、そりゃあもうごっつい刀でしたな。流山の資料館だったか、国立博物館だったか。
    まなかじ

  7. >新撰組
    平刺突(ひらづき)という戦術が考案されてます。
    日本刀というと「斬る」イメージが強いですが、
    標的を確実に殺すためにはまず「突き」から入るものなのだそうで。
    勝井

  8. ↑刺突攻撃の最大の利点は「素人でも有効に戦いうる」であり、斬撃より殺傷力が勝るわけではありません。

    すいか

  9. 初登場です。どうぞよろしくお願いいたします。僭越ながら「日本刀の殺傷力」について、わが家の家伝をご披露させていただきます。
    上野戦争に彰義隊の一員として参加したとき、腰に大刀を4本も5本も帯びて行ったそうです。脂が巻いて切れなくなった刀はその場に捨て、次の刀を抜く、という使い方をするためです。同じく彰義隊士だった祖母・曾祖母の実家も同様の身支度だったといいますから、当時は一般的なものだったのでしょう。なお、刀が折れた同輩に腰の刀を1本あげたら、あとで一番良い家宝の刀だったことに気がついた、というオチが付いています。お粗末様でした。
    多摩蘭坂

  10.  6>近藤総長の刀は何人斬っても「曲り」を生じなかったのは事実でしょうが、「虎徹」は偽物だったらしい。根拠としては、「虎徹」は新撰組の予算全部注ぎ込んでも買えないほど高いからという事らしい。
    ザイドリッツ


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