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529 関東軍731部隊は、大量のペスト菌など細菌を製造し、細菌をばら撒くために周到に準備をしていたそうですが、1945年8月のソ連参戦の時には、細菌兵器を使用せず撤退しています。なぜでしょうか。
オケラ

  1. 他国の領土ならともかく自国で細菌戦やらかすバカはいないからでしょう。化学兵器の場合その影響はその場限りで終わりますから使う気になれますが細菌兵器はそうではないから普通なら使いません。
    alphabetta

  2. 命令が出なかったからです。

    関東軍が組織的抵抗を行なうのに失敗した大きな原因として、全軍の通化線への後退命令があります。
    これが十分な準備もなしに発令だけはされていた結果、当の関東軍司令部は麾下部隊の掌握がまったくできなくなり、それどころか司令部自体が通化と新京をいったりきたりするハメになるていたらくで、関東軍は各部隊ごとにばらばらにソ連軍にあたるしかなくなってしまいます。
    その結果として、防疫給水部(第731部隊)はソ連軍参戦の場合に実行すべしとなっている唯一の確定命令である通化線への後退を決心、実行することになります。
    また、秘密部隊である防疫給水部は、通化線へ後退するのに全施設の破壊隠匿を行なわなければならず、それにより作戦能力に自ら大打撃を与えた上に多くの時間を空費し、態勢を整え直す間もなく戦争が終わってしまったというところでしょう。細菌戦を実施しているどころの状態ではありませんでした。

    また、準備が周到といえるかどうか難しいところでしょう。
    大戦末期、確かに細菌やそれをばら撒くための蚤の生産量は上がっているようですが、さらにそれをばら撒くための特製陶器爆弾の在庫は寥々たるもので、しかもそれを実戦飛行隊に渡す手筈も整っておらず、こうなると水源汚染などの原始的かつ自軍をも巻き込みかねないような用法に頼らざるを得ません。
    膨大な実験データを蓄積してはいたようですが、謀略戦や局地戦のような場面ならばともかく、まだ大作戦に使えるほどの段階には達していなかったのではないかと思います。
    ほんとうに、あと一歩のところまではきていたとも言えるとは思いますけれども、731はあくまで実験部隊であって実戦部隊ではなかったということだと思います。
    まなかじ

  3. ソ連領内にばらまいて後方撹乱とか、侵攻部隊のど真ん中にばら撒くことを想定しておられるのでしょうか? 当時の細菌兵器はペストノミを都市部に空中からばら撒いたり、井戸に病原菌を投げ込むようなやり方が取られていたそうです。前者だと軽爆か輸送機が必要ですが、ソ連軍に制空権を握られている状況で自軍に影響の出ない奥地まで侵攻してばら撒くことが可能だったか? これができるのであれば、ソ連軍侵攻阻止のための通常爆弾による爆撃、対地攻撃が大々的に展開されていたのではないでしょうか。後者だとソ連軍の厳重な警戒をかいくぐって工作員を潜りこませておかなければ難しいでしょう。
    化学兵器も風向きによってガスが予定の方向に流れなかったり、雨天時など気象条件によって相当左右される。細菌兵器も化学兵器と同様かそれ以上に気象条件に左右されやすく、特定地点を狙った攻撃が難しいことが問題点と思われます。
    アリエフ

  4. >731はあくまで実験部隊であって実戦部隊ではなかった
    軽爆によるペストノミ大量空中散布作戦など、実戦準備を行う以前の段階だったというわけですね。
    アリエフ

  5. ペスト菌は理論上は全人類を絶滅させる位の量があったそうです(森村誠一の悪魔の飽食より)。実戦に使用されずに良かったと思います。また、「続悪魔の飽食」を読んだら、「731部隊は細菌兵器を攻撃に使えるだけの準備がなされて無かった」との米陸軍の調査結果がありました。生体実験といい細菌兵器の製造といい、731部隊のやった行為は身の毛もよだちます。一部で731部隊の実験は医学の発展に貢献したという言い分もあるようですが、731部隊の残虐行為は断罪されるべきものだと思います。
    オケラ

  6. 蚤の空中散布はかなり技術的に困難だったようです。(散布密度がまったく当てにならず、飛行中の低気圧及び低温により蚤の活性が低下するなど)
    これに対応して、弾体を陶器で作った細菌爆弾が試作されています。
    設計は石井四郎軍医中将自らが行なったとされています。
    爆弾というよりはコンテナともいうべきもので、着弾の衝撃で弾体が破裂してから内容物を飛散させるように中心部にある最小限の炸薬が発火するようになっており、熱や爆風で蚤や細菌を損なわないようになっています。
    内部は密閉されており、これまた蚤が低温や低気圧下に曝されないようになっています。二重構造になっていてインナーには耐衝撃性のライナーを介してあり、着弾時の衝撃を内容物に影響させない工夫もなされています。
    まなかじ

  7. オケラさん
    過去の私の発言と重複するのですが、「悪魔の飽食」はかつて真贋騒動があり、
    主旨はともかく、資料としては不適切だと思います。
    無頼案

  8. 既に故人ですが、知人の元731部隊鼠/蚤飼育係の方によれば、鼠や蚤の飼育・繁殖方法はあくまで「実験室」で行われる範囲のもので、生産効率云々などとは云えない規模のものだった模様。その方は亡くなるまでずっと身近に青酸化合物入りの小さな褐色のアンプル瓶を携えてみえましたが・・・。
    MB

  9. 怒涛の如く攻め寄せてくる敵に向かい、細菌をまいてどうなると想定した質問でしょうか。即効性のあるものでもないし、感染した敵兵は、我が方に侵攻して来るという状況なのに。
    てんらい

  10. 「悪魔の飽食」は真贋騒動があったのですか。それは知りませんでした。皆様、731部隊に関する知識が多いですね。大変勉強になりました。有難うございました。
    オケラ

  11. ↑ 作者本人が「感情移入を避けるため」「当事者への取材を行わなかった」などと発言しています。
      一般常識からすればこれで真贋騒動が起きない方が不思議です。
    勝井


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