QQCCMMVVGGTT
568 スキップボミングに関して三野正洋氏は「特攻をするぐらいならスキップボミングを採用すればよかった」みたいな事を言っていますがどうなのでしょう。
 彼は根拠として、
@飛行機ごとぶつかっても爆弾だけが当っても与えるダメージに大差はない。
A未熟パイロットでも急降下爆撃や雷撃より簡単でしかも命中率が高い。
B急降下爆撃機や雷撃機で無くとも戦闘機で実施できる(=高速なのででやられにくく戦闘機は安く製造できる)
Cそして僅かながらでも生還の見込みがある(=再度の出撃が可能)。
よって特攻をするより戦果は上がったはずだ、と言っています。
 でも私にしても首をかしげる所ばかりで、
・確かに急降下撃よりは簡単かもしれないが飛ばすのがやっとの特攻パイロットにはとても無理である。
・従ってスキップの訓練をする必要があるのでそのぶん出撃機数が減る。
・出撃しても体当たりだけすればいい特攻に比べて目標に向かって一定高度を真っ直ぐに飛ぶので対空砲火の的になる。
・命中してもスキップは投下した爆弾がバウンドするたびに速度を失うので(急降下爆撃は飛行機の速度から爆弾が重力で加速していく)威力はより劣る。
ということから三野氏の意見は間違いだと思いますがどうおもわれますか?
 実はこの話のもとは半藤一利氏の著作でよく似たことを見たことがありますが「特攻をしないことを前提として敵に制空権を奪われた中で普通の急降下爆撃・雷撃ではなくスキップを採用した方がそこそこの戦果を挙げることができた」という意見を勘違いしてとっているように思います。
ロックマン

  1.  我が軍でも反跳爆撃は採用されていますね。ただ、全体の流れの中で(通常攻撃より戦果を挙げ得ると考えられていた)特攻に傾斜していた時勢ですから、そちらになびいたのも当然なのでしょう。
    tackow

  2. >・確かに急降下撃よりは簡単かもしれないが飛ばすのがやっとの特攻パイロットにはとても無理である。
    >・従ってスキップの訓練をする必要があるのでそのぶん出撃機数が減る。

    充分に護衛された機動部隊の艦艇に直接突入するのも同じくらい「飛ばすのがやっとのパイロット」にはとても無理かと愚考します
    「確実な特攻」にしても「スキップボミング」にしてもある程度の訓練は必要であり、同じように訓練を施すなら要員と機体を確実に使い捨てにする特攻には合理性はないと思います。
    逆に訓練をほとんどしないというなら、やはり成算がほとんど見込み得ない特攻には合理性がないと思います
    訓練を施すこともできない、というのであれば、航空攻撃自体が不可能なのでありたとえば水際作戦にそなえて機材兵力を温存するか、水上、陸上の戦力に転換する
    のが合理的だと考えます

    実際のところ、末期にはそうしていたのであり、散発的に行われた特攻は航空部隊のプレゼンスに過ぎなかったのではないでしょうか・・・?(悲




    松平

  3. (1) 跳飛攻撃は、その破壊力に於いてはあまり劣らないと考えられていたのでは?そのへんの研究は確か為されていたと思います。(研究されていたと書いた文献はあります。)さらに跳飛攻撃の場合は艦側に当たりますと、より大きな効果が期待できるとの説も読んだように思います?

    (2) 技術に関しては、やはり訓練が必要で急降下爆撃や雷撃より簡単かどうかは疑問です。「体当たりの生還率零対し、最高30%程度可能である跳飛攻撃は、訓練を重ねることにより、生還率を更に上昇させる事ができるはずである。体当たりは体当たりの瞬間まで対空砲火の攻撃を受け、その命中率(対空砲火の)は、目標に近づくにつれ増大する。跳飛攻撃は、爆弾投下後の跳飛突進中の爆弾が敵の砲火から受ける損害はすくない。」(五色の空 上坊良太郎 著)
     
     また、急降下爆撃が投下目標は 点 であるのに対し、跳飛攻撃の場合はその跳飛する爆弾の跳飛線上に目標があれば命中することになり投下目標は 線 となりますので、命中率は遥かに高くなります。しかも敵艦に対する雷撃より遥かに近い(約150m手前?)で投下された爆弾は、高速でかつ跳飛しながら突進しますので、魚雷のようにこれを、避ける事は極めて困難でありました。ただし、投下高度は15m以上であれば爆弾は敵艦を飛び越えてしまう可能性がありました。
     
     敵の虚を衝き、旭日を背にして戦闘機で敵上陸艦隊に跳飛攻撃を敢行された上坊良太郎氏によりますと、「全弾命中、味方の被害なし、ただしあまりにも状況に恵まれていた。」との事でした。
     
     跳飛攻撃で、本当かどうか私には少し疑問があるのですが、かって何かの本に「攻撃機が、爆弾の命中した敵艦の爆発に巻き込まれてしまう事が大きな問題であった。」と記されていたものがありました。遅発信管か何かで防げるのではと思った事がありました。これは本当なのでしょうか?

    (3) 上記の如くです。

    (4)-1 貴君が、もし攻撃隊員であったなら、生還率 零 と 三割 いやたとえ  一割 でもある場合とでは、如何でしょうか?(ちょと話の筋がちがいますが。)

    (4)-2 現に、「確実に命中させたら、帰還してよろしいでしょうか」と、上官に問い、「だめだ」と言われ、「俺なら、何回でも敵艦に直撃弾を与えられるのに」と悔しがりながら、特攻に散ったかたも居られたそうです。それが可能であったかどうかは今となっては分かりませんが。     

    尚、『特攻』の、目的は必ずしも敵機、敵艦等の物理的な戦果のみが、全ての目的ではなかったとも考えられます。こうなるとまた話は、別の事になるでしょう。


    roht

  4. 三野氏の言っている「特攻よりスキップがよかった」と言うのは「スキップの方が特攻よりより戦果をあげることができた」という事です。特攻はまともな作戦を放棄した最低な戦術ですから。
    ロックマン

  5. 特攻機は最大速度が700Km程度(上空より降下した場合)であり、装甲部を抜く事は困難でした。よって空母のエレベーター等の急所を狙うわけですがこれは反跳攻撃では困難です。
    元々レイテ戦の時に特攻攻撃が採用された時の目的も空母のエレベーターを破壊して2週間戦闘能力を奪う事でした。

    1に関してですが上部構造物の破壊等には燃料をある程度積んだ飛行機自体も有効だと思います。魚雷を使った特攻ではそのまま突入したのでは魚雷が爆発しない為通常の雷撃を行った後に突入を行っています。

    4については特攻攻撃の中期以降は敵戦闘機の迎撃、対空砲火によって全体の1割しか突入に成功しなかったと言われています、この確率でいくと例え反跳攻撃を行ったとしても帰還率は数%でしょう、つまり総出撃機数は一割も増えません。特攻より戦果が挙がったかどうかは疑問です。また、末期の練習機や旧式機を使った特攻では反跳攻撃自体困難でしょう。

    後はrohtさまが最後の部分でおっしゃっておられるように、戦局全体を見た場合に戦果に繋がる他の目的も有ったかと思います。
    ごまめ

  6. 「あれをやっておけば特攻攻撃はしないで済んだ」との一案や二案を心に抱くのは戦史を書く者の人情というものでしょう。
    それが説得力があるか、知識に偏りがあり過ぎて不自然なものになるかはまた別の話と言えるでしょう。三野氏も、半藤氏も同じような気持ちで書いたのだと思っています。極端な話、反跳爆撃の合理性などどうでも良い話なのです。
    特攻攻撃は悲惨なものですが、ろくな検証もしないままに異様、邪道と片付けるのも、過度に賛美するのも同じように本質から離れることになるでしょう。
    BUN

  7. わたくしの祖父や戦友会のみなさんからのはなしを聞きますと
    最初は戦果が目的だった特攻も最後には、出撃して、戦果を上げるよりも
    「生きて帰ってこないこと」「潔く死ぬこと」
    が目的化していたということをおしゃいます。

    上記お二人に著作は残念ながら読んでおりませんが、そういった側面から
    「特攻をするぐらいならスキップボミングを採用すればよかった」
    ということになるのではないでしょうか?

    祖父や戦友会のみなさんがいわれるように、戦果を目的としない出撃が
    繰り返されたとすれば、すくなくとも、特攻とスキップ爆撃の併用で
    戦果を期待できたのではないかと、わたしは考えます?

    みさきみか

  8. 松永榮氏の著書『大空の墓標』(大日本絵画刊)によれば、彗星33型装備の攻撃第3飛行隊は沖縄戦参加の直前まで反跳爆撃の訓練をしています。
    しかし、元々急降下爆撃の訓練ばかりしていたので海面スレスレを飛行するのはかなり緊張したとのことです。また、爆弾投下装置とダイブブレーキのボタンが接近していたので投下時に誤って触れて海面に突入した事故も発生したそうです。
    それから、先日お話を伺った山田大尉によると、43型の加速ロケットは元々反跳爆撃後の急速避退時の加速用として計画されたとのこと。ロケットに点火した瞬間、一気に15〜20ノット加速したそうです。これらの訓練も沖縄戦で主要隊員が戦死すると、訓練は元の急降下爆撃に戻ったとのこと。どうも上層部の意向が働いていた様子です。
    加藤飛曹長


Back