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602 最近「1941年頃スターリンが対独戦を準備していたが、作戦発動前にバルバロッサ作戦が発動したため水泡に帰した」という説を聞きました。この説はどの程度実証されているんでしょうか?
モーグリ

  1. 本当でしょうか?ソ連軍は1943年ごろの対独戦を準備していたと聞いたことがありますが。
    また、スターリンはバルバロッサ作戦の警告をゾルゲ等のスパイから受けていながら無視したとあります。西部戦線(ソ連の)に配属の部隊のなかには弾薬の無い部隊もあったそうですから41年に準備があったとは思えませんが。
    Vinegar-Joe

  2. 80年代末頃からドイツで唱えられ始めた説だそうですね。
    現状では、アレクサンドル・ワシレフスキー参謀次長(41年当時)の個人文書の中から、国防人民委員ティモシェンコ元帥・ジューコフ上級大将が連名で41年5月15日にスターリンに提出したと思われる「独およびその同盟国に対する戦争の為の戦略開進計画」(赤軍による先制攻撃の重要性を強く主張し、具体的なプランを記した物)の草稿が見つかった事以外は、物的証拠が無いようです。
    プチロフ

  3.  ソ連軍の対独先制攻撃ですが。これは、ドイツ版「ルーズベルトは真珠湾攻撃を知っていた」説だと思います。
     この説が取り沙汰されたのは、80年代のドイツです。対ソ戦争の責任を過小に評価しようとする流れで、「やられなければ、やられていたんだ」とソ連先制攻撃説が浮上してきた、というわけです。
     たしかに状況証拠だけを見れば、それなりに説得力のある説ではあります。ソ連の初期の大敗を、実は先制攻撃のために防御を解いていたからだと、すっきり説明できるのも魅力的です。
     でも、肝心の証拠はというと、これが実にお寒い限りでして。個人文書で、ソ連先制攻撃計画の草稿がある程度です。旧ソ連時代の情報公開がまだ不十分である現時点では、あくまでも1つの仮説に過ぎません。
     実証には、ほど遠いですね。
    ツカドン


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