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604 朝鮮戦争で行われた「人海戦術」はどういった方法で攻撃を行うものなのでしょうか。
日本軍の白兵突撃や第一次大戦時の浸透戦術と関連性はあるのでしょうか。
モーグリ

  1. 仁川上陸作戦後、国連軍(主力は米軍)がヤールー川付近まで押し戻したとき、中国軍の大部隊を含む共産軍が突如、大規模反抗作戦に出た時のことを言っているのかな。とにかく相手の数倍もの大量の兵力を動員して、相手の部隊を迅速に包囲するという戦術ですね。
    このとき国連軍の補給線はかなり伸びきっており、朝鮮半島北部に広がった国連軍の各部隊に対し中国軍が一斉攻撃をかけたため、国連軍は部隊間の連絡・補給が困難となったりしてピンチに陥り、逆に押し戻された。もちろん、共産軍側の犠牲者も相当多かったわけだが。
    ただ、共産軍は国連軍を数量的には上回るほどの戦車等の軍用車両を投入していたのであり、歩兵突撃だけではない。
    アリエフ

  2. 人海戦術が有名になったのは、むしろ戦線が38度線付近で膠着して、
    陣地戦に移行してからではないでしょうか?
    英語では人海戦術は”human wave tactics”などと言うようですが、
    http://www.centurychina.com/history/faq4.shtml#20
    を見ると、中国軍は実際にはそれほど多数の兵員を投入しておらず、
    無駄に犠牲を出すような戦術を採ってはいなかったと主張していますね。


    便利少尉

  3. 以前朝鮮戦争に従軍した人(日本語教育受けた世代の韓国人)から聞きましたが、人海戦術を行う中国軍は夜間徹底した匍匐前進で塹壕近辺まで接近して一気に攻撃をかけるそうです。照明弾に照らされた匍匐前進を行う中国兵は、あたかも地面が波打つように見えるそうで、この辺が「人海」の語源では?

    話を聞いていると、広範囲にわたって攻撃をかけ、塹壕をすり抜けてくる点など第一次大戦末期にドイツ軍が使用した浸透戦術のように感じたのですが、浸透戦術の一種と見ていいのでしょうか?
    モーグリ

  4. 人民解放軍が朝鮮戦争でとった戦術と「人海戦術」という用語は切り離して考えた方がいいようにも思われます。
    純粋にタクテクスとして見た場合、マンパワーの大量投入という以上の意味はこの用語にはないような気がします。
    まなかじ

  5. 中国の人民戦争論の用語だと思うが「人民の海」という言葉がある。大量の人口を示す「人民の海」を活用して、侵攻軍を包囲し補給路を遮断するというのが人民戦争論の基本戦略。これと人海戦術という言葉とどちらが先にあったのか、よくわからんけど・・
    アリエフ

  6. 今、米海兵隊の本を読んでいるのですが、
    これによると、毛沢東の戦略は戦略的ゲリラ戦ともいえる遊撃戦だそうです。
    戦闘の分散・不正規制・不統一が特徴のゲリラ戦は負けることはないが勝つこともない。
    戦闘の集中・正規性・統一指揮をもつ勝てるゲリラ戦が遊撃戦である。
    敵進我退(進めば退き)
    敵駐我撹(駐ればかきみだし)
    敵疲我打(疲れれば打ち)
    敵退我追(退けば追う)
    と毛沢東は書き残している。
    なお、ベトナム戦争時の北ベトナム軍も毛沢東戦略を取り入れていたそうです。
    Jabo

  7. 「兵士たちの話によると、中国軍ははじめ、その丘に砲弾を浴びせ、それから一グループが八列から十列に並んで高地の各方面から人海戦術で立ったままどんどん攻めてきた。その時に指揮官がラッパの音を絶えず鳴らしていた。ラッパと言っても小さなもので、チャルメラのような音がする。捕獲したラッパを見たが、とにかく前の兵士が倒れても、死体をのりこえて後から来るので、そのうち弾丸もなくなり、非常に気味が悪くなってきたと語っていた。前の兵士は銃を持っているが後ろの兵士は銃を持たず、倒れた兵士の銃を手にして攻めてくる。」

    石川文洋の中越紛争時のルポですが、たしかにそりゃ気味が悪いわな。こんなもの戦術か? って感じです。全員が全員銃を拾えるわけじゃないだろうしねえ。
    実包


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