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734 ヒトラーの戦争意図について教えて下さい!!

masa0320

  1.  そんなあなた、こんな問題に「ハイ、これが意図でした」と教えてあげられるようなもんじゃありませんぜ。「問題には答えがある」というのは小学校までです。

     まあ、ドイツの戦争目的とは別にアドルフ・ヒトラーの戦争意図、というものはあるかもしれませんが、それにしたって「ヒトラーは元来機会主義者であり、一貫した戦争の見通しは持っていなかった。独ソ戦も成り行きだ」という説もあります。
     そのへんは、ヒトラーは回顧録を書いていませんから、決定的な答えはありません。書いていても本音を書くかはわからないし。

     私の感想としては、

    開戦時:
     とりあえず戦前領土を回復し、国外ドイツ民族を可能な限り含む統一ドイツ国家を樹立することが目的。それに対する英仏の干渉を排除する。
     この段階では、ソ連との戦争はかなり近い将来に想定してはいるが、それは「次の」戦争である、と考えていただろう。

    フランス降伏:
     イギリスをもなんとかして屈伏させる。その方法は、上陸でもよし、爆撃でもよし、外交でもよし、通商破壊でもよし。
    ――しかし、このもくろみはイギリスの徹底抗戦政策によって潰える。

    40-41年
     戦争は意外に長引いた。これではソ連が漁父の利を得る可能性が高い。対ソ戦を急ぎ繰り上げ実施しなければ危険だ。――→バルバロッサへ

    41-42年
     ソ連打倒。

    43-
     なんとしてでも戦争に「勝って」生き残る。

     という感じで推移したのでは。

     つまり、ドイツの理想としては、東部に相応の領土を得、ドイツ民族を統一し、共産主義ロシアが滅んで、できればドイツに従属的な国家になっていれば良い。それをめざすのが戦争の究極の目的であった。
     従って、私の考えとしては、戦争に勝った暁には北フランスはヴィシー政府に返し、ベルギーやオランダも親独政府の樹立を待って独立を回復させたのではないかと。
     というところでしょうか。

     ただこれは私の感想であり、他の要素ももちろんあったでしょう。また、軍部や財界や党にはまた別の戦争目的・意図もあったでしょう。
     考慮しなければならないのは、ヒトラーは決して全能の独裁者ではなく、ヒトラーの意図が100%国家の行動に反映されるわけではないということです。戦争のような国をあげての大事業の際には、いろいろな方面の要望をうまくまとめていかねばなりません。国民世論も無視できません。

     最近の歴史研究においては、ドイツの/ヒトラーの戦争目的・意図・見通しについて、どういう論調が主流なのでしょうか?
    大名死亡

  2.  まず下等人種とされたスラヴ系民族が住む東欧・ロシアを征服して、自分達ドイツ民族の植民地としようとした生存圏構想が根幹にあります。これはソ連の共産主義(ボルシェヴィズム・ナチスから見るとユダヤ的とされました)への嫌悪感もあいまって、徹底的に暴力を使って達成する腹づもりだったとおもわれます。
     対ポーランド戦もこの生存権圏想の一環でした。英仏にとってはこのような勝手は許しがたいわけですが、それまでの融和外交をみてきたヒトラーには英仏は参戦せず、という考えでした。ヒトラーにとっても意外な開戦だったわけです。
     1940年の西方戦によってフランスは軍門に下ったわけですが、続くイギリス上陸作戦は発動されず(更に言えばヒトラーは、イギリスとは講和を結べる、と考えていました)、戦争は長期戦の様相を帯びてきます。
     ここで生存圏構想の最大目標であるロシアの征服が具体性を帯びてきます。ロシアを支配下に置くことができれば、莫大な資源を自由にすることができ、ソ連に備えなければならない陸軍の縮小、イギリスと戦っている海軍の拡大ができる、と考えたのです。
     しかし1941年6月に始まった独ソ戦も長引いてしまいます、12月の日米開戦による対米開戦も(日独伊三国同盟の解釈から見れば疑問だったのにも関わらず)まずい判断でした。
     東西から締め上げられてくると、米英とソ連などという同盟は長続きするはずが無い、として分裂を模索します。
     更に末期になると、戦争に負けた民族など滅びてしまえば良いのだ、としてドイツのインフラを破壊する命令まで出しました。
    バツ

  3. ↑読み返して思ったけど、これはどちらかというとドイツ国家の戦争意図の最大公約数、というところかな。
     戦間期のドイツの世論としては「東方領土回復、ドイツ民族統一・自決」というのが主流で、それを大きく逸脱するような戦争目的は、国家としては提示しがたいと思います。ですから、ヒトラーが本気で世界征服を考えていたとしても、口に出しては言えなかったでしょう。
    大名死亡

  4.  被りましたが、ヴェルサイユ体制打破も重要なキーワードであると承知はしています。
    バツ

  5. 「我が闘争」を読まれてみてはいかがでしょう?
    tomo

  6. これ、学校のレポートじゃねえの?
    すがり


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