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350 竜騎兵という兵科の誕生はいつで、どのような経緯でできたのでしょう?定義は?なんか馬で移動して降りて戦う騎兵なのか、銃身を切り詰めた銃を持つ騎兵なのか、よく分かりません。
まつおか

  1. 竜騎兵の定義は、騎乗して銃を撃つ騎兵のことです。
    誕生の時期は……16世紀には、すでにシュバルツレイターと呼ばれる騎兵が存在していましたので、このころでしょう。これ以前の銃は重くて大きいので、騎兵には使えなかったはずですから。

    かすた

  2. 下の質問ともども回答ありがとうございます。
    私の見た資料では、最初は馬に乗って移動して戦闘の際には馬から下りて戦っていたのだがそのうち馬に乗ったまま戦うようになったとありました。そのシュバルツレイターの持っていた銃は、というかその当時に先込め式でない銃を使っていたんでしょうか。馬の上で鉄砲をぶっ放して落ちたりしないんでしょうか(反動とか馬が驚いたりとか)。
    私の中では大阪夏の陣の際の伊達騎馬鉄砲隊が一番竜騎兵のイメージでした(なんたって独眼竜だしね)。
    まつおか

  3. 竜騎兵 (Dragoons)
    騎兵の兵種の名称。もともと竜騎兵は騎兵科ではなく、騎馬歩兵、つまり騎乗兵のもつ機動力を有する歩兵としての任務を想定されていて、戦場では下馬し歩兵として戦っていたが、18世紀末にもなると滅多なことでは戦闘中に下馬しなくなり、もっぱら完全な騎兵として運用されるようになった。竜騎兵は中騎兵[Medium Cavalry]として他と区別して分類するか、あるいはその連隊ごとに重騎兵や軽騎兵に分類する場合がある。しかし簡単に言って、エリート部隊を除く大半の竜騎兵は軽騎兵に分類されるべき性格のものであると言え、あらゆる任務に使用された。プロシア流が全盛だった18世紀において竜騎兵は最も重宝がられ、最大の配慮がなされた。彼らは軽装備で馬上での銃撃能力を有し、その由来となったドラグーン・マスケットもしくは騎兵銃、およびピストルとサーベルで武装していた。 だそうです。


    紅葉饅頭

  4. >2
    彼らが使ったのはホイールロック式と呼ばれる銃で。火蓋を手動できる必要がないため片手で使う騎兵銃に使われたということです。
    歴史群像グラフィック戦史シリーズの戦略|戦術|兵器辞典ヨーロッパ近代編に写真が載っています。ちょっと大きな図書館に行けば手に入ると思いますので、機会がありましたら、どうぞ。
    かすた

  5.  余談っぽくなりますが・・・

     昔、騎兵が単発銃を使っていた時代、馬上で一発撃つと再装填が難しいため、肩から襷がけにしたベルトのカラビナ(フック)に銃を引っかけ、サーベルなどに持ち替えたそうです。このカラビナが、騎兵用の銃または銃身の短いライフルの総称であるカービン(Carbine)の語源となったそうです。
     ちなみにドイツでは、ストックの側面にスリングを備えたライフルを伝統的にカラビナ(カービン)と呼んだそうです。

     あと、日本の火縄銃には、『馬上筒(ばじょうづつ)』という小型のものがあります。本当に馬上で使ったかどうかは定かではありませんが、いわゆる短筒の銃身を長くしたような代物で(正確な全長の定義は忘れた(;^_^A)、両手で構えて撃つことを基本としたようです。
    ブラック・タロン

  6. 雑談・・・
    イタリアでは“カービン銃兵隊”を意味する
    カラヴィニエリ(L’Arma dei Carabinieri)が
    憲兵隊(というより憲兵軍、ですな)の任務(憲兵作用)を担います。
    というより歴史的に「カービン銃兵隊」が憲兵として位置付けられています。
    ナゾの人

  7. 米国の騎兵隊は龍騎兵なので、下馬して火線を敷く戦法が西部劇に出てきます。トルストイの「戦争と平和」の最後の方に、捕虜になった仏軍龍騎兵の鼓手が出てきますが、他兵種の騎兵は喇叭手しかいないのに、龍騎兵だけ鼓手がいるのは、下馬徒歩戦法を行うからだと思います。
    今次大戦初期の獨逸軍オートバイ部隊は、必要な場所に高速で駆けつけて、下車徒歩戰闘を行ったので、現代の龍騎兵と云えなくもありません。(なんとなく、こじつけぎみ)
    あるめ

  8.  アメリカ陸軍のAir Cavalryは、ヘリコプターから降りて地上で戦闘するから、
    現代の竜騎兵だ、ってのはもはやこじつけにもなりませんね。
     ヴェトナム戦争物ではしばしば「空軍騎兵隊」などと誤訳されていますが。
    便利少尉

  9. 「地獄の黙示録」で、ヘリコプター部隊が出動する時に、将軍が騎兵隊の兵科色(濃黄)スカーフをつけた兵隊にラッパを吹かせる場面が出てきます。「トートートー」と聞えるので突撃喇叭のようです。まあ、御本人たちは、いまだに騎兵隊(龍騎兵)のつもりなんではないでしょうか。

    あるめ

  10. >9
    いや、あれはアメリカ人が「騎兵隊と龍騎兵」の区別がつかないということを
    笑うところと思います。滑稽で。
    ナゾの人

  11. なるほど〜
    あるめ

  12.  竜騎兵が顕著に見受けられるようになったのは三十年戦争で、ある本によると、最初にまとまって使用したのはグスタフ・アドルフであるとなっています。
     竜騎兵は騎兵の速度と歩兵の火力を同時に持つ兵科を指揮官が要求したことで生まれました。
     竜騎兵とは騎乗した歩兵のことです。
     初期の竜騎兵は攻撃時には騎兵となって主に剣によって攻撃し、防御のときには馬から下りて歩兵に戻りました。
    celetaro

  13. 5番へのレス
     本当ですか? 私の手元にあるウェブスター英英辞典にも、図書館で見たドゥーデン・ドイツ語語源辞典にも、「カービン」の語源はフランス語で、16世紀のフランス語の ”carabin” (騎兵)に由来する、とありました(しまった、せっかく図書館に行ったのならばOEDを引くんだった)。
     当時の騎兵よりも先に「騎兵銃を引っかけるフック」があったのなら別ですが、普通に考えれば「騎兵」→「騎兵銃」→「騎兵銃を引っかけるフック」となったという方が順当でしょう。
     おっしゃるように先にフックの方があったのなら、わざわざ「カラビナーハーケン Karabinerhaken」(ドイツではこう言います。英語の ”carabiner”(カラビナ)はドイツ語からの外来語だそうです)などという言葉はできずに、銃の方を「カラビナーゲヴェーア」というようになったのではないでしょうか。ちなみに、フランスでは「カラビナ」という言葉は使わないようです。
     ぜひお説の出典をお知らせください。

    大名死亡


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