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496 通信、補給、整備の部隊編成、役職はどうなっているか教えて下さい。
素人

  1. 最近立て続けに質問をなさっているようですが、少しはご自分でお調べになってはいかがですか?
    TETSU29

  2. 迷惑ではないかと尋ね、このまま質問してもいいと判断したのですが、指摘があったので今後は期間をあけて質問をしたいと思います。
    素人

  3. 迷惑とかそういうことをいってるわけじゃないんじゃないかなぁ…
    素人さんがどのようなつもりでここを利用してるかわかりませんが、答えてくださる方は(あたりまえですが)ボランティア、厚意でのことです、なんらかの報酬をもらうために行ってるわけではありません。
    そういう場で、なんらかの無料サービスを利用するかのように次々に質問を繰り返すのは、自分の努力を放棄しているように見えると思います(素人さんご自身がどの用に認識されているかはこの際問題ではないでしょう)。
    で、そういう態度は、周りで見ている人間は(あるいは回答者の方も)不愉快に感じられることがある、という意味合いでの注意ではないでしょうか?
    ちと説教臭くなったので匿名で失礼。
    匿名希望

  4.  まあ、まことにさじ加減の難しい問題なのです。
     たしかに、素人さんの質問に答えていくと本が1冊できてしまうな、とは思うわけです。それは、質問が漠然としているために、短く答えることが難しいからです。
     ミリタリーというのは極少数の専業ライターをとりあえず食わせてゆくことすら難しいほどの市場規模しかないわけで、専業兼業の著者たちが時間も予算もなく、マニアからの怒涛の突っ込みを受けつつ出版した書籍群を、ぜひご覧頂きたいというのは、正直な気持ちです。
     しかし一方で、質問に答えようとするうちに新たな発見があったり、答えなくてもいいことまで調べてしまったりすることも、これまた事実です。面倒でなければ答えますし、面倒に思ったら答えません。
     私もいろいろ過去の苦い戦訓がございますし、今でもちょくちょく難しい判断を迫られることがあります。特定の書き込みをお気にかけられるより、Ans.Q全体のやりとりを広くご覧になり、できればミリタリー関係の書籍なども何冊かご覧になって、総合的に今後の書き込みや資料渉猟の方針を再検討されるとよいと存じます。ご自分の興味を満たす資料が見つかればよし、見つからないとすれば、それがなぜ市場に出回らないのかお考えになることも一興でしょう。
    マイソフ

  5. 通信、補給、整備といった部隊は、一つの軍隊の中でもその規模や軍の機構内部での位置付けが様々で、一括りにはできません。
    例えば通信関係の部隊と言っても、軍通信網の中枢を担うかなりの規模の部隊もあれば、前線の師団の中の通信担当の部隊(規模は小隊位かな)もあり、役割や編成も異なる。補給にしても、補給・兵站の中枢たる補給廠ともなれば、それ自体が駐屯地並みの規模だったりします。その一方で師団付属の補給部隊もあったりするわけで。
    また、国や時代によって補給・兵站、通信等の機構、システムが異なったりしますので、一般化できません。こうしたことを念頭に置いた上で、時代や国を特定して調べたり、比較してみると軍隊の後方支援に関する各国の考え方の違いがわかったりして興味深いだろうと思います。
    アリエフ

  6. 確かに本格的に調べて各国比較や時代別の比較やっていくと、一冊の本できるだろうな。そこまでやらずとも、自衛隊であれば防衛白書など基にして、通信、補給等、主要な後方支援部隊の配備状況調べていってみたらどうかな。
    アリエフ

  7. まあ別にワタシだけに関して云えば迷惑とは思っておらず、逆に面白がって、単に好きなことを喋っているだけなので、どんどんご質問なさってよいと存じます。忙しかったり、質問が詰らなければ回答が遅れるか、回答しないかとなるだけなので。日本語出版界の中に御質問のような軍事の「基本事情」についての、簡便な纏ったガイトブックがない以上は、皆さんで、こんなものかなー、あんなものかなー、と回答を寄せると、互いに勉強になるのでは。
    適当する入門書あれば、そっちを紹介することにします。けれど、基本的な入門書のどこにも書いてないことがあって、それを理解するには、ちょっと尋常な手段ではできないものは、ここで簡単に説明するのも面白いと思っています。小さな特殊な質問(調査や確認に存外の時間がかかる)よりも、大まかな質問の方が答えやすい(単に知ってることだけの概略を書けばよいので)こともありますし。

    1 「通信」部隊は、旧陸軍では、軍通信部隊(グンツー)と隊属の通信部隊があり、前者は後方と前線を結ぶ幹線通信網の建設・保守・運用に任じます。後者は師團の通信隊・聯隊大隊の通信班・中隊小隊配属の通信兵などで、師團司令部と隷下部隊との通信線を敷設・保守し通信の運用に任じます。前者がれっきとして工兵であるのに対し、後者は単に通信特技のある兵科の兵隊です。
    グンツーでは、工兵の聯隊規模数個(後方地域の広さにより変化)を基幹とし、必要に応じ独立中隊(たいていは無線)を投入。主通信所を中心に有線・無線の中継所を要所に設けます。聯隊は4個中隊程度の規模で、大半が建設に從事、歩くのと同じ程度の速度で、簡易電柱付き有線を張っていくことが出来ます。無線隊は自ら送受信塔の建設もします。
    隊属のほうは、中小隊規模で、ソノ中を有線無線に適当に区分してあり、師團通信隊くらいではグンツーの装備に準じています。聯隊・大隊本部付になると、5人くらいの組でケーブル巻を持って木の枝や地面に電線を這わせて急造の簡易有線網を作ります。特に砲兵は無線の性能を信用しておらず、専ら有線を使用していましたので、断線修繕も重要な役目でした。旧軍は貧乏だったので、ハンディ・トーキーやら小隊用の通信機などシャレタものは持っておらず、装備のよい中隊が通信兵1〜2名の小型通信機・電話機を持っていた程度です。たいていは人間が走る傳令ですませていました。


    補給は、編成地の留守隊の所属する師團管區に補給基地が設けられ、そこを経由して内地の大集積地(例えば宇品)に軍需品が送られます。直接に補給廠から送りこまれてくる物資や、現地で軍用商人から直接購買したものも含まれます。物資は輸送船で海を渡り、戦場後方の占領地區に設けられた集積地(例えば北京)に集積され、そこから各軍の要請に従って戰線に輸送されます。
    各軍では、軍司令官のもとに「兵站監」(将官)がおり、後方地域を「第何軍兵站管區」と称し、その最も交通至便なところに「兵站主地」と云うメインの補給基地を置き、内地や占領地區から送られてくる物資を集積します。
    こうした物資の輸送路を「兵站線路」line of communications と呼び、これに沿って鉄道や道路、航路が敷設されています。一日行程おきくらいに休養・中継用の宿舎があり、通過部隊に食事や医療・修理などサービスを提供します。これは「兵站司令部支部」と称し、兵站線を分担する「兵站司令官」の隷下にある兵站部隊(各兵種混成)が運用しています。兵站司令官は通常、数名おり、要所に「兵站倉庫」を設け、物資の流通に努めます。中には現地物資徴発専門、糧食加工専門、河川輸送専門などの兵站倉庫などがあります。兵站倉庫間は、「兵站輜重」と呼ばれる輸送隊(輜重兵と補助輸卒隊、あるいは現地雇用者からなる)が物資輸送に任じます。
    兵站線の終点は、「兵站線路終点」と呼ばれ、兵站管區と戦場の境界となっています。そこから向うがホンモノノの戦場である「前線」となります。そこでは兵站監の権限は及ばず、専ら軍司令官の軍令で動きます。軍司令部の参謀部に後方参謀がおり、補給の計画・実施をまとめています。
    前線の部隊は、輸送部隊(輜重隊)を兵站線路終点まで送り、必要な物資を受取って、部隊に配給します。必要に応じ、軍司令官は「野戰倉庫」(太平洋戦争頃には雑多な補給廠支部を統合して「野戰貨物廠」に改組)を設け、当座の物資の集積・配給センターとします。
    輜重隊は物資集積所まで物品を運び、各部隊の行李(隊所属の輜重兵、砲兵は段列の彈薬車)が所要量を受領にきます。「行李」が持ち返った物資は、各隊に分配され、兵隊は糧食にありつき、彈薬箱を満たします。
    物資のうち最も大量に補給されるものは「糧秣」で、「彈薬」は戰闘が続かない限りは余り流通しません。
    「補給」の部隊には、ここには書き尽くせないほど雑多な兵種・職種が含まれており、だいたい、どの国でも同じような部隊の種類が揃っています。というより、どの軍もやってることは同じなので、自然に揃わざるをえなくなります。中には兵站倉庫の防火に任ずる消防勤務隊や、死者の取扱いにうるさい欧米の軍には大量の棺桶を備えた埋葬勤務隊などもあります。米軍の有名女優の慰問公演、獨軍の宣伝中隊なども面白いですね。問題になっている慰安所も軍兵站監部の兵站經理部が民間業者に業務委託したものや、単に営業許可を与えたものや、直営したものなどヴァリエーションがあります。日本軍にないものには、製麺麭(パン)隊や屠獸隊(肉用家畜の飼育・屠殺・精肉)があります。


    「整備」部隊は、各部隊に必要に応じて兵器部員が配属され、歩兵では大隊レベルに銃工長(下士官)がいて、手下の銃工兵(各中隊に1人はいた)を集めて修繕・加工をしていました。聯隊レベルでは上等工長(准士官)がいて、兵器掛(将校)を助けて修理工場を運用しました。
    独立した整備部隊は、師團ないし獨立混成旅團に「兵器勤務隊」があり、より大きい規模の修理工場を運用していました。戰車部隊には、小規模な修理ユニット(中隊・小隊規模)が編成されており、航空部隊には飛行場大隊などと呼んでいた地上ユニットのなかに整備工場があり、また機付整備兵が日常のメンテに任じました。イスラエルの機甲部隊に附属する整備ユニットは、戦闘中の修繕に任じ、戰車の稼働率の向上に貢献しています。
    あるめ


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