補足です。中山隆志著「関東軍」でロシアの最新公開資料に興味を持ちました。最近「ソ連の資料」があれだけ使われると日ソ戦関連の１次資料の複製、もしくは翻訳が一般でも入手可能な形でどこかの国で出版されたのではないかと思った次第です。よろしくお願いします。
質問者

　その本は読んでないんですが、巻末に参考資料・使用書籍とか乗ってませんか？

　因みに海外だと割と近年ノモンハンを題材にした「Forgotten War」なる本が
出ているようですが、これあたりの参考資料・使用書籍を当たるのも手だと思います。
下はその本の書評です。

http://www.newstatesman.co.uk/199906210047.htm

Okhotska Fruskiy

同志Okhotska Fruskiyさん、ありがとうございます。「Forgotten War」を注文します。欧米では軍事史が学問の一分野として確立しているので何か手がかりがあるかもしれません。
「関東軍」のノモンハン事件に関しての新資料の名前はG.F. Krivosheeva, Grif swkretnosti snyat : Poteri Vooruzhennykh Sil SSSR v voynakh, boyevykh deystviyakh i voyennkh konfliktakh: Statisticheskoye issledovnie, Moskva: Voyennoye izdatal'stvo, 1993, str. 72.というソビエト時代に行われた統計調査の公刊資料です。
原本を読むにはモスクワに行かねばならないのですが、外国人のサラリーマン風情では閲覧は無理でしょうね。
ふじい

ノモンハンの日ソの本当の損害比があれだけだったとしたら、
独ソ開戦の夏から秋の頃もし関東軍が北進したらどうなったろうか。
これは相当に懸念されていたそうだが、そのへんの事情についてはどうかな。
毛沢豚

↑加登川幸太郎先生の「日本陸軍の反省」によれば、関特演は成功する見込みはないと
現地軍とかは判断していたようですが。
まあソ連軍は日本が動かない事を確信してから兵力を抽出したのは確かですから、日本の
北進を脅威と取っていたことは確かでしょう（国境にあれだけ兵力を集められたらねぇ…）。
Okhotska Fruskiy

参謀本部を中心とする北進派は関特演を強引に北進作戦に変更し、その後も準備をすすめます。戦況の変化により北進準備も自然消滅して書類だけのものとなり、44年に東条首相の失脚により北進派の後ろ盾が無くなって、やっと参謀本部も大陸では持久守勢に方針を転換しますが、準備も不十分のまま日ソ戦が開始されます。北進への固執がよりソ連軍を強固に、より関東軍を不利にするという皮肉な結果となっています。
ふじい

張鼓峰・ノモンハン両事変の戦記なんですけど、本によって記述が違いすぎる。
日本軍の一方的惨敗であったかのような記述と、日ソ互角と見ているものの
両方があって混乱してしまうのですが、前者だとしたら停戦協定成立の理由は？
aaa

どちらの事件も日本が主張する国境線を破棄している、投入部隊が軍事組織としての機能を喪失して後退しているという現実はどう言い繕っても敗北です。あの状況を互角とするのは政治・軍事の基礎を知らない人の発言、恣意的な発言、文学的表現のどれかと考えておきましょう。
停戦協定成立のソ連側の理由を日ソ間だけに限定して概説を述べると、政治的には東方は不拡大方針なので主張する国境線の確保で充分であった、軍事的には張鼓峰事件は投入部隊の準備が不完全で攻勢限界に達していた、ノモンハン事件は攻めやすく守りにくい日満側地域を保有したくないという点からです。
ふじい

日ソ両軍の損害の絶対量はほぼ互角であったと、
最近伝えられております。
また、個々の戦闘の中には互角、あるいは優勢だったケースもあるでしょう。

しかし、戦いでは最後の結果こそが全てです。
その点からいうならば、ふじいさんのおっしゃる通り、まぎれもない日本の敗北です。
勝井

赤軍の損害が多かったのは、戦車がやられる度に一両につき確実に3人戦死したのもあるのでは？脱出が不可能な様にハッチは溶接されたうえ、飛び出した乗員もことごとく日本歩兵に掃討されたようですが。（あんまり影響ないか）
くらま