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254 日本人は首相や大臣に対し「閣下」と呼ばないのに外国人(特に記者など)は日本の首相や大使と日本語で話す時「閣下」という敬称を使うのはなぜですか?
以前、森首相がロシアを訪れた時日本語学校の生徒が森首相を「総理閣下」と呼んでいました。あと、日本人も外国の大統領や首相などを「閣下」と呼ぶことがある理由は何でしょう?(もちろんニュースでは呼ばない)
それと外国でもその国でのニュースとかでは「クリントン大統領閣下」とか「エリザベス女王陛下」とかと呼ぶのですか?
ぱるぱる

  1. 何故、「日本人」が一般的に「閣下」という表現を避けるか、という
    問いに対して、おそらく正解はなく、推論で語るしかないでしょう。

    閣下の「閣」とは、
    訓読みにすると「たかどの」となり、
    「たかどの=高殿」の意味は、有り体に言えば立派に造った高い建物のことです。

    そして、「閣下」の意味は、「貴人の住む高殿の下 (もと) 」であり、これは
    直接、面と向かって対話するのが失礼であるとされた主に宮中の習慣から転じ、
    「貴方様のような高貴な方に私の如き卑しい身分の者が直接語り掛けるのは
    恐れ多いので、貴方様がお住まいになられている高殿の下に対して申し上げます」
    という意図が含まれています。
    「陛下」「殿下」の場合も同様で、
    「閣(たかどの)」が
    「陛(きざはし=御殿に上る階段)」
    「殿(との=どっしりと土台を構えた建物」
    と転じた形です。

    で、以降は推測ですが・・・

    この「閣下」という敬称は、主に勅任官や将官に対して用いられる
    言葉であり、どうしても「皇室」「軍事」を連想させる面を持ちます。

    そして言葉というものは、多く用いられれば用いられるほど定着して
    いき、使用を避ければ避けるほど忘れられていきます。
    それを左右する大きな役割をになっているのが、新聞・テレビといった
    マスコミです。

    そして、主なマスコミ各社は、戦後、極力「皇室」「軍事」を連想させる
    言葉を避ける傾向にありました(その是非に関しては、私は未だ妥当解にすら
    辿り着いていませんのでノーコメント)。
    その結果、一般的に、国内で「閣下」という呼称があまり用いられなくなって
    いったのではないでしょうか。

    尚、和英辞典で「陛下」と引くと「Majesty」となり、
    英和辞典で「Majesty」と引くと「威厳・尊厳・陛下」となります。
    用法としては
    エリザベス女王陛下=<Her Majesty Queen Elizabeth>
    天皇皇后両陛下=<Their Majesties the Emperor and Empress. >
    となり、大統領に対してはスバリ
    <Mr. President>
    で十分であるようですが、あるいは何か特別な敬称があるのかもしれません。
    この辺りは、SHI大兄かウチュー人辺りの解説を待ちましょう。


    雪風2

  2. Her Majestyといえば、Her Majesty's Secret Service。
    英国の農業を壊滅させようとする陰謀阻止に送りこまれる女王陛下の切り札007。場所はスイスのシルトホルン展望台(ロケ地;今でもレストランの名前は007)

    まあ、それはともかく今住んでいる共和国においてはニュースでは大統領以下平民まで自分所のでもよそのでもややこしい事は言わないで『ムッシュ』『マダム』ですませ、王族皇族は普通名詞の王、女王、をくっつけているようです。一般の日常会話では畏れ多くも『ルイ(に聞こえないだなこれが)』『エリザベス』『イロイト』『アキイト』などと友人扱いです。
    閣下、陛下、殿下というのは日本も含めて外交用語ないし政府行事用語なのではないでしょうか?C3POの専門分野ですね。このあたりはやはり言葉の専門家、WarBirdsのC3POことウマシカオさんにご登場願いましょう。
    SHI

  3. 普通はただの「大統領(The President)」あるいは「クリントン大統領(President Clinton)」と呼びます。敬称を付ける場合は「大統領閣下(Mr.President…マリリン・モンローの即興にありましたね)」あるいは「クリントン閣下(Mr.Clinton…少々皮肉な言い回し)」と呼びますが、「クリントン大統領閣下(Mr.President Clinton)」という言い回しは耳にしません。かなり大袈裟な敬語なので、むしろ嫌味っぽい表現になってしまうからでしょうか。

    ささき

  4. 私,ご氏名があったんですね.気がつかなかった,失敬失敬.C3PO的な回答は雪風氏が代行してくれたようなので,私が雪風氏風の回答(憶測)をしてみようと思います.
    陛下=天皇・皇后.殿下=皇太子・皇族,古くは摂政・関白・将軍.閣下=高位,高官,将官.猊下=僧侶.机下=一般.
    これらの敬称は使われなくなりましたね.元号が昭和のころは「天皇皇后両陛下」の言葉はよく耳にしたのですが,昭和天皇が亡くなるととたんに「新天皇御夫妻」とかテレビのアナウンサーが報道していて私はびっくりしました.「妃殿下」「両殿下」も頻度は減ってますね「秋篠宮ご夫妻」とか「雅子様」.
    問題の「閣下」ですが,雪風さんご指摘のどおり,随分立派な敬称なんですが,民主主義の日本において,国民が自分らの代表として選んだ国会議員,その代表が選んだ大臣に対しては少々,立派すぎないでしょうか?勿論尊敬出来る人間がその職に当たるべきではありますが.民主主義においては,政治家というのは,典型的な public servant であり,決してやんごとなき方々ではありません.民主政治の感覚では大臣(あるいは軍人)を閣下呼ばわりする気になるでしょうか?私は嫌ですよ.政治家に先生をつけるのもやですもん(センセイってのは使いますが).ただしこれが外国の政府高官であれば,話は別だと思います.当該国の政体がどうあれ,通例国賓待遇でしょうから,これは閣下をつけるのには反対はしません.

    ウマシカオ


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