QQCCMMVVGGTT
717 日本に「終身刑」がないのはなぜですか?
ぱるぱる

  1. 歴史的経緯はよくわからんが、仮釈放もない終身刑が行われていないのは恩赦制度があることが一因かもしれない。刑事犯の態度、行状によらず政府の一存で刑を減免してしまう恩赦制度を残しているのは日本位だとか。三権分立、司法権の独立と恩赦制度とは本来、矛盾する性格です。もちろん、日本国憲法で恩赦が定められているから合法であるわけだけど。
    下のサイト、保坂展人議員による国会質問趣意書に対する森喜朗総理大臣(当時)名義の答弁書が一つの参考になります。これによると、明治時代にも終身刑に相当する刑罰制度が定められていたようです。
    http://www.shugiin.go.jp/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/b149019.htm
    で、戦後の日本国憲法下においてご承知のように死刑が最高刑で、その次に無期刑(禁固・懲役)があるわけですが、仮釈放すら認めない終身刑については実質的な死刑であるという批判もあるわけで。最も、最近の死刑廃止議連も死刑に対する代替措置として仮釈放無き終身刑を主張しているそうですが。
    なお、死刑廃止した国でも終身刑を導入していたりします。アメリカのように、死刑と終身刑両方ある国も。
    アリエフ

  2.  ゴミ以下かもしれませんが。

     終身刑は、実質的な死刑で、死刑とそう変わらないものという主張もありますが、単純にそうは言えません。刑罰の本質は、何かという問題も絡んできます。そもそも、刑罰は何のために科されるのでしょうか。私の拙い理解で述べるならば、罪に対する応報として科されるという考えと、もう2度と罪を犯させない教育のために科されるという考え、犯罪を予防するためにも科されるという考え、社会防衛のために科されるという考え等があります。

     正直に言うならば、犯罪抑止に死刑は全く効果がありません。死刑を廃止した国や米国の州で犯罪が統計的に意味を成す程増えたことは無かったはずです。刑罰は犯罪者の教育のために科される(この考えは、何回も窃盗を繰り返しては軽罪であるとして、1年も経たないうちに出所するような人に対して、生まれたそうです。従ってむしろ重罪化のために生まれた考えです)と考えると、死刑は犯罪者に対して教育的効果が無く、刑罰として不適です。終身刑には、まだ教育的効果があります。そして、応報として科されるという考えですが、ここで死刑のパラドックスが起きます。即ち、速やかに罪を認め反省の態度を示すと罪が軽くなり、罪を否定すると反省してないとして罪が重くなります。免田事件等の死刑確定後の再審無罪の例は、死刑のパラドックスが起きた一例です。それを思うと、無罪の人が死刑に科されてもいいのか、という疑念がどうしても起きてなりません。また、社会防衛のためなら、終身刑で一般社会から隔離することで、死刑を科さずとも、社会防衛の目的を果たすことが出来ます。

     終身刑が日本で行われていないのは、ぶっちゃけて言うと、日本の刑法上に終身刑が無いからで、立法府が終身刑を刑法上定めていないからです。しかし、死刑を廃止する代わりに終身刑を導入するという提案について、世論調査を行ったところ、過半数の賛成を得たこともあるそうですし、外国に逃亡した犯罪者について、日本が引渡しを求めたところ、死刑制度の存続している国に犯罪者は引き渡せないと拒否された例もあるそうですから、将来、日本に終身刑が導入される可能性もあると思います。
    山家

  3. >死刑を廃止した国や米国の州で犯罪が統計的に意味を成す程増えたことは無かったはず
    死刑廃止の代りに終身刑導入している国もあるのでは?死刑又は終身刑が犯罪抑制効果があるか否かという問題ではないかな?
    >死刑は犯罪者に対して教育的効果が無く・・終身刑には、まだ教育的効果があります
    ここがよくわからない。死刑の判決が下っても死刑が執行されるまでに相当の年月が経過するのがざら。死刑執行の前に死刑囚が獄内で死亡することもあり、仮釈放無ければ実質的な終身刑と化しているようなもの。囚人が改悛するのを教育的効果と言うならば、死刑も終身刑も同様なものではないのか?
    >速やかに罪を認め反省の態度を示すと罪が軽くなり、罪を否定すると反省してないとして罪が重くなります。
    これは死刑だけでなく刑罰全体について当てはまること。刑事裁判において裁判官の心証、すなわち被告に対してどのような感じを抱くか、相当悪質な人間と見るか否かによって降される刑罰の程度が変わってくることがある。

    死刑の最大の問題点は、死刑執行後は再審の機会を永久に閉ざしてしまうということではないかな?終身刑の場合、本人の寿命が続く限りその問題はないわけだが。

    アリエフ

  4. ごみですが。

    >死刑の判決が下っても死刑が執行されるまでに相当の年月
    が経過するのがざら。・・・・・実質的な終身刑と化しているようなもの。囚人が改悛するのを教育的効果
    と言うならば、死刑も終身刑も同様なものではないのか?

    死刑囚の場合、死刑執行に直結した(いつ死刑になるか分からないが、必ずそうなる)状態に置かれるわけで、改悛を期待できるような状況が提供されない、というくらいの意味
    に解釈してもらうのが妥当かと思います。いわゆる死刑廃止論もこのへんの「非人道性」を根拠のひとつにしてます。

    これに比べて終身刑の場合は、わずかながらも改悛・更正の可能性が留保されます。出られないにしても、身の安全を伴った
    時間を与える事になるわけですし、改悛・更正を認めた上での特別な恩赦の可能性も残されるわけですから。
    妙な表現ですが、教育的淘汰刑みたいなことになります。



    まつかぜ

  5. >4 死刑と終身刑、どちらが改悛・更生の可能性がより高いか、ちょっとよくわからない。と言うのは、それまでふんずり返っていた被告が死刑判決を受けた途端、死の恐怖からか生活態度が変わり真剣に生や死を考えるようになったという記事があったりするもので。心理学の研究でこうした問題に関する調査結果とか無いものだろうか。余談だけど。
    アリエフ

  6. もう十分に回答が出てるので、ゴミっぽいですが、資料提供ということで。
    刑罰については、刑法第2章に定められています。(下記リンク参照)
    http://www.ron.gr.jp/law/law/keihou.htm#1-2-kei

    関連する部分を抜き出すと
    第九条 死刑、懲役、禁錮、罰金、拘留及び科料を主刑とし、没収を付加刑とする。
    第十二条 懲役は、無期及び有期とし、有期懲役は、一月以上十五年以下とする。
    (禁錮についても期間は同じ(第十三条)

    無期の刑については刑法5章に定められています。
    第二十八条 懲役又は禁錮に処せられた者に改悛の状があるときは、有期刑についてはその刑期の三分の一を、無期刑については十年を経過した後、行政官庁の処分によって仮に出獄を許すことができる。
    (実際には無期の場合15〜20年程度で仮出獄となっているそうです)

    上記の通り、日本では終身刑はありません。
    ただ、無期刑の場合は無期限(つまり死ぬまで)仮出獄扱いなので、生涯刑を受け続けることには違いないのですが・・・


    >3 死刑の判決が下っても死刑が執行されるまでに相当の年月が経過するのがざら。死刑執行の前に死刑囚が獄内で死亡することもあり、仮釈放無ければ実質的な終身刑と化しているようなもの。

    これについて資料を出してみます。
    これは刑事訴訟法ですが、
    第四百七十五条 死刑の執行は、法務大臣の命令による。
    2 前項の命令は、判決確定の日から六箇月以内にこれをしなければならない。但し、上訴権回復若しくは再審の請求、非常上告又は恩赦の出願若しくは申出がされその手続が終了するまでの期間及び共同被告人であつた者に対する判決が確定するまでの期間は、これをその期間に算入しない。

    というわけで法制度上、確定から半年以内に執行されることになっています。
    また、再審請求中等であっても「期間に算入しない」だけであって、執行を停止されるわけではありません。(実際、再審請求中の執行もあります)

    実際執行状況ですが、
    死刑執行・判決推移
    http://www.geocities.co.jp/Bookend-Ohgai/1901/number.html
    死刑確定囚リスト(1993.3.26以降のみ)
    http://www.geocities.co.jp/Bookend-Ohgai/1901/cplist.html

    戦後すぐの時期はデータについては戦犯を含んでると思われるので少し違うのかな?とは思うのですが、1945年から2002年の間に執行630名に対して恩赦25名、獄死20名、1993.3.26以降では執行43名、病死、自殺1名ずつというのは決して「事実上の終身刑」と言える物ではないと思います。

    ちなみにアメリカの場合、日本の刑法に相当する法律が州ごとに違います。
    死刑がない州もあるし、あっても長期間執行されていない州もあれば、日本のようにキッチリ執行している州もあるそうです。
    また、5であるような心理学的研究もしているようです。(昔NHKで見たような記憶が・・・)

    長くなってしまってすいません。
    いつもROMの者です

  7. 質問者は終身刑=一生刑務所、日本の無期懲役刑=しばらくすれば出獄可能、との前提で質問していませんか?
    これは誤解です。
    恩赦や仮釈放などの運用次第では、終身刑でも出獄できます。
    また、日本の無期懲役刑でも、その気になれば一生刑務所にぶち込むことも可能です。
    つまり日本にも、普通の人が発想するところの終身刑があるわけです。

    例えば無期懲役刑ですが、10年刑務所にいれば仮出獄可能です。
    でも、あくまでも可能なだけで、その気になれば仮出獄を許可しないこともできます。
    実際、仮出獄申請が通らないことは、珍しくありません。

    立法者も、無期懲役刑を終身刑として定めたと言われいます。
    ただ、具体的なアンバランスを是正するために、例外的な措置として仮出獄の制度などを設けました。
    しかし、実際には原則と例外が逆転してしまったために、あたかも終身刑がないように見えるだけなんです。

    というわけで、実は日本にも終身刑はあるんです。

    それと死刑に犯罪抑止力がないというのは、少しばかり疑問です。
    廃止国の統計を見ると、たしかに廃止前と後とでは、犯罪の発生率に変化はありません。
    でも、そもそも犯罪をある程度抑えることができたからこそ、死刑廃止を実現できたとも解釈できます。
    実際、貧困に喘ぐ発展途上国で死刑が廃止されたにもかかわらず、犯罪発生率が横這いだった例はないのですから。
    死刑とその犯罪抑止力については、神のみぞ知る、でしょう。

    ツカドン

  8. 本題から外れた便乗質問ですいません。

    ツカドンさま、死刑廃止後、犯罪発生率が増えた実例をお教えいただけないでしょうか。記憶違いかもしれませんが、もう10年以上前に、私が大学で講義を受けた際は、教授が死刑廃止論だったためかもしれませんが、教授が示した全ての資料は、犯罪が増えても統計学上の誤差の範囲に収まっていたと覚えています。それを根拠の1つとして、教授は死刑廃止論を主張されていて、私もそれで書き込みました。

    ツカドンさまは、この点についてお詳しいようですので、具体的な国名や出典等をお教えいただけないでしょうか。
    山家

  9. 死刑廃止後、犯罪発生率が増えた実例は、ボクが知る限りではありません。
    外国の統計を見る限りでは、死刑廃止後に犯罪が特別に増えたという実例はありませんね。

    ツカドン

  10. 脱線気味の上に半ばゴミで恐縮なのですが…。
    死刑廃止後、警官が意図的に銃を多用し、現場で犯人を殺害してしまう「現場執行」と通称される行為が起きている国があるようです。統計的に意味を成すほどの数かどうかはわかりませんが、これが多少なりとも犯罪発生率を横這いにしている可能性はあると思います。
    桜華雷帝

  11.  ツカドンさま、どうもありがとうございます。私が死刑制度存続論に深い疑念を持っているので、それで質問しました。

    「現場執行」についてですが、私も聞いたことはあります。ただ、その話しをする人に、それはどこの国ですか、と聞いたら、知らないとか、それ位自分で調べろ、すぐ分かるとか、言われて、未だにどこの国なのか分かりません。それで、その話しはどうも嘘ではないか、と疑念を私は覚えています。もちろん、具体的な国名等が分かり、実話だったら、本当にすみません。
    山家

  12. >11
    自分で調べてもすぐわかりませんでした…。
    法学の時にフランスだとか聞いた覚えがあるのですが…あまり当てになる記憶ではないです…。
    それでも聞いたのは間違いないですが、その影響はどれくらい?と言われると結局「…」です。
    答えになっていなくて失礼しました。
    桜華雷帝


Back