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4622 陸軍航空隊の四式戦闘機と五式戦闘機の性能の違いや優劣を教えてください。
めぐすり

  1.  参考までに。
     http://www.google.co.jp/search?sourceid=navclient&hl=ja&ie=UTF-8&q=%E5%9B%9B%E5%BC%8F%E6%88%A6%E3%80%80%E6%80%A7%E8%83%BD
     http://www.google.co.jp/search?sourceid=navclient&hl=ja&ie=UTF-8&q=%E4%BA%94%E5%BC%8F%E6%88%A6%E3%80%80%E6%80%A7%E8%83%BD
    T216

  2. 四式戦闘機は高速で米軍機全般に対抗できる主力戦闘機。
    五式戦闘機は低速で米戦闘機に対してのみ有効な補助戦闘機。
    陸軍の評価はそのようなものです。
    BUN

  3. 蛇足ですが。
    五式戦は四式戦に比べて中高度での最小定常旋回半径が1割程度小さいと推定され、高アスペクト比の主翼の特性から旋回中に運動エネルギーを失いにくいなど、優れた旋回性能を持っています。
    しかし戦闘機として重要な要件である速度性能は四式戦がかなり優れており、中高度での上昇力も同程度であることから、総合的にみると四式戦が優れているといえます。
    ただしこれは四式戦のエンジンが必要な出力を安定的に発揮した場合の話です。四式戦がカタログ値の最大速度624km/hを1500hp/6000mで得たとして、出力が1400hpに低下すれば最大速度は608km/h程度、上昇力は五式戦に1割劣り、1300hpまで低下すれば最大速度は591km/h程度、上昇力は2割劣ることになります。
    堀越氏の著書「零戦」に、支給された誉22型の社内ベンチテストと烈風(A7M1)の試験飛行結果から、高度6000m付近で1300hp程度しか出ていないとする記述があり、四式戦が出力低下とプロペラなどの不具合に悩まされたとすれば、エンジントラブルの少ない五式戦の評価が高くなるのは必然でしょう。(五式戦の登場は遅すぎましたが)
    五式戦は高アスペクト比の主翼が上昇性能にも有利に働いていますが、常識的に主翼を高アスペクト比にすると横転性能が低下すると思われます。この点について四式戦と比較できる資料を持ち合わせません。
    なお共通に搭載されている20mm機関砲のホ五は、弾丸重量が軽く一発当たりの威力が小さいといわれますが、砲口馬力でみると海軍の九九式一号銃より4割大きく、九九式二号銃とほぼ同じになります。この点はどう評価するべきか??

    くろねこ

  4. >3.
    Emmanuel Gustin 氏のまとめたデータによれば、ホ5は弾頭重量で1号/2号銃に、初速では2号銃に劣るものの発射速度が高く、自重も比較的軽量にまとめられており、銃口エネルギー×発射速度÷本体重量のQファクターでは2号銃と同等以上、投射質量÷本体重量のMファクターでは1号銃と同等と評価されています。

    http://www.geocities.com/CapeCanaveral/Hangar/8217/fgun/fgun-pe.html

    ただしホ5は初期量産品につきもののトラブルが多く、破損対策として装薬を減らし低初速・低発射速度化していたという話もありますので、カタログデータどおりの性能が発揮できていたかどうかは疑問が残ります。

    なお両者の火力性能については、四式戦は機首銃を20ミリに換装した乙型が少数生産されており、翼銃を30ミリに換装した乙型の生産も予定されていた一方、五式戦には火力向上型の計画が存在しなかった(三式戦 II 型のときに考慮され、結局実施されなかった)事も、両者の性格を表わしていると思います。
    ささき

  5. ↑わわわ、30ミリ装備の四式戦闘は「丙型」です。ところで三式戦 I 型の一部に30ミリ機関砲を装備したタイプがあるという話は本当なんでしょうか?「二式単戦には少数の20ミリ装備型、37ミリ装備型がある」という話と出所が同じ(「Japanese Military Aircraft」Rene J.Francillon 著)ように思えるのですが。

    ささき

  6. 四式戦の最大速度を試作機が記録した624kmを材料にあれこれ推定しても意味はありません。量産機とは条件が異なり過ぎるからで余りにも大雑把で誤解に満ちた答しか出て来ません。
    また五式戦闘機=高い信頼性という評価も短絡的かもしれません。五式戦闘機の可動機/保有機の比率は明野にあった機体ですら高くないのです。
    BUN

  7. 文章が乱れて申し訳ありません。
    陸軍機の最大速度に関する数値にはそのまま量産機に適用できないものもあります。疾風もそうですが、隼などは翼端切断後どうなったか、推力排気管でどう変わったか、単排気管となってどれだけ向上したのか、明確な数値は一切ありません。素性の不確かな数値をベースに何かを論じることはそれなりにリスクを伴うでしょう。
    BUN

  8. ↑簡易計算の結果を丸めずにそのまま使ったので誤解を与えたかもしれませんが、BUNさんの仰るようにこのような計算はリスクが大きいですから、あくまでもご参考です。
    形状抗力係数を算定する数字が試作時の624km/hしかなかったのでこれを使用したのですが、量産機の具体的な数字があればありがたいです。
    水平速度とそれを記録したときのエンジン出力/高度がわかれば大体の形状抗力係数を推定することができます。相当平板面積と主翼面積の比率である形状抗力係数は、突起物の増減や機体の工作精度によって変わりますが、機体に大幅な修正を加えない限り大きく変化することはないと思います。
    試作時は理想的な状態で624km/hを記録したときの出力値がどのくらいであったかも問題ですが、量産機はもっと条件が悪かったのか??
    出力や形状抗力係数をいくらに見込むかは意見が分かれると思いますので、最大速度の計算結果をマトリックスで掲載しておきます。なお形状抗力係数CDpが0.020で零戦52型並、0.024で雷電並の形状抗力になります。

    hp/CDp 0.020 0.021 0.022 0.023 0.024
    1300 610 600 591 582 573
    1400 628 618 608 598 590
    1500 645 634 624 614 605
    1600 660 649 639 629 620
    1700 675 664 654 644 634
    重量3890kg、主翼面積21u、主翼アスペクト比6、翼効率0.85、プロペラ効率0.8(推力式排気管効果を0.05見込む)、高度6000m
    前後の釣り合いが変わらないとして重量を3500kgとすると速度は0.6%程度増えます。

    たしかに五式戦の信頼性については使われた期間が短いので正当な評価は下せないと思います。五式戦を囃す文章が多いので媚びたといわれても仕方がありません。
    誉の排気量当たりの離昇出力が50〜56hp/lであるのに対し、ハ112-IIは46hp/lだから余裕があるという類の話も推測にすぎません。前出の堀越氏の著書には100式司偵III型の速度が試作時よりも落ちているという記述があり、ハ112-IIだけが完璧と考えるのは無理があるでしょう。
    実際にカタログ値の1250hp/5800mで五式戦を見積もると速度が出過ぎてしまいます。

    くろねこ

  9. >8
     既にご存知だと思いますが、疾風の試作機と量産後期では発動機が違います。言うならば零戦の瑞星搭載試作機の性能で21型の実性能はどうだったのかを述べるようなものでしょう。
    SUDO

  10. ↑出力と形状抗力係数から速度を推定しているだけで、エンジンの種類は関係ありませんが。
    エンジンの冷却抵抗や油冷却器の抵抗が増えるならば形状抗力係数に加算すれば済みます。そのためにマトリックスにしてあります。高度が大幅に違うならば再計算する必要がありますが。
    揚げ足を取るわけではありませんが、零戦試作機の最大速度から零戦21型の最大速度を推定するのは簡単です。(速度の測定誤差があるというのは困りますが)
    零戦試作機をA、零戦21型をBとすると

    Bの速度=Aの速度*(Bの出力/Aの出力*Aの全開高度での空気密度/Bの全開高度での空気密度)の3乗根

    になります。
    瑞星は875hp/3600m、栄12型は950hp/4200m、高度3600mの空気密度は0.087、高度4200mの空気密度は0.0817、零戦試作機(A6M1)の最大速度は275ktsですから

    275*(950/875*0.087/0.817)^1/3=288.6kts

    が零戦21型の推定最大速度になります。
    これに重量の差による誘導抗力の違いを補正すればもう少し小さくなります。この2機種はパラメーターに大きな違いがないので簡単に推定することができます。

    くろねこ

  11.  ええ、ですから、疾風試作機と量産機では全然馬力が違い、量産後期はより大馬力であるという前提をすっ飛ばしては無意味でしょうと。
    SUDO

  12. ↑誤解があるかもしれません。
    8.の表は疾風の翼面積、主翼アスペクト比などを前提に出力と形状抗力係数が変わった場合の推定速度を示したものです。試作機を前提にどうのというものではありません。CDp0.022/1500hpで624km/hになったのは偶然です。
    馬力が増えたならばその馬力を選べばよく、形状抵抗係数がわかれば速度を推定できます。
    CDp0.021〜0.023ぐらいが疾風に該当するのではないかと思います。
    良く知られているのは試作段階の624km/hの数字で、機体抵抗を小さく見込めば1400hp台で得られるし、大きく見込めば1500hp台が必要だと読んで欲しいのです。
    エンジンが替わって馬力が増えてもそのように読んで頂いて結構です。
    仮にエンジンに問題があって実際の出力が1300hpしか出なければ582〜600km/hに落ちてしまうということです。

    くろねこ

  13.  で、試作機の搭載したハ45特が1440馬力/5700mというスペックなのはすっ飛ばしですか?
     1500馬力/6000mとかの、実在しない数字を述べられてるから、おかしいでしょうと言ってるんです。
     疾風試作機は6000mで精々1400馬力出るかどうかであることぐらいは既に明らかなのですから、スタート地点から間違ってませんかと言ってるんです。
     勿論、その計算表を如何こう言う気はありません。
     押えるべき試作機の実馬力が先ず以って不明瞭なのに、600出るかどうかとかの話しに進むから、おかしいでしょうと言ってるんです。
    SUDO

  14. ↑3.で使用した馬力と速度については丸めて1割低下、2割低下といった表現で使うつもりで用意したのですが、そのままの数字を使ったことはお詫びします。この点は8.でも触れているのですが。
    しかしレスから初期の誉の出力について問題にされているとは気づきませんでした。
    3.の勇み足的記述を除けば、初期の誉の出力を問題にする必要はないと思いますが、初期の誉の出力について1460hp/5700mなどという数字も記憶しています。これは地上出力から標準大気表を使って計算された数字だとおもいます。
    最大速度の状態ではラム圧の影響で全開高度は幾分上昇し、吸気路抵抗の影響も受けますのでカタログ値と違った数字になるはずです。5700mを全開高度とするのも嘘になってしまいます。実質的な全開高度は6000mに近いかなと思ってしまうのも簡易計算です。
    まあ、所詮は簡易計算ですから比較対照を比率で表現しているうちは良いのですが、具体的な数字を出すと色々とご指摘を頂きます。細かい点はご容赦ください。

    くろねこ

  15. 624km/hは増試4号機で6500mでの値です。実はもう少し高度が下がると630km/hを超えられます。同じ機体でそのような計測値があります。しかし、この機体の発動機は発動機自体の量産初期のものであり、高ブーストで不具合があったといいます。数字を見ていると、この時点では発動機の運転条件も整えられていなかったようです。適正が出せる条件が整う前に採られた実験値なのです。また、この値は設計にあたっての中島での性能推算値に比して小さすぎます。
    堀越さんが指摘されている額面割れの件については原因究明が行われ、一定の改善・対処がなされています。対処後の生産機である19年12月製のものは米軍実測値で687km/hを出しています。
    624km/hという数字をもってキ84を代表させるべきではない、後期ほど性能が低下しているはずだと考えるべきではない、ということなのです。


  16. 元になっている数値の素性が問題なのですから、計算式がどうであろうと構いません。それは御自身の御発表に類することでしょう。回想や伝聞を採り入れていたら幾ら精密に計算しても意味が無いのです。ということでここでは何をすべきか判るのでは?
    BUN

  17. 米軍実測値、689km/hでした。



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