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4661 単発プロペラ機に異種口径機銃を装備する場合、胴体銃に小口径、翼内銃に大口径を搭載する場合が多いようですが、なぜでしょうか。
また、三式戦丁型・五式戦のみ例外ですがこの理由もわかりません。

ねのひ

  1. 世界最大の生産機数を誇るMe109は胴体銃(モーターカノン)に
    大口径をつんでいますけど。

    wittmann

  2. いや、Me109でもEはMGFFを翼内に装備してますし。
    ねのひ

  3.  ねのひさんがおっしゃる「胴体銃」とはプロペラ回転面内に装備された銃のことだと思います。この位置に大口径(20mm以上)の銃を装備すると、万一同調装置が故障してプロペラに弾丸が当たった場合、プロペラブレードが失われて墜落につながります。そのため、プロペラ回転面内の同調機銃には大口径銃(砲?)を避けるのです。三式戦丁型と五式戦が例外である理由は私にも分かりませんが、上記の危険を冒しても武装の強化が必要と判断されたのではないかと愚考します。

     (以下蛇足)
     過去にも書き込みしたのですが、私の実家には大戦中海軍の零戦パイロットが下宿していました。ある日、基地から帰宅したパイロットが私の祖父に、「おじさん、今日はペラを撃っちゃったよ」と言ったそうです。同調装置が故障して、銃弾がプロペラに当たってしまったのでしょう。胴体銃が7.7mmだったから墜落せずに済んだのだと思います。

    ハムサンド

  4. エリコン系20mmなど同調装置との相性が悪い機銃は翼内に装備する以外の道は無いのですが、三式戦闘機の胴体銃が翼内に八九式7.7mmを装備した甲型でホ103 12.7mm、翼内にホ103を装備した丁型でホ5 20mmであるのは胴体銃の命中精度が高い為に優先的に装備されたのです。これについてはその搭載理由を述べた記録が残っています。
    BUN

  5.  大戦中のソ連機は軸内銃に37mm、プロペラ圏内の胴体銃でも20mmクラスを平気で積んでますね。用はその機体を使用する使用国の考え方なのでは無いでしょうか。
    大塚好古

  6. 同調可能な発火メカニズム(引金を引いてから弾が飛び出すまでの遅延時間が一定している)を持ち、なおかつ機首部に収めることが可能なほどコンパクトな大口径機銃が少数派だったことも関係していると思います。
    ささき

  7. こちらの過去ログによると、薄翼・大アスペクト比の三式戦&五式戦の主翼には、ブローニング系M2のスケールアップで角ばった箱状の機関部を持つホ5は、収まらなかったからとありました。一方、重くてもスリムなMG151/20は収まったのだそうです。

    私は、三式戦はFw190のように翼根に装着する方法はなかったのかな、と思っています。三式戦一型丁は、機首にホ5を積むため機首を延長し、ズレた重心を補正するため、尾部に鉛弾バラストを積む破目になって性能が低下しています。翼根ならそのような不合理はなく、命中精度も機首にほぼ準じるはずで、メリットは大きいと思うのですが…。
    NG151/20

  8. ペラを撃ちぬくのが怖いならプロペラ圏内に装備しないと思います。故障したら、それはそれ、エンジンだって故障するのだから。それに、ペラを撃っても平気な銃では戦闘する意味が無いとも思いますし。

    同じドイツ機でもFw190はほとんど最初から20mmをプロペラ圏内(内翼)に装備してます。装備する銃と機体のバランスが重要じゃないかと思います。
    ジジ

  9. いや、キ61の場合でもいったんは胴体砲として13ミリ装備と決しておきながら、従来の空冷機よりも機種が延びプロペラまでの距離が長くなった分だけ同調に不具合が発生しやすくなるのではないかという不安が拭えず、「やはり胴7.7ミリ、翼13ミリとすべきだ」「いや、13ミリはモーターカノンにできないか」と揺れ戻してグラついています。何の不安もなくいきなりスッパリと割り切れるものではなかったのです。


  10. やはり検討されてたんですか、ハ40のモーターカノン装備…。
    ささき

  11. >7

    三式戦一型丁は暫定的な武装強化機として生産を急いだ機体ですからあれで良いのです。翼内20mm装備は二型の新主翼が担う計画で進んでいます。
    BUN

  12. 大口径砲ほど命中率の良い胴体に搭載した砲が良いように思えますが、プロペラ同調装置ってそんなに信用できないものですか?
    二式単戦でも異口径混載の場合は7.7mmの方を胴体銃に選んでますし、四式戦甲でも20mmは翼内搭載ですし、大口径砲をプロペラ同調にするのは随分勇気がいるみたいで…
    ねのひ

  13. 記憶だけなので、話半分に聞いて頂ければ結構ですが。
    7.7mmであれば、プロペラを撃っても、問題なく帰還が安濃だそうで、
    13mmがプロペラを撃っても無事帰還出来る限界の口径だそうです。

    問題は、同調装置だけではなく、機銃の方にも問題があるでしょう。
    加熱など撃ちすぎると、暴走する事があるそうですから。
    3式と5式は、同じ同調装置ですが非常に信頼性が高く、安全であったと言う事。

    もう一つは、機銃の弾数が少なく暴走する心配がなかったからでしょう。
    尤も、少ないと言っても、胴体装備としては、多い方に属していたそうですが。
    青江

  14. 飛び入りで失礼します。
    基本的には,5.大塚様が言われましたように使用国の考え方と言うことではないかと思います。単発機のエンジン上の機銃同調装置が故障した場合,7.7mmなら,ペラに穴があくくらいですが,20mmなどではペラ自体が吹っ飛んで下手するとそのまま墜落も有りかと。
    ようは,そのリスクを避けて大口径銃(砲)を翼内装備にするか,リスクを侵してでも,命中率と集弾率の高い同調機銃装備にするかと言うことではないでしょうか。
    12.ねのひ様,もしかして,大口径機関砲のサイズを見落としていませんか?
    普通の機関砲は,砲身長が長いため,機首に収まらないと聞きました。
    現にゼロ戦の機首に13mmを搭載したときも,銃の尾部がコクピット内に突き出しています。普通の機関砲ならそうなるのでは。
    飛燕は機首が長いですが,スピナ先端にむけてゆるくカーブして先細りになっていますから、普通の(例えばエリコン系やマウザー系など)機関砲を機首カバー内に収めるのは無理でしょう。
    しかし,液冷戦闘機飛燕(渡辺洋二著)には,陸軍のホ5 20mm機関砲はアメリカのブローニング12.7mmの口径を銃身長はほとんど変えずに20mm化した。従って他の20mmより全体長が短いので三式戦の機首に搭載可能になった。ただし,短い砲身のせいで弾道低伸性はよくなかった,と書いてあったと記憶しています。
    つまり,ホ5が例外であって,普通は大口径砲は機首には積まない(積めない)のでは無いでしょうか。

    とびいり

  15. 川崎は20mm機関砲用の同調装置の開発に他社より早く成功した、という話が
    当時の兵装設計担当者の回想記にあり、
    それ故に20mm機関砲の機首装備には自信があったのかもしれません。
    ひえ

  16. >12.
    >大口径砲ほど命中率の良い胴体に搭載した砲が良いように思えますが、
    基本的にはその通りです。それゆえに世界各国で双発戦闘機が流行ったり推進式戦闘機が試作された訳ですし、ジェット戦闘機の機銃は胴体装備が当たり前ですよね。

    >大口径砲をプロペラ同調にするのは随分勇気がいるみたいで…
    同調ミスによる不安もさることながら、サイズ的に収まらない場合が多いのです。またエリコンやイスパノなどオープンボルト API 系メカニズムを用いた機銃の場合、発火タイミングが不安定なのでサイズ以前に同調がほぼ不可能という問題を持っていました。

    条件さえ揃えば、ラボーチキン La-9 のように 23mm 機銃を 4 挺同調装備した例があります。
    ささき

  17. 翼と胴のどちらにより大口径のものを置くかという問題を外して単純に機首への20ミリ機関砲装備に話を限るなら、ホ5×4への武装強化、またはホ5の機首装備移行は、キ61IIに限らずキ84などを含めた陸軍戦闘機一般の傾向です。キ43も三型乙に至って胴砲を20ミリに換装しますし、キ106は搭載機関砲を二門に減らされるにあたり翼砲が廃止され、胴体20ミリ×2となります。



  18. ドイツ機の場合。外翼部分への武装はロール性能との関連で書かれている
    書籍が多いように見受けられます。

    外翼部分へ武装を施す国はロール性能よりその他の部分を優先したと
    考えるべきなんでしょうか?
    wittmann

  19. ふつうの戦闘機(レシプロ牽引式単発機)の機首はエンジン、オイルタンク、配管が詰まっているので、同調機関砲は装弾数を制約される欠点を抱えています。主翼装備の 20mm 機銃が一般に 150〜200 発を携行するのに対し、機首銃は 100〜150 発程度になります。上で述べた La-9 では携行弾数 75 発だったと言われます(Flying Guns of WWII, A.Willams and E.Guestin / Airlife)
    ささき

  20. 再度の飛び入り、お許しください。本題からは少しずれますが、
    5.大塚様のお話の中に、「大戦中のソ連機・・・。」とありました。
    確かに、多いものでは3〜4丁積んだ機体もあったような気がしますし、そうした機体は逆に翼内に搭載しないものが多かった気がします。
    私見ですが、これは、寒さの厳しい国土で運用するためで、エンジンの周りに機銃を置くことで凍結を防ぐのが目的だったのでは。また、翼内銃装備では、当然、エンジンからの暖気を使って凍結しないよう作られていたと考えています。このあたり、詳しい方いらっしゃいましたら、ご教示いただければ幸いです。
    よろしくお願いします。
    とびいり

  21. エンジンを外した Bf109 の同調銃とモーターカノンの写真。
    http://www.geocities.com/CapeCanaveral/Hangar/8217/fgun/bf109-b.jpg

    このように、機首装備とは言っても機銃本体はエンジンの更に後方、防火壁の向こうに実装されている場合が多いので、「エンジンからの輻射熱による凍結防止」は気休め程度の効果しかないのではないか、と思います。

    >翼内銃装備では、当然、エンジンからの暖気を使って凍結しないよう作られていたと考えています。
    Fw190A の外翼 MG-FF には電熱線が巻かれていたとか、Ju87G のガンポッドには凍結防止用のガソリンヒーターが組み込まれていたという話は知っていますが、ロシア側でどのような対策が取られていたのか寡聞にして知りません。噂話程度のものなら、冬期のロシアでは凍結の原因となるグリスを洗い落として使っていたと聞いたことがあります。
    ささき

  22. 思い出した!ソ連機ではありませんが、デハビランド・モスキートの機首機銃はわざわざエンジン部からダクトで暖気(排気熱だったか、ラジエターだったか覚えていませんが)を誘導して凍結防止していました(コクピット暖房も兼用だったか?)。ソ連機の機首銃も同様の処理が取られていたかも知れませんね。今後の課題としてゆっくり調べてゆきましょう。
    ささき


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