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4695 液冷エンジンの冷却方式は何種類ぐらいあって、それぞれどんな特徴を持つのでしょうか? (例、エチレングリコール冷却、加圧水冷却、など)
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  1.  液冷は乱暴に言うと2種類x2種類の4種類に大別されます。
     つまり、加圧するかしないか、普通の水か何かの溶液かです。
     加圧するのは、それで沸点を高め、吸収できる熱を大きくしようとする行為です。別に大加圧でなくても、高度が上がれば気圧が下がって沸点も下がってしまうので、一定レベルの加圧はかなり以前から行われていますし、現代の乗用車のラジエータでも軽く加圧してるものはあります。
     溶液を使うのは、一つは凍結防止で、乗用車でもラジエータの冷却液には不凍液を混ぜてますよね。これも、溶液の使用で沸点を上げればそれだけ吸収できる熱量を稼げます。
     こうして吸収熱量を稼ぐと、ラジエータと大気温度との差が大きく、つまりは冷却効率を上げられ、より小さいラジエータでも間に合うので軽量化と低抵抗を得られる訳です。
     加圧する場合はポンプのパワーと配管の強度が、溶液の場合はその溶液の入手性や特性(粘度や凍結温度、さらには危険性)が問題点になります。
     一般的に用いられるエチレン・グリコールは、不凍液としても知られるように凍結温度が極めて低く、粘度も水ほどではありませんが小さめなのが利点です。
     マイナスとしては吸湿性が高く、水を含む溶液の場合は性能が低下し、引火性を持つことです(ただし火力はそれほどではないし、蒸発させながら使うラジエータでは吸湿も極端ではありません)またゴムを侵しますので耐油ゴムの利用が必要です。
     またこの種の高温冷却は気筒に戻す冷却液の温度が高めになり易く、結果的に発動機の性能低下や異常爆発を引き起こす可能性もあります。
     この他には蒸気冷却がありますが、割愛します(ぉぃ、誰かフォロープリーズ。
    SUDO

  2.  まあ、いいや、蒸気冷却も書いておくか。
     蒸気冷却式は、冷却水を沸騰するまで熱く使い、それを一端開放します。つまり発動機から出る冷却水が蒸気状態になります。
     この蒸気を復水器で冷やして集めて再度水にしてエンジンに戻します。
     冷却水を蒸気化するまで使う事と、復水するところでかなり冷える事から冷却効率がよく、また冷却水の量を少なくする事が出来るとされています。
     ただし、完全蒸気化しちゃうと配管通しにくいとか、冷えるんだけど、復水するときに高高度だと凍るとか、配管構造が面倒で重たいとかのマイナスもあります。
     また一般にイメージされてるのと異なり、被弾には強いです。
     それは復水部の内圧は外気圧よりも低く、つまり蒸気が外に出る度合いはかなり抑制される事と、蒸気ですから同じ穴から水漏らすよりも流出量が少ないのです。
     ですが構造的に高度上げると加圧水型よりも効率悪かったりしますし、色々と構造面で複雑なのがネックでした。
     ちなみにメッサーの速度記録機は蒸気冷却復水なしで、蒸気は捨ててすっ飛ばしたようです。これは毎分10kg程度の水(蒸気化してますが)を捨てれば冷却は間に合うので、どうせ短時間だしと、燃料使うのと同じ感覚でやったみたいです。
    SUDO

  3. ありがとござました!
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