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4990 アリソン三羽ガラスの、P38、P39、P40のうち、P38はターボを外されず、P39は途中で外され、P40は最初からターボ搭載を考えていなかったみたいですが、この事は、陸軍航空隊の戦略、用兵思想の、どういう変化からののでしょうか?
まさのり

  1.  初めて書かせてもらいます。とりあえずわかる範囲で回答させてもらいます。
     
     用兵思想というよりもそれぞれの機体の持つ特性や、開発経緯によるところが大きいのではないでしょうか?
     
     問題をわかりやすくする為にそれぞれの機体ごとに整理したいと思います。

     まずP−38ですが、航続距離の長い爆撃機を護衛できる「長距離援護戦闘機」として運用できる機体が当時の米軍には他になかったのです。
     高高度を飛行するターボチャージャー装備の戦略爆撃機(B−17など)を護衛する為、自身も又高高度を長時間に渡って飛行せねばならず、結果としてターボ必須となりました。
    大量の燃料を積むことができる大柄な機体がこの種の任務に最適だった様です。

     次にP−39ですが、この機体はその特異なレイアウト(ミッドシップ)に起因する不安定さを克服できず、空戦機動は不可能とされ、結果として低高度を飛行する「襲撃機」として運用されます。(緩降下しつつ、機銃で対地攻撃を行う機体です。)
    ソビエトにレンドリースされて活躍したのは有名ですね。高高度まで上昇する必要がなくなった為、ターボは取り外されました。デッドウエイトになるだけですし。

     最後にP−40ですが、これは空冷星型エンジンの機体を液冷化したに過ぎない設計思想的には1世代前の機体です。(P−36→P−40)
    一応再設計されてはいますが、時間的余裕もなかったようですし、大掛かりな改造は難しかったのではないかと思われます。


     こうしてみると高高度飛行を必要とする「長距離援護戦闘機」として適当なのははP−38だけということになります。
     
     ターボの有無はこのあたりの事情が絡んでいるのではないのでしょうか?
    48

  2. >1
     
     P-38は元々1937年に陸軍航空隊から出された「高々度で高速発揮可能な迎撃機」の要求仕様に基づいて設計・開発が行われた機体ですから、ターボを外したら存在意義自体が無くなります(因みにこの時点では、長距離援護機としての要求はありません)。

     一方P-39はベルが提案した試案を陸軍が採用した物ですが、既に高々度戦闘機として陸軍航空隊の要求に基づいてP-38が試作されていますから、別途に高々度用戦闘機を整備する必要性は特に無いので、陸軍航空隊は試作途上で本機からターボを外した上で低高度用の戦闘機として開発を継続することを決定しています。なお、陸軍航空隊は本機を就役後純粋な戦闘機として運用しています。運動性能については本機はスピンに陥りやすい欠点があり、また「宙返りが出来ない」とか悪意を持って言われることはありますが、就役中に大きな空戦機動制限が出されたことはありません。

     P-40はカーチス社が通常型のV-1710エンジンを搭載するP-36の性能向上型として提案されており、これを自社負担で試作したところ陸軍航空隊の目に留まり、採用されたという経緯がありますので、最初からターボ搭載の計画自体がありません。
    大塚好古

  3. 僭越ながら大塚博士に補足。P-36 系のエアフレームにターボ付きアリソンを乗せた高々度戦闘機としては既に XP(YP)-37 が試作されていましたので、P-40 にターボ搭載を考慮しなかったのは当然かと思います。
    ささき

  4. 追加質問です。
    >1
    >デッドウエイトになるだけ

    P-47は結局低高度戦闘爆撃機として使われましたが、排気タービンは
    はずされませんでした。どうしてなんでしょうか?

    wittmann

  5.  私の書き込みには事実の誤認や誇張された表現等があり、必ずしも良い回答とはいえませんでした。申し訳ありませんでした。次回はもう少し勉強してから書き込ませてもらおうと思います。

    常連の皆様、適切なフォローありがとうございます。

    >wittmanさん

    あくまで憶測に過ぎないのですが、レスを頂きましたので、返答させてもらいます。
    (本来事実のみを書くべきAnsQに適当ではないと思われますがご容赦ください。)

     P−47はもともと高高度戦闘機であり、、欧州での戦況の変化(独軍の組織的迎撃能力の低下や、P−51Dの登場等)により、結果的に対地攻撃任務に用いられることが多くなった(もちろん対地攻撃に用いられるようになった時期においても対空任務が完全に無くなったとは思っておりません。)のですが、これはあくまで二義的任務であり、何らかの理由により制空権が怪しくなった場合など、再び対空戦闘任務を主体にして用いるつもりだったのではないでしょうか?
     状況により他の戦闘機が確保できない場合もあるでしょうし、マルチロールファイターとして運用できる用兵側にとって使い勝手の良い機体だったと思われます。

     また本機は排気タービンの搭載を大前提とした設計がなされており、大型のタービンと各種配管が機体各部に設置されており、これを取り除くとなると重心位置の狂いなどが生じやすく、大掛かりな設計変更が必要なってしまいます。
     そこまでする時間的余裕も、そうすることの意義も見出せなかったのではないのでしょうか?

    48

  6. > P-47は結局低高度戦闘爆撃機として使われましたが、排気タービンははずされませんでした。
     排気タービン過給器を外してしまうと低空での出力が低下して、低空での機動が困難になったり、搭載量が減ってしまうため、外すに外せなかったのではないでしょうか。
    T216

  7. 皆さま>直ぐ下の4982番で東部戦線でのP-39について話されています。
    48様>直ぐ下すら見ず「P-39は東部戦線では襲撃機」といった随分前に否定されたお話をなさるのは怠惰では無いでしょうか。
    にも。

  8. レスを頂ましたので、本題から外れて申し訳ありませんが返答させて頂きます。

     >T216様

     レシプロ機におけるターボ搭載というのは離床出力の上昇を狙うというよりは高高度における性能低下を補うことに重きを置おいているのではないかと思うのですが。離床出力のみに拘るならば機械式過給でも十分ではないのでしょうか。

     P−39必ずしも爆装に有利な機体とは言いがたく(胴体中心部、および主翼下面が脚引き込み機構に占有されてしまう)、絶対的な搭載能力を求められなかったわけですし、仮にP−47の対地攻撃専用版を再設計するならば、大幅な小型化、軽量化が実現し(なにせ胴体下部が丸々過給のための機構ですので)、離床出力がたとえ低下してもそれを十分に補えるのではないのでしょうか。
     取得コストの低下、耐熱素材の節約、重量の低減、低オクタン燃料の使用が可能であることなど、あえて機械式を採用する利点もあるかと思います。

     P−47は高高度性能、長い航続距離、対地攻撃能力を合わせ持ったどんな任務にも対応し得るまさしく万能機ですのでその利点をあえて否定する必要がなかったのではないかと。更に上にも書きましたとおり、ターボを取り外すという仮定そのものが現実的でなかったのだと思われます。後付けの機体ならばあり得たかもしれませんが。


    >にも様


     まず3機とも迎撃機としては十分に使用に足る機体だったと思っております。P−39がまったく対空戦闘に使えない純粋な対地攻撃機(Hs129やIl-2の様な)だったとは思っておりません。空対空ミッションも当然行うでしょう。
     その意味では「襲撃機」とまで書いたのは行き過ぎた表現だったと思っております。P−39については特に対地攻撃に適した迎撃機との認識です。自分としましては他の二機との差異を明確化したかったので特に強調したつもりだったのですが、
    誤解を招きやすい表現をしたことは申し訳ございません。
     
     なお過去ログについてですが、このサイトを過去3年ほどROMしており、下の質問も読ませて頂きました。
    いつも勉強させて貰っております。


     >1,2の補足として

     P−38については元々迎撃機として設計されたことは知っておりましたが、それだけだと質問者まさのり氏への返答としては不十分ではないかと思われたのです。そもそも全く別の計画に基づいて設計されたのですからスタートラインが違うのは当然として、何故後々になってもP−39が高高度迎撃機に発展せず、またP−38の排気タービンを機械式に換装する訳にいかなかったのか?というところを明確化させたかったのです。 

    P−39については最初の解答においてまるで欠陥機の様に書いてしまったことはお詫びいたします。しかしながら米陸軍は本機を極めて早い段階で見限っているように思われるのです。基本設計に全幅の信頼を置いていないというか。ソビエトへのレンドリースに回されたことを取ってみても「何の問題もない第一戦級の戦闘機」と見なしてなかったのではないかと。


     P−40については開発当初の情勢により就役および量産が急がれ、後には他の戦闘機の登場によりターボ搭載の必要性がなくなった(P−40Qまで発展したことは承知しております。)と認識しております。

    48

  9. 7>いらぬ説教は今回限りにして頂けると有難いと存じます。
    昔不沈艦

  10. > レシプロ機におけるターボ搭載というのは離床出力の上昇を狙うというよりは高高度における性能低下を補うことに重きを〜(以下略)
     言葉足らずでしたが、機械式過給器とは違って公称高度以下では比較的フラットに馬力の得られる排気タービン過給器は、低空でも有利なので外さなかったと言う面もあるのではないかと言いたかっただけで(機械式は過給器を回すのに少なからぬ馬力を食われますし)、「P-47の排気タービン過給器は低空での出力向上を主に狙って装備された」と主張したつもりはありません。
     あと変換ミスかと思いますが「離床」ではなくて「離昇」ですね。
    T216

  11. >P-38のターボ

     同一形式のターボ過給器装備の発動機と機械式過給器の発動機を比較した場合、ターボ式は理論上機械式過給器装備発動機のような全開高度間における出力低下が無いため全高度域で出力差が殆ど出ない、というメリットがあると共に、概ね全高度域で機械式過給器より出力が高いというメ
    大塚好古


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