5444 初歩的な質問です。B−777に乗りました。エンジンの内側の翼の下、フラップの所にバルジ(流線型のカバー)、外翼下に二つ有るのが窓から見えました。内翼のカバーはフラップと連動して後半部分が下がります。質問は二点です。内翼のカバーは外翼に対してどうして大きいのでしょうか?随分空気抵抗が大きそうです。また、それらはフラップ、エルロン、スポイラーの作動装置の覆いなのですか?教えて頂けますか。

船橋

  1.  主翼下のフェアリングは、お察しのとおりフラップの作動機構の収納部です(エルロンとスポイラーの作動機構はちゃんと主翼内に納まっています)。
     757以降のボーイング旅客機(開発中の787や747改も)のフラップは、主翼の外にあるヒンジを中心に作動することで主翼本体との間に隙間を作って効果を高める「スロッテド・フラップ」という方式になっています(これ以前のボーイング旅客機が用いた「ファウラー・フラップ」でも翼下面に作動機構がはみ出す点は同じ)。
     767/777の外翼フラップは、このヒンジがひとつだけの「シングル・スロッテド・フラップ」ですが、内翼ではフラップの先にもうひとつフラップがついた「ダブル(又は親子式)・スロッテド・フラップ」という形式にしてより多くの揚力を稼いでいます。当然、ヒンジを二組収めている内翼のフェアリングの方が大きく(長く)なるわけです。

     フラップ作動機構が翼の外にはみ出るのは、確かに空気抵抗の増加につながりますが、そうした機構のフラップは動作角度を大きくできて効果が高いものになります。
     その結果、離着陸時の速度を実用的な=常識的な長さの滑走路で済む範囲に抑えたまま、高速を狙った小面積の主翼を使えるため、フェアリング分の空気抵抗などは相殺してお釣りが来る、ということになります。
    Schump

  2. 詳しい説明で大変良く分かりました。ありがとうございます。
    船橋


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