5493 大昔に、マグヌス効果を応用し、回転する円柱を帆代わりにした「帆船」で、大西洋を横断したドイツ人がいたそうですが、

1.同様に、回転する円柱を主翼にした飛行機を作り、飛行させた人はいますか?(無人機でも良いです・・・・)

2.関連した思いつきですが、主翼の表面を、上面をつるつる下面をざらざらに加工したら
揚力が増すと思うのですが、そういう工夫がなされたことはあるのでしょうか?
きゅういち

  1.  主翼そのものではありませんが、NASAがOV-10ブロンコの試作機を改造して、主翼とフラップの間に回転円柱を組み込んだ実験機を作ったことがあります。
     円柱はフラップ作動時に前上がり(上面側後向き・下面側前向き)に回転して翼上面からフラップ上面へと流れる空気を誘導することで、より大きな下げ角(約90度!)でもフラップが効果を保つように作用しました。さらに、エンジンの換装と4翅プロペラの装備により、フラップへの風量も増加させてありました。

     結果、量産型OV-10の失速速度40ノット(74km/h)に対して、主翼面積が3/4しかない試作型をベースにしたにもかかわらず、30ノット(55km/h)まで失速速度を低下させる(ただし操縦困難)ことに成功しています。
     しかし、システムが複雑なうえにそこまでの低速離着陸をしてもヘリコプターにはかなわないことなどから、実用には至っていません。
    Schump

  2. #上面つるつる下面ざらざら
     紙飛行機(翼幅15〜20cm程度)で実験したことがありますが、あまり意味がないようです。むしろ、なるべく表面を平滑にして速度を落とさないようにしながら、翼の迎え角によって曲げられる気流から受ける上向きの反作用だけで揚力を稼いだほうが、性能が良くなる(この場合、「揚力÷空気抵抗」の値が大きいこと)と思われます。

     しかし、空気の摩擦や粘性の影響が大きい=体も飛行速度も小さい昆虫や小型の鳥類では、上下面で表面の平滑さが違う翼をもつものがあるのだそうです。
    Schump

  3. こんなん出ましたけど。
    http://www.airbornegrafix.com/HistoricAircraft/ToFly/Rotorplanes.htm
    いちどだけ飛んだと書いてあるけども、ほんとか??
    便利少尉

  4. ところでアントン・フレットナーのバーデン・バーデン号の大西洋横断から
    来月の9日でちょうど80周年になりますね。
    http://www.tecsoc.org/pubs/history/2002/may9.htm
    便利少尉

  5. 2.に関連してですが、最近では揚力を増す方法として「歌う翼」などというものも提案されているようです。

    http://hotwired.goo.ne.jp/news/technology/story/20050930302.html
    富士見町

  6. それは二重に違う。

    1.超音波素子などを用いた流体移動技術(流れを作る技術と言って良い)はそれこそ20年前から存在します。よって最近どころの話ではあり得ません。
    2.それ自体揚力を発生することが「理論的には」可能ですが、実装出来るほど、提案できるほどの能力を発揮した例は存在しません。コンファレンスで貰える前刷り集やプレセミナーでは空を飛ぶ魔法の絨毯が描かれたりプレゼンされていたりはしますが、まだまだ遠い夢です。投入電力に対する実際の効果を考える限り実装されるのは遙か未来の話でしょう。
    sorya

  7. 強いて言えば最近頓に発表されている、密着状態(ここ重要)において1000kgf/m^2程度の推力を発生させることのできる、無接触浮上/移動技術に基づいた断定をしているのであろうと思うのだけど、その技術は1)最高レベルで研磨されている(例えば液晶ディスプレイ用のガラス)面に対して、2)推力発生時における浮上量は20μm〜100μm程度といった極めて限定的な条件で発生する限定的な浮上量でしかない、という事実をえてして忘れがちです。
    sorya

  8. >Schumpさん
    過去に応用を考えた人も居たってことですね。
    思ったよりも効果もあったみたいで・・・。

    >便利少尉さん
    こりゃすごい。
    どう見ても飛びそうにないですね・・・。
    飛んだら飛んだですごいインパクトでしょうが。

    >富士見町さん、soryaさん
    「エフ」という漫画の「イルカペイント」というのを思い出しました。
    こういう研究から漫画もアイデアを拝借したのかな。

    いろいろ興味深かったです。
    ありがとうございました。
    きゅういち

  9. 遅レスですみません

    この原理を応用した「凧」みたいなおもちゃが市販されていたはずです。
    雨樋を互い違いにくっつけたような翼に風を受けて回転させ、マグヌス効果を発生させるものです。
    見かけたのはずいぶん昔の事なので、今現在入手可能かは解りません。

    単純な構造なので自作は簡単そうですから、試してみるのも良いかもしれませんね。
    ネコ丸


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