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3061 日本海軍艦艇のプラモデルを作っていると空母赤城にはライフボートが付属していますが他のキットではあまり見あたりません。一方、米英の艦艇では砲塔側面や艦上の構造物に多数搭載されている写真を見る事ができ、沈没の危機となるとクレーンやダビットを使わないと到底降ろせそうにない少数大型の艦載艇よりこういった取り回しの効くボート類多数の方が役に立ちそうな気がします。日本海軍ではこういった救命艇に対する意識はどのようなものだったのでしょうか。
周囲の味方艦から艦載艇を出している記述は見られますが、自艦自身に関しては損傷を免れた少数のカッターぐらいしか使えないように思え、こんな時に多数のライフボートが各所にあればグッと生存率が上がるように思えてなりません。もしかして不燃化対策のためにゴムボートも排除の対象なのでしょうか。それとも単に見えないだけで艦内に畳まれたボートが多数存在するのでしょうか。
ジョナサン

  1. ライフボートって小判型をしてゴムボートの様に周囲にフロートのあるイカダ状のやつですか?
    あれはコルクやキャンバスも張ってありますが、フロートは銅板製で、ゴムじゃありません。この艦船Ans.QのNo.2738にその話が出てきます。上の「他ページを選択できます」窓からめくって見て下さい。日本艦にそれが少ないのは何故か知りません。戦争の後半には竹のイカダが積んであったようです。
    Yp

  2. >1

    過去ログ見ました。そうです、この事です(ちょうどYp様が質問されてたのですね)。
    一読するにそれなりに様々な材質が使われていて多少の弾片にも耐えうる頑丈な構造を持っていたようですね。私はてっきり「頑丈なゴムボートではあるが機銃弾等で裂けるのもやむなし、その分可能な限り積む」ような存在かと思っていました。
    しかしこのYp様が仰っている”carley float”なるものが赤城の飛行甲板支柱の横についているアレも同様なものだとすれば他の日本艦であまり装備されていないのがとても不思議でたまりません。「学研:歴史群像14/空母機動部隊」折込の赤城の模型解説ではライフボートなる記述があります。
    ジョナサン

  3. >日本艦にそれが少ないのは何故か知りません。

    これは推測なのですが、仰られている「ライフボート」は日本では「日常作業(例えば人員・物資の運送など)で使い勝手が悪く、総員退去時位しか役に立たない(→だから艦載艇を重視するべき)」と判断されたからではないでしょうか。

    一方「米軍は可燃物削減・重量物削減・艦上スペースの確保・艦載艇は戦闘に役立たない等の見地から艦載艇は出来るだけ艦に搭載せず、陸上側から作業艇を派遣するよう努めていた(だから非常時の人命救助用にライフボートを砲塔上などに多数搭載している)」と聞いたことがあります。

    「日常作業上の便利さ重視」か「実戦における貢献度重視」かの違いもあったのでは・・・と。
    Ranchan

  4. >2.
    たぶん収容人数当たりのガサが木造のボートより少ないし、軍艦だと大小2個を入れ子にして収納したりもしていたようです。また弾片などで傷ついてもボートより穴ふさぎが容易でしょうし、爆風や波濤にも強そうです(凹むでしょうが)。でもボートより金がかかったかも知れません。
    Yp

  5. 質問者が対象としているのは救命浮器のことかと思われますが、これは上に乗るものではなく、漂流者がつかまって浮力を確保するためのものです。芯材にはコルクやバルサのような軽い木材を用いており、その特徴はどのように破壊されても破片自体が浮力を持っていることにあります。一見貧弱に思えるかもしれませんが、戦闘被害を考慮した場合には最も確実な救命具であると言えるでしょう。

    戦後の艦艇も当初は救命浮器を搭載していましたが、現在では膨脹式救命筏に置き換えられています。戦闘被害を考えると問題のある装備品なのですが、この点に関しては私のサイトに掲載してありますので参考にして下さい。

    http://www5f.biglobe.ne.jp/~Tan-Lee/modo/

    鉄人68号

  6. 写真を精査したわけではないのですが、昭和初期の赤城、龍驤の艦尾端近くに装備されていることから見て、着艦失敗した艦上機搭乗員の救助用としてある時期に標準化されていたものではないでしょうか。


  7. >5 上に乗ることができないものだったのですね。だったらライフジャケットつけていれば効果は同じなので無駄なものを余分にたくさん積む必要はないということでしょうか。
    トロッター

  8. >7
    膨脹式救命胴衣は使用不能となる場合もありますし、配置によっては着けてない、あるいはつける暇もなく海中に投げ出される場合もあるでしょう。それと救命胴衣はじっとしていても若干仰向けになるような感じで浮力を保つことが出来ますが、泳ぐのには適していないようです。ただしこれは私自身が経験したことではありません。

    第二次大戦の例を見ると、航空機は漂流者に対しても結構機銃掃射を加えているようですね。救命胴衣を着けたままでは潜ることは出来ないと思いますから、この場合には何も付けずに救命浮器等の浮力体につかまっている方が融通が利きます。

    それと救命胴衣には呼子は付いているはずですが、食料・水・信号灯等はありませんから、やはり生存率としては救命浮器が優ります。現在の海上自衛隊では内火艇と膨脹式救命筏で定員の120パーセント分を搭載していたと思いますが、勿論戦闘になればどれだけが有効に残るかは分かりません。
    鉄人68号


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