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3091  現在では一昔前に想定されていた大規模な対潜作戦や水上戦、ましてや艦隊決戦が起こる確立は非常に低く、艦隊は対艦攻撃力よりも対地攻撃力が求められているとききます。
 さてここで質問なのですが、

 1、上記は正しいでしょうか?
 2、正しいなら、海上自衛隊もその流れに従うと見ていいでしょうか? 個人的には島国であることや専守防衛の思想から、対艦/対潜兵力でありつづけるのではないか、と考えています。
因幡

  1. >艦隊は対艦攻撃力よりも対地攻撃力が求められているとききます。

    確かに米国の時期駆逐艦であるDD(X)では対地攻撃力が増強されることになっています。が、現時点で大規模な上陸作戦を実施可能なのは米軍くらいですので、これが全世界的な傾向とは言えないでしょう。

    過去ログに海軍はブルーウォーターからブラウンウォーターに回帰するかというテーマがありましたので、捜してみてください。
    富士見町

  2.  制海権を掌握する手段と、制海権を活用する手段をごっちゃにしてるかと。
     制海権を得た後に、それを活用するとなると、船団の運航や沿岸砲撃といった任務が求められます(どっちも上陸作戦とも関連しますが、イコールではない)これは帆船時代からごく常識的に求められ遂行されて来た任務で、今更殊更何か目新しい事でも何でもありません。
     冷戦時代以前までは、この制海権の掌握が先ず以って怪しかったのです。
     だから戦艦や機動部隊といった大規模戦力が、敵艦隊等を撃滅し、また潜水艦を用いて敵の制海権を混乱・否定するといった行動が、先に求められた訳です。
     現代においては、冷戦が崩壊した事もあって、米国軍等では制海権の把握がほぼ確実になりました(敵国の海軍力と隔絶した戦力差があるので)
     よって、制海権取ってるんだから、次の段階である制海権の活用としての沿岸攻撃等にリソース配分を増すという流れになる訳です。よって対艦や対潜任務が求められないのではなく、仮想敵の持つ海軍力との相対的な戦力差が、その背景にあるのです。
     ですから、我が国の場合も、仮想敵を何処に置くのか、また求められる任務はなんなのかという観点で、対地攻撃に対する比重は大きく変るといえるでしょう。
     ちなみに離島防衛等では、上陸を阻止できずに、対抗しての逆上陸なんかも防衛手段の一つになります(例えは悪いですがフォークランド紛争なんかがそうですね)この場合は海上自衛隊各艦は対地射撃を行う事が求められています。
    SUDO

  3. >とりあえずの傾向として
     海上自衛隊が装備する対艦ミサイルに対し対地上目標攻撃能力の付与が計画されています、だからといって対艦・対潜能力がなおざりにされるといった訳ではないようです、むしろ今まで自衛隊に不足していた能力を追加で付与するような方向と見て良いでしょう。
    ooi

  4. >3
    今のところ海自用対艦ミサイル(SSM-1BおよびASM-1C)に
    対地能力を付与する計画はないはずです。(出るのも時間の問題と思いますが)
    しかし,ASM-2はデータリンクを装備してSLAMモドキに改修しよう
    という計画はあります。

    taka

  5.  皆様、レスを頂きありがとうございます。

    >富士見町様、SUDO様
     制海権はあって当然、という考えには目から鱗でした。
     確かに空母機動部隊がわーっと押していけば大抵の海軍には何もできないですね。一方、米軍のような圧倒的戦力がない国は、まずは制海権を奪取しなければならないので対地能力どころではないと。

    >ooi様、taka様
     私も噂程度にはきいたことがあります。ほんとにやるんですね。
    因幡

  6. >4
     先日の新聞記事にありました、なんでか大手新聞社のサイト検索には引っかからないんですが(−−;
     記事の趣旨としては「攻撃を加えてくる国に対し、限定的な反撃能力を持つべき」「具体的には地対地ミサイルの導入・対艦ミサイルへの対地能力の付与・誘導爆弾の増強」っちう内容でした。
     ただ、「計画・検討」の段階であると言う点には注意した方が良いかもしれません、計画段階で潰れた検討事項は山程あるはずです、今後も状況次第でどうなるかはわかりません。
    ooi

  7. >6
    その記事おおむねあってると思います。
    ooiさんが書いている通り,「対艦ミサイルへの対地能力付与」が
    ASM-2のデータリンク装備にあたるわけです。
    で地対地の話は当然陸上自衛隊の管轄ですよね。

    というわけでこれらは海自の装備ではないわけです。
    どちらも開発されれば艦載バージョンの転用することは容易ですけど。
    taka

  8. >7
     いえね、海上自衛隊の装備として具体的に書くと「ハープーンの対地攻撃能力付与」と「艦載対艦ミサイル(という事はSSM−1Bも含む訳で)への対地攻撃能力付与」ってのが記事にうたってあった訳でして。
     つまり、P−3C等哨戒機への対地攻撃能力付与と併せて護衛艦等に搭載してある対艦ミサイルにも対地攻撃能力を付与しますと、そう言う事なんです、ハープーンには対地攻撃能力を付与した派生型(SLAMね)が既にありますし、海自も結構装備していますし、計画がないとはいえない訳なんですよ、それにご自身がご指摘の通り国産対艦ミサイルのファミリー化についてはつとに知られる所でありまして、転用は可能なんじゃないでしょうかね。
    ooi

  9. >余談
     一応、たぶん件の新聞記事はあまり確定という訳では無い、アドバルーン記事のようなものではないかと思われます。
     対地能力の付与としてその他明確に示されているものとしては、せいぜい新型イージス艦への5インチ長砲身砲の導入程度で、ミサイルの改修は決定した話ではありません、まあ、未だ対地能力へリソースを割くべきかどうかについては、まだ迷っている段階で、明確にそう言う方向にシフトしている訳ではないし、挙げられた項目についても比較的簡単に対地能力を付与できるものに止まっているようです。
    ooi


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