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3205  艦船の防空システムにはハードキルのものとソフトキルのものとがありますが、このうちハードキルは「同時に×個目標に対処」のように能力を数字で表しやすく、わかりやすいのですが、ソフトキルの能力というのはいまいちわかりません。
 チャフやらECMやらフレアやら、現在一般的に使われているソフトキル用品をフルに駆使した場合、どれくらいの敵ミサイルを回避できると見込まれているのでしょうか? 敵ミサイルの性能次第かもしれませんが、ハープーンなど一般的なSSMを想定しています。
因幡

  1. 先進国海軍のテキストじゃありませんので、一般化はできません、とお断りした上で・・・

    チャフによるアクティブレーダー誘導対艦ミサイル回避は50%以下とされています。何をもって50%とするかには議論の余地がありそうですが、概ねの理解は発射されたミサイル数の50%と考えてよい、という答えでした。
     ECMによる回避は自国装備の対艦ミサイルなら90%以上とされています。ただし同じミサイルでも、他国に装備されているものは、それなりに対策されていると思いますので、この国の海軍のECM装備では、まったく回避できない事も考えられます。(バレージなどの汎用的ECMはできません。)

     武器等の想定は、対艦ミサイルがMM-40以前のエクゾセ又はガブリエル対艦ミサイル、最大射程で方位情報のみで発射、中間誘導なし、とされています。

     近傍諸国に赤外線誘導の対艦兵器が存在しませんので、フレアーは装備しておらず、したがってテキストにはフレアーに対する記述はありません。
    elebras

  2. チャフとかフレアの考え方は,擬似目標を作り出して,ミサイルにどっちが
    本物か判らなくするものでしょう。
    ということは,デコイにロックオンするか,本物にロックオンするかは言って
    みれば50-50。しかもミサイルにはデコイ判定のルーチンが入ってるんで回避
    の確立は50%以下。と考えれるのではないでしょうか?
    taka

  3.  回答ありがとうございます。
     半々近くともなると、チャフもけっこう無視できない威力ですね。
     ECMによる回避は、事前に相手のレーダーの周波数を知っているか否かで大きく変わってきそうですが、はっきりわかっているなら下手に迎撃ミサイル撃つより効果的とは驚きました。

     今後も何かありましたら、御教授下さい。
    因幡

  4. >3
    ちょっと訂正です。
    ECM,ECCMによる回避は、周波数というより、誘導アルゴリズムが判っているから、自軍のミサイルは回避できるという事だと思います。それと妨害対策も。
    周波数は脅威軸(その電波の到来方向。ここの海軍の使っている電子戦装置では丸いスクリーンの上が0度、艦首方向とする相対方位で示されます。複数あればその数だけの指示が出ます。)にカーソルを合わせると、自動的に表示されますから、すぐに判ります。

     エクゾセMM-38のような古いミサイルでも誘導アルゴリズムは複数あるようです。基板を差し替えると言っておりました。妨害対策は教えてもらえませんでした。

     余談ですが・・・・
     泊地で電子戦装置を働かせると、上記のスクリーンは花火のような状態になります。商業港から半海里ですから、入出港中の船や検疫錨地にいる商船のレーダー波が表示されるためです。
     自動車のイグニッション・ノイズは丁度Lバンド(2GHz)辺りの周波数が表示されます。加減速をしない場合はレーダーパルスそっくりに表示します。しばらく見ていると、減速して回転が落ちますので、ひょこひょこ動き出して、ああ、ポンコツ自動車か、って判ります。
    elebras

  5. >周波数は〜すぐにわかる。
    ASMって最近はパルス発信が多いと思いますが,それでも解析できるんでしょうか?

    >誘導アルゴリズム
    誘導アルゴリズムというのは,ミサイルを目標まで制御するソフトウェアですよね?判ってもECMと関係ないように思うのですが,どうなんでしょうか?
    taka

  6. >5
    一発パルスでは判りません。というか、信号が無ければスクリーンに表示がでませんから、一発パルスでやられると、一瞬出てすぐ消えるような感じになります。表示が無いと周波数は判りません。もちろんですが、パルスでも繰り返しパルスなら判ります。民生用は全てパルスレーダーですので・・・多分、一発パルスの場合、ノイズと区別つかないように思えます。もっとも私の知らない(教わっていない)操作があるかも知れませんが・・・・

     誘導アルゴリズムが判っていれば、どういう反射波を受信したときに、どう動くというのが判ります。ECCMはそれに合わせた信号をミサイルに対して送れば回避が出来る事になります。
    エクゾセの誘導制御部と同じ構成の装置を使ってシミュレーションをしますが、私が見ていた時は、100%回避した事になりました。
     実物の誘導制御部を見ると、どうも誘導がCPUを介してないように見える(ロジック基板の数と構成から)のですがねぇ・・・CPUバスに乗ってない基板がいっぱいあるんですよ。
    elebras

  7. >6
    ありがとうございます。

    >誘導制御部
    MM-38くらいなら,アナログコンピュータですよね?
    アナログでもCPU(中央演算装置?)って概念あるんですか?
    taka

  8. >7
    私が見たのはMM-38(MM-39??)だと思うんですが、8ビットのCPUカード乗ってます。8085だと思うんですけど、さだかじゃありません。カードは10枚くらいあったと思います。そのうちの2枚は回路図も持ってますが、74シリーズのロジックのかたまりです。信号の条件を貰ってませんので、何をしてる基板かは判らないんですが・・・・大きさは凡そですが、20Cmx10Cmくらいで、カードエッジじゃなくてコネクターで繋がるようになってます。アルミのフレームラックに納まって、ミサイルに搭載されるようです。

     少なくともアナログには見えなかったんですが、半分以上のカードが直接コネクターでケーブルに繋がるようになってまして、私の見てない部分にOPアンプの固まりがあるかも知れません。

    全体をまとめて触ってませんので、なんか中途半端なお答えで申し訳ありません。2枚のカードだけは、コピーを手伝ったんで詳しく判るんですが・・・・

    余談:
     このカード、一応、アースメッシュになっていたり、バスバーが入ってたり、MIL準拠なんですが、素子はごく普通の74xxでして、故障したので新品購入しようとフランスへ見積もりしたら、なんと1枚1万ドル+という見積もりだったらしい。それで作っちまえ、って事になりまして・・・
    先々週、久々(3年ぶり?)に実弾演習(というかマスコミ向け)がありまして、エクゾセも一発発射しました。無事飛翔したみたいで、コピーのカードもしっかり働いたようです。
    elebras


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