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3231  素人っぽい質問ですが・・・
 「この戦艦の大砲は距離何メートルで何ミリの厚さの装甲を貫徹できる」、とよく言われます。でも貫徹できる装甲の厚さってどうやって測定するんでしょうか?1ミリずつ違う厚さの装甲板を作っておのおのに命中させていたら時間がかかって仕方ないと思うのですが。誰か教えてください。お願いします。
ラスカル

  1.  計算で出します。
    SUDO

  2.  実験ではなく計算だったんですね。追加になってすみませんが何か公式のようなものがあるんでしょうか?例えば砲弾の撃速、落角、重量、直径等を代入すると装甲の厚さが出る、といったような。戦前のことだからあまり複雑な計算とかはできなかったと思うのですが、詳しいことを御存知の方がいたら教えてください。よろしくお願いします。
    ラスカル

  3.  式は色々ありますが、戦前ですとド・マールの式が一般的だったようです。
     どれも複数の実験結果から求められたもので、ある砲と砲弾の性能を求める場合は、実写試験と併用して係数を求めて埋めます。
     また幾つかの試験成績表や性能推算のグラフや表を見た経験から言うなら、相当にややこしいものでもあるし、単純な物でもあるといえるかと思います(てか、あんまり厳密にしたって、意味が無いし)
    SUDO

  4.  実験ではなく計算だったんですね。追加になってすみませんが何か公式のようなものがあるんでしょうか?例えば砲弾の撃速、落角、重量、直径等を代入すると装甲の厚さが出る、といったような。戦前のことだからあまり複雑な計算とかはできなかったと思うのですが、詳しいことを御存知の方がいたら教えてください。よろしくお願いします。
    ラスカル

  5. あ、リロードしたら二重書き込みに・・・
    ド・マールの式と言うんですね。回答ありがとうございます。早速検索してみます。
    ラスカル

  6.  ド・マールの式、検索したけど結局どういう式なのか分からなかった・・・(泣)
    どこかいいサイトはないでしょうか?御存知の方がおられたら教えてください・・・
    ラスカル

  7. 記憶便りのえーかげんさで答えると、以下の通りです。
    なお、こんにちでは初等の衝撃工学ですら、殆ど(歴史的な部分に載る程度)出ることがありません。

    ・ド・マール:Jacob de Marr
    ・提案時の年:1870年代前半(だっけ?)
    ・評 価 式;(1/2)・M・V^2=α・D^1.5・L^1.4(だか1.5)
           (M:重量(kg)、V:着速(m/s)、α:実験係数(無次元)、D:弾頭直径(m),L:侵徹長(m))

    sorya

  8. 追記すると、上述の式はそのフォーミュラから判るように理論式ではありません。

    多少は事件解析によって求めたパラメータの感度が入っていますが、1)前提となる衝突モデルが円筒v.s.半無限円筒であり、かつ弾頭と装甲材との摩擦係数及び侵徹抗力及び弾体の変形などといった微細な修正部分がなく、計算値実験値との整合性は全てαで吸収させてしまっていること等から、解析学的なアプローチからの半経験型実験式であることが理解できると考えます。
    sorya

  9. う。しまった。事件じゃない。次元解析でした。
    sorya

  10.  回答ありがとうございます。αが必要ということはやっぱり実験もやるんですね。衝突モデルが円筒vs半無限円筒(板ではなく)ということは実際の砲撃ではこの式で出る値よりもう少し厚い板が抜けるということなんでしょうか。勉強になりました。
    ラスカル

  11. 半無限円筒という条件拘束から判るように、標的裏面に影響を及ぼさない(弾性ですらも)領域での侵徹現象に関する実験式です。

    これは何を意味するのかというと弾が装甲板を抜くためには標的裏面の破壊が伴わなければならないのですが、その推測が(少なくとも当時では)非常に面倒なためです。しかも侵徹とNearlyな現象では無かったりしますし(機構がガラリと変わるから)。

    なお、「衝突モデルが円筒vs半無限円筒(板ではなく)ということは実際の砲撃ではこの式で出る値よりもう少し厚い板が抜けるということなんでしょうか」という解釈は微妙に正解です。「貫通判定」に関する考察がずっぽりと抜けているのが致命的です。

    例えば近年での一般的な貫通判定は以下の通りです。

    ・陸式:弾芯を除去した後、入射面から光を当て、そのとき光が漏れるかどうかで貫通・不貫通を決定
    ・海式:標的裏面に穴が開いた他に、1フィートの距離においた、薄いアルミ板(ウィットネス・プレートと言います)が完全貫通された状況をもって貫通・不貫通を決定

    ただし、WWII以前の判定基準がどうなっていたかについて、私は判りませんが、多分に同様の基準を用いて評価していたのではないかと考えます。ついでに言えば弾道学上における「貫通」と「完全貫通」。一般的なイメージでの「貫通=完全貫通」には大きな隔たりがありますので使用するタームに気を付ける必要があります。
    sorya

  12. ありがとうございます。確かにどういう状態になったら貫通と言えるのかを考えていませんでした(汗)。陸式より海式の貫通判定の方が厳しいというか実戦的なんですね(装甲に穴が空いただけじゃ中の人はなんともないし)。
    ラスカル

  13. >12

     WWII当時における海の装甲の神様曰く、海の場合は「装甲を貫通されても砲弾の信管が(衝撃で自壊して)作動しなければ、(艦内に被害が出ないから)装甲の勝ち」と言われておりました。これを聞いて納得すると共に、つくづく戦車と艦は違うのだな、と思った次第。
    大塚好古

  14. >13
     そうでした。海と陸では砲弾を食らうものが全然違うんでした(冷汗)。してみると海陸どちらの貫通基準も実用に適してるんですね。
    ラスカル


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