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3232 いつも与太な質問で申し訳ありません。

議論ボードを読んでいて思ったのですが、
レイテで栗田司令部は攻撃中の護衛空母を正規高速空母と誤認していたそうですが、
護衛空母を護衛空母と認識するような要素はなかったのでしょうか?

例えば空母運用関係者であったら見分けがついたか?とか、司令部が高速な巡洋艦で追撃していれば気がつく可能性があったのか?とか。
剣高

  1.  羽黒では、相手が特空母であると認識しています
    セミララ

  2. 護衛空母として正しく認識するのは、簡単です。上官に対して苦言みたいな意見を許せる雰囲気と、部下から間違いを指摘されても自分の非を認める度量のある人が上官ならば、是正されると思います。
    根拠としては、米軍戦略爆撃調査団が戦後すぐに、栗田中将を筆頭に栗田艦隊の参謀に質問していますが、いくつかを抜粋しますと、
    ・第2艦隊作戦参謀 大谷藤之助中佐に対して(昭和20年10月26日)
    質問者「(サーマル沖海戦で)その空母のタイプはどんなものだと判断されましたか。」
    大谷中佐「その判定にはずいぶん頭を悩ませましたが、決定的な艦型はわかりませんでした。というのは敵の空母を見てすっかり面食らっていました。写真ではまだ1度もお目にかからないようなタイプだったものですから。はじめは、正規空母だと考えました。しかし戦闘後、それはどうも補助空母と思いました。」
    ・第2艦隊作戦参謀長 小柳富次中将に対して(昭和20年10月25日)
    米軍に正規空母を4隻撃破したと主張した後で、
    質問者「米機動部隊のスピードをどの位と推定しましたか。」
    小柳中将「30ノット位だと思いました(注:護衛空母の最高速力は18.5ノット)」
    以上のように、護衛空母と認識していた人はいたのですが、それを上官に上申できる雰囲気ではなかったと、他の証言部分を読んで個人的に考えています。(これに関しては他の資料でも今も個人的に調査中です)
    では、栗田中将は? 
    昭和20年10月17日に以下のように返答しています。
    質問者「日本艦隊がサーマル沖で交戦した米空母は、どんな型式に見えましたか。エセックス級でしたか。またはエンタープライズ型でしたか。あなたには、その識別がはっきりしましたか。」
    栗田中将「覚えていません。右舷にある艦橋の構造だけが私の見た全てです。充分に艦型を見定めることはできませんでしたし、偵察機からの正確な報告もありませんでした。」
    この司令官は〜・・・。
    魂コレクター

  3. 肉薄した重巡は「特空母」と認識していた艦もあったようですが、実際には大型空母が主であると認識されていたようですね。

    戦場で艦形を正確に特定するのは難しいのではないでしょうか。くだんの重巡にしても敵駆逐艦を「巡洋艦」と誤認していますね。更にいえば、戦闘初期の段階で「撃沈」した空母の艦形は、その後確認しようもないと思います。
    tackow

  4.  サマールの通信を見てみれば、各艦は敵機の爆弾搭載の有無まで流し合ってますから、気が付いた事があれば出てくるはずです。
     羽黒は途中で通信線切られて通信不能になってますが、もしも無事だったら流せたでしょう。でも他の艦は流してないのですから、たぶん確信は無かったし、判別していなかったというのが正しいと思われます。
     これは榛名の射撃がずっと微妙にずれたままだったあたりから、的針か的速がずれたままだった可能性もあります。つまり日本側は速度の見積もりを間違ったまま射撃していた可能性もあります(これは射撃のシステム的には良くある話で、致命傷ではない)
     言い間違いで一度覚えてしまうと中々直せないように、人間とは中々思い込みを払拭できません。ましてや命のかかった戦場で、もしかしたら致命的になるかもしれない認識の変更をするのは困難だった。それだけの事です。
    SUDO

  5.  戦闘詳報にこそ"特空母"と明記している羽黒ですが、戦闘中は、「特空母なんじゃないかなぁ...、下手すると全部特空母なんじゃ...」というような空気が艦橋に立ち込めていたレベルですからねぇ...
    セミララ

  6. 0640頃に水平線上にとつじょ敵空母を発見したトキは、マストおよび発着艦する敵機だけが見えてたように読めますので、旗艦大和あたりからの艦形識別は難しかったのではないでせうか
    (その後は敵空母は必死に逃げるは、随伴の小艦艇は煙幕張るはで)
    駄レス国務長官

  7. あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします、

    さて、今回の質問を思いついたのは、
     一つは栗田司令部に機動部隊勤務経験のある航空参謀みたいな人がいれば
    大和の艦橋で目標が特設空母であることを看破できたのかなあと
    疑問に思ったこと。
    (例えば栗田司令部でなく小沢司令部ではとか?
     サマールへ辿り着けないかもという問題は別として)

     実際は追撃をして徹鋼弾が突き抜けたり、敵速が遅くて追いつけたりと
    近くに行った人は気づいていたようなので、

     もう一つは大和ではなく司令部が初期の愛宕など重巡にいて攻撃に
    加わっていれば正規空母誤認がなかったのかなと思った次第です。

    搭乗員などは敵艦の艦形資料で研究したり空母運用を実見し、
    模擬攻撃などで正規空母と特設空母の違いを気づきやすいと思うのですが
    砲科などではどうなのかなと。
    剣高

  8.  全くの個人的感想ですが...

    > 一つは栗田司令部に機動部隊勤務経験のある航空参謀みたいな人がいれば
    >大和の艦橋で目標が特設空母であることを看破できたのかなあと
    >疑問に思ったこと。
    >(例えば栗田司令部でなく小沢司令部ではとか?

     飛行機に詳しくても、米海軍のCVEについて詳しくないと、状況は変わらないのではないでしょうか
     また、今までさんざん空襲を受け、敵機(小型機)=空母機=機動部隊=ハルゼー艦隊、というような回路がしっかり構築されているでしょうから...(以下略)

    > もう一つは大和ではなく司令部が初期の愛宕など重巡にいて攻撃に
    >加わっていれば正規空母誤認がなかったのかなと思った次第です。

     羽黒と利根のように、最後まで追撃を続けられるのなら、そして羽黒のように、冷静さが残っているのなら、緒戦はともかく、最終的には(戦闘詳報などには)特空母と認識されるのではないでしょうか

    >搭乗員などは敵艦の艦形資料で研究したり空母運用を実見し、
    >模擬攻撃などで正規空母と特設空母の違いを気づきやすいと思うのですが
    >砲科などではどうなのかなと。

     あの時代(昭和19年とか20年とか)、CV・CVL・CVEを区別できる搭乗員がどれだけ居たのでしょうか?
     神風特攻などでは、相当数?が、空母に突入しているつもりで揚陸艦艇に突入しているように感じます
    セミララ

  9. >7
     元々大遅働信管を用いた徹甲弾では、命中炸裂を確認できないと懸念されていました。
     つまり炸裂が見えない事は当然のことだったので、それが反対舷まで貫いてしまってるからなのか、単に艦内での炸裂なので把握し難いのか、射撃した側からは判らないのです。
     よって、正規空母であるならば、ちょっとやそっとの命中弾で炎上したりはしない筈なので、暫くは誰も疑問には思わないでしょう。
     そしてスコールと煙幕でしょっちゅう隠れてる訳ですから、さっきまで撃っていて隠れられちゃった空母と、今狙ってる空母が同じ艦だと思わなければ「何発も当ててる筈なのにヘンだな」とも、中々ならない訳です。
     また容易に距離を詰められていないという事実にも目を向けてみるべきでしょう。米護衛空母は結構頻繁に針路を変えており、後ろから追うように駆けていた日本側は、相手集団の速度が妙に遅いと気が付くのにも時間がかかる訳です。
     恐らく艦首波等から察知するしかなく、それには空母の全体像を把握できるまでは難しく、そうなると10浬程度まで近づく必要があります。しかも船の前側方から見る必要がありますし、大和の様に速度の割に艦首波の小さい艦もありますから、知らない船では判断が難しいでしょう。
     このような条件の場所にまで進出できたのは羽黒と利根ぐらいですから、誰も報告してなかったのは無理からぬところではないでしょうか。
    SUDO

  10. 皆さんありがとうございます。

    やはり、突然経験のない状況を正しく理解/判断するのは難しいと言うことなんでしょうね。
    剣高

  11.  軍艦マニアを活用すべきであった!
     艦船評論家の石渡幸二氏は、上記のように主張していました。
     艦隊や戦隊の司令部へ、艦船マニアを登用していれは、護衛空母を正規空母に見間違うようなことは起こりえなかったと言っています。
     石渡氏の事務所で、ある写真が出されました。大和型の戦艦と、もう一隻がぼんやりと写っていました。それを、氏の艦船マニア仲間が見て「金剛型戦艦」と即答したそうです。そこに同席していたた、素人はびっくりしました。
     艦船マニアにとって、ぼんやりした写真からでも艦形の識別は簡単なのです。石渡氏は、第二次世界大戦当時でも、そういった艦船マニアは大勢居たと言います。海軍に徴兵された人も多いはずです。そういった人を、艦隊や戦隊の司令部に派遣していれば良かったのです。
     そうしていれば、サーマル沖海戦での失態は防げていました。

    霞ヶ浦の住人

  12. >11
     んと、9で記した事は理解できてますか?
     地球は丸いってご存知ですか?
    SUDO

  13. >11 軍艦マニアの活用で艦形が識別できれば絶対有利というのであれば、どこの国の海軍も迷彩塗装施したりすることによって、相手に艦形識別を間違えさせるような偽装に力を入れるんじゃないでしょうかねえ。煙幕も使うわけだし。
    それに、戦後になって戦時中の水上艦艇に関する情報が十分公開され完全情報を持っている状況と、戦時中において相手国の水上艦艇に関する情報を全てつかんでいるわけではない、現在見ているのが未知の新型である可能性もあるという不完全情報しかない状況とを同列に比較できるんでしょうか?
    新年になっても今までと同様なんですなあ。
    アリエフ

  14. >11
    軍艦ファンが「ぼんやりした写真」から艦型を識別できるのは多くの場合、出版物上で「ぼんやりした写真」を見た経験があるからという応用の限られた知識によります。
    例えば金剛型が遠景でぼんやりとどう見えるか、点のように見える遠方の敵艦の艦種をどう識別するかは海軍が既にマニュアル化し配布しています。
    BUN

  15.  「好きこそものの上手なれ」です。艦船の識別にはやはり、艦船マニアが一番だと私は考えます。
     BUN様のおっしゃるように、マニュアルを配布したのは事実なのでしょう。しかし、だからと言って、それで即識別できるようになるというものではありません。実際、サーマル沖海戦では、プロ中のプロたち間違えています。彼らにはマニュアルが、配布されていなかったのでしょうか?

     私は似た実例を体験しています。参考までに述べます。
     地域の広報誌に写真が掲載されました。知人は、遠くにぼんやりと写っているのが私だと言います。私はその程度の写真で、私が識別できるとは思えませんでした。私は「本当にこれが自分なの?」と確信が持てませんでした。そこで別の人に見せました。すると、確かに私だと言われました。

     知人たちは、私の姿を見慣れていました。ですから、ぼんやりした写真でも、私だと分かったのです。しかし、私は、私の姿を見たことは殆どありません。そのため、分からなかったのです。


    霞ヶ浦の住人

  16.  『霞ヶ浦の住人』さん
    見慣れる事で識別精度があがるのならば、それこそ軍艦ファンは不要です。
    訓練された見張員がいればよいのですから。
    昔不沈艦

  17. >15
    昔不沈艦さんの仰るとおりだと思います。
    霞ヶ浦の住人さんの知人お二人は、たまたまあなたを見慣れる立場に居られただけで、決して「霞ヶ浦の住人マニア」であなたの事を絶えず凝視監察されていたわけではないと思います。まあ、その可能性も全く否定できるものではありませんが。
    私が思うに艦形識別はある種機械的な観察力だと思います。
    絵画や筆記書体の模写に近いものを感じます。
    DDかず


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