3495  一昔前まで船の図鑑などで「未来の船」としてのっていた(今は知りません)、「半潜水砕氷タンカー」や「ダイナモ帆船」。いっこうに実用化されたという話を聞きませんが、いったいどこへ行ったのでしょうか? そもそも本当に研究されていたのでしょうか?
 また、タンカーの方は、何を夢見て「タンカーを中途半端に潜らせ氷をかち割って進もう」という発想に到ったのでしょうか?
因幡

  1. ジャック・クストー(Jacques Cousteau)の TurboSail は実験船アルシオーネ(Alcyone)が作られ「従来型にくらべ 35% の燃費削減」を実現し、更に大型のカリプソ II が計画されているようです。

    http://www.cousteau.org/en/
    「COUSTEU WORLD」→「OUR SHIPS」を選択してください。

    ささき

  2. (砕氷タンカーの最新事情)
    HIGH TECHNOLOGY FINLAND
    http://www.hightechfinland.com/2004/newmaterialsprocess/kvaerner.html

    (研究状況の実例)
    Canadian Hydraulics Centre Cold Regions Technology
    http://route.nrc-cnrc.gc.ca/ocean/CHC_cold_regions_technology_e.cfm

     「高度技術の応用」×「市場経済の追求」が新しいコンセプトを生み、両者がバランスしたものが現実化されるものです。
     デザイナ自身は自作を「夢の..」とは言わない(=実現不能なもの、需要のないものは設計しないから)のですが、実現可能なところは夢ではなく、実現しない(発注されない)ところが夢ですね。
     がっかりされているのかもしれませんが、気長に(暖かく、また氷のようにCOOLに)お待ちください。 (間もなく出ます しらせII ご覧ください。)

    IWA

  3. > タンカーの方は、何を夢見て「タンカーを中途半端に潜らせ氷をかち割
    >って進もう」という発想に到ったのでしょうか?
    >
     これの背景には、中東戦争の余波としてのオイルショックと、英国北海油田の供給開始の2点を見る必要があります。
     つまり、最大の産油地域である中東は政治的な制約から安定供給に難がある一方、英国の北海油田は埋蔵量・政治的安定性も期待できる。リスク分散の観点に立てば、北海からの供給を視野にいれ、その最短ルートである北極海航路が注視される環境にありました。この夏季の原油輸送を実行するために、砕氷タンカー(半潜水式を含む)が一部で有望視されていました。

     これらの案が消滅したのは、新規船型の開発・航路開拓のリスク(特に潜在敵国であるソ連領海を通ることになります)に加え、中東地域の(最騒期に比較しての)安定化と、東南アジア方面他の油田開発及び同方面へのエネルギー供給シフトがなされた事が遠因であると思います。
    成田山

  4. 私も子供の頃に(80年代後半ぐらい)見た科学雑誌に北極の氷の下を通る潜水タンカーの記事が載ってました。
    オイルショックと北海油田が要因でしたか。長年の謎がとけました。
    架空戦記ファン

  5. 潜水タンカーは北海油田よりもアラスカ油田がらみで語られることが多かったように記憶しております。
    つまりアラスカ・パイプラインをつくるか潜水タンカーをつくるかの選択ですね。

    下記サイトからの引用で孫引きになりますが、
    「1971年3月19日付の朝日新聞の記事によりますと。【ゼネラル・ダイナミックス社が17日、アラスカの油田地帯から北極海を抜けグリーンランドやニューファンクドランドの港まで原油を運ぶ原子力潜水タンカーの設計を終り、向う5年以内に就航させる計画と話した。建造費は27億ドル。潜水タンカーは一年中航海が可能な上、貯蔵設備も少なくてすむという利点があるので建造費が一般タンカーより高くても採算が合うと同社ではいっている。】」
    http://www4.ocn.ne.jp/~easy-mid/comic3.htm

    カンタニャック

  6.  わずか2日でどしどし回答が。皆様ありがとうございます。

    >ささき様
     おお、ダイナモ帆船は実験船が実在したんですね。しかも現在もなお計画進行中。
     ダイナモ帆船が純粋な帆船ではなく、通常の推進機関と帆を組み合わせるものだったとははじめて知りました。帆を立てるのにスペースを食われる以上、商船への利用は難しそうなのが残念なところです。

    >IWA様
     え、しらせ2って砕氷船の後継ですよね? 潜るんですか?

    >成田山様、カンタニャック様
     潜水タンカー、なにやら潜水空母にも通ずる火葬的なものだと思っていたのですが、ちゃんとそれが考えられる背景があり、設計まで行っていたとは驚きです。政情不安がもう少し続けばどうなっていたか。

     ところで、砕氷タンカーや潜水タンカーは理解できるのですが、「半潜水砕氷」というタイプにはどんな利点があるのでしょうか?
    因幡

  7.  昔、70年代以前? 旧海軍の海竜を引用し、潜水タンカーを提唱する著作物を政府系(防衛庁?)の出版物(青焼き)で見た記憶があります。
    わんために


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