2496 リボルバーに右回りと左回りがあるのは何故ですか?メーカーの設計思想の違いなんでしょうか?
ASUKA

  1. ライフリング(銃身の旋条)の方向と関係があったような。たとえばS&Wのシリンダーは射手からみて時計まわり(右回り)、旋条も右回りです。射撃するとフレームには旋条と逆まわり(左回り)の捩じれ反動が発生し、シリンダーは慣性で留まろうとするので結果的に右回りの力が生じます。これが逆ですとシリンダーには射撃のたびに右回り(射撃の直前、引金によってシリンダーを回転させる力)と左回り(反動による力)が交互にかかることになり、おそらく部品の磨耗や疲労を早めるでしょう。また、(普通は機構上あり得ないことですが)もし射撃の反動でシリンダが回ってしまったときも逆回りは不利になります(空薬莢の入ったシリンダに当たってしまい、続けて2度引金を引かないと実弾が出ない)。

    ささき

  2.  私が知る限り、S&Wのリボルバーは、弾倉の回転が射手から見て左に回転します。
    旋条は良く分りませんがおそらく右です。S&Wの銃は、エジェクターロッドの取り
    付け部分が逆ネジになっています。左回転で順ネジだと弾倉が回る時にエジェクター
    ロッドの取り付けが次第に弛んでくる可能性があるからそうなっているようです。逆ネ
    ジ切るのは本当に面倒臭いですね(笑)。
     私見ですが、この回転方向の決定は、
     1.機構部分をカバーしている蓋が射手から見て右にある事。
     2.弾倉を回転させるツメが同じく右にあり、弾倉を下から押し上げるようにして回転
       させる機構である事。
    この2点だと思います。回転軸の右を下から押すと左回転するのは分ると思います。また、
    分解組み立てする時に、このツメの作用点を回転軸から遠ざけ、少ない力で回転させる事
    ができるように設計してあると思います。蓋が右にあったり、蓋が左でも回転をツメの「引き」
    で行う場合には右回転になると思いますがいかがでしょうか。



  3. 訂正
     12行目、「...蓋が右にあったり、蓋が左でも回転をツメの...」

    「...蓋が左にあったり、蓋が左でも回転をツメの...」
    にしてください。



  4. >2. うろ覚えでいい加減なことを書いてしまいました(_ _;) 1. の回答は無かったことにしておいてください。
    ささき

  5. コルトもS&Wも昔は時計回り(後ろから見て)だったが確かコルトがスイングアウト機構で特許を取りS&Wが特許を逃れる為にシリンダが回転する際にフレームから飛び出そうとする力が働くにもかかわらず(その為に余計な部品が増えた)反時計回りになりそれが今日でも続いているとの記憶がありますが。
    ビジネス

  6.  ビジネス様のおっしゃる特許の件に異論はありません。中折れモデル時代までS&Wも右回転
    でした。
     しかし、1点だけ気になっているのは、純粋に特許を逃げる目的だけで左回転にしたのかと
    いうことです。今回は設計思想が質問内容になっているので。
     その1点は、シリンダーをリリースするボタンは、コルトの引きよりS&Wの押しの方が使い
    勝手が良いと思うことです。S&Wの設計者は、ここを押しにしたかったのか? 押しにする
    ためにエジェクターロッドの中央を通るプッシュロッドまでリリースボタンのバーを延ばした。
    延ばすために、ハンマーの左側(射手からみて)をすっきりさせたく、ハンマーブロックや
    シリンダーを回転させるツメをハンマーの右に持って来ることにしたのではないか。ツメを右に
    持って来たために左回転になった。
     コルトのスイングアウト特許の請求範囲がどのようなものだったか知らないので推測に
    なってしまいますが、スイングアウト部分の特許からは逃げようがないのにS&Wはスイング
    アウトモデルを作った。つまり、S&Wは交渉次第でコルトの特許は使えたのだと思います。
    しかし、設計者は押しにしたかったのでこの部分をコルトと異なる設計にした。もちろん、
    特許使用料を減らすためにコルトの設計と異なる部分を増やす必要があったのは確かだと思い
    ます。
    などと愚考しました。



  7. >5>6

    >コルトもS&Wも昔は時計回り(後ろから見て)だったが・・・

    おっしゃる通り、コルトはソリッド・フレームのダブルアクション(ライトニング・モデル等)まで、SWは中折れ式のダブルアクションまでは時計回りです。

    ところがですね、コルト初のスングアウト方式ダブルアクション・リボルバーであるM1898は、シリンダーは反時計回りなんですよ。下の写真を見て貰えば判りますが、現在のSWと同じでサイド・プレートもフレームの右にあります。

    Colt Model 1889/1895
    http://coolgunsite.com/pistols/navy1889/m1889navy.htm
    http://coolgunsite.com/pistols/navy1889/m1889n2.jpg
    http://coolgunsite.com/pistols/navy1889/m1889n4.jpg

    何故、回転方向を変えたか?これは私の推測ですが、コルトはフレームの左側にシリンダーをスイングアウトするようになってます。シリンダーが時計回りの場合、シリンダーを回転させるシリンダー・ハンドはフレーム内の左側に来ますね。これだと、シリンダーを左側にスイングアウトすると、シリンダー・ハンドが邪魔になるからだと思います。で、思い切ってシリンダーの回転方向を変えたんじゃないかと思います(つまり、シリンダー・ハンドをフレーム内の右側に移動させた)。これには傍証がありまして、フランス軍も1892年リボルバーを採用していますが、これはシリンダーは時計回りで、スイングアウトは右側になってます。

    ところが、これは裏目に出たようで、ビジネスさんが言う「シリンダが回転する際にフレームから飛び出そうとする力が働く」のせいでトラブルが続出したようです。このリボルバーは、例の米西戦争で38ロングコルトの威力云々と言う話が有名ですが、メカニズムが未完成で拳銃自体の作動の確実性という点で大きな問題を抱えてました。

    コルト社自身、米西戦争以前に問題を認識していたようで、1898年にニュー・サービス・リボルバーという、全く新設計のダブルアクション・リボルバーを出してます。これは、シリンダーが時計回りに戻り、サイドプレートもフレームの左側に変更されました。このモデルでは、シリンダー・ハンドはラッチを引くと後ろに引っ込み、シリンダーの出入りの邪魔にならないようになってます。このモデルが、その後のコルトダブルアクション・リボルバーの基本形になりました。その後小改良され、1905年頃にいわゆる「オールド・モデル」として完成しています。

    S&Wのスングアウト方式ダブルアクション・リボルバーが出たのは、1890年代の後半ですが、シリンダーの回転方向はコルトの最初のモデルに習ったようです(それ以前の中折れ式ダブルアクションは時計回り)。S&Wにコルトと同じ問題があったかどうかは、資料がないので何とも言えません。ただ、1902年にエジェクター・ロッドの前端も保持するように改良され、現在のモデルと同じ構造となりました。
    COLT45

  8. ついでに分解図。その後のコルトと全く違うのが判ります。

    Colt 1889 & 1892 New Army & Navy DA
    http://www.coltparts.com/pt_da92.html
    COLT45

  9. COLT45様、納得しました。何分昔の事でその資料もコルト対S&Wみたいな内容だったので特許は他の件と混同したみたいです。何しろCOLT PATENTED FIREARMS...ボロが出るのでこれ以上は止めときます。
    ビジネス


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