987 初めて質問させていただきます

艦上機として作られた機が地上基地で運用される場合
空母運用を前提とした設計や能力が無駄になったりすることはないのでしょうか
離発着距離の制限から過剰に翼面積が大きくなって速度が伸び悩んだり
甲板への着艦だけを考えて華奢に作った脚がコンディションの良くない
地上滑走路での長期使用に耐えなかったりといったことが考えられます

例えば結果的に海軍の陸上戦闘機の数的主力は局戦ではなく零戦になりましたが
陸上運用で特に困ることは無かったのでしょうか?
また、こうした艦上機に改設計して、より地上運用に適した形にするような例は無かったのでしょうか?
初見カタカナ提督

  1. 零戦の場合は、着艦拘束鉤やクルシーなどは取付けない状態で基地航空隊に配備されます。
    着艦拘束鉤を使った空母飛行甲板への着艦は、脚を華奢にするものではありません。

    翼面荷重に関わることとしては、零戦の一部を局戦的に使用することを前提に、として、機銃の増載型を作ることが考えられたことはあります。


  2. 艦上機は空母への離・着艦能力を求められる為に陸上運用機として
    翼の設計・強度などで多くの制約があります。
    脚に関しては着艦はコントロールドクラッシュと言われるくらい激しい衝撃が掛かるし現用のカタパルト使用の機体は首脚に負担がかかるので
    逆に強度は高い必要があり強化の為に重量的なハンデも負います。
    したがって艦上機が同時期の陸上機を性能的に上回る事はとても稀な事です。
    ですから積極的に海軍機を陸上運用機として採用するケースは少なく
    それは現在のFA-18E/Fのセールスが世界中で苦戦しているのを見れば分かると思います。
    艦上機の陸上運用はその時に他に適当な機種が存在しない場合の臨時的な運用が多くを占めます。
    その場合だと大幅に手を加えるのは時間的にも金額的にも意味がありません。
    簡単に出来る事に留まるのが普通です。
    零戦などは陸上機地では不要な着艦フックを外したりクルシー測定器を外したり(それも全機ではないようだ)に留まります。
    まあWW2当時はジェット時代よりも艦上機と陸上機の差が無かった事もありますが陸上運用機として設計されていれば別の顔があったのかもしれませんが、結果的には零戦の艦上戦闘機としての特性を生かした戦い方をしたので
    それ自体が問題になるという事はないようですね。
    F-4ファントムIIも想定していない局地戦術戦闘を余儀なくされた空軍が適当な機体を保有していなかったので国務長官の肝いりで無理やり採用された物なので最初のタイプは海軍型を空軍規格にいくつか改めたタイプに留まり
    タイプを更新する毎に少しづつ空軍戦術戦闘機として手を加えて行きました。
    F-4の飛行特性は空母運用のサイズの制約からくる独特の悪弊がありましたが、ベトナム戦争中の米としては大幅な設計変更をするような時間がかかるような余裕はなかったのです。

    イスラエルのような即戦力が必要な国がA-4を採用したり
    発展途上国が米海軍を退役したA-4やA-7・F8Uを採用した例はありますが・


    元は艦上機だった物を空軍規格に新設計した物としてはA-3→B-66っていうのがありますが珍しいケースです。

    ROCKS

  3. レスありがとうございます!
    空母艦上機の方が脚への負担が大きいのは知りませんでした
    陸上戦闘機は泥詰まり防止のためか脚収納部のカバーが無い機体が多いですが
    艦上機を基地運用するとき脚部に
    泥や草が詰まる問題は無かったんでしょうか

    それと局戦型の零戦の機銃増載も初耳です
    これは五二型丙のような翼内機銃追加でしょうか
    初見カタカナ提督

  4. 回答ではないのですが、艦上戦闘機として開発されたF8Fベアキャットは
    インドシナ戦争の時、タイヤが違うため苦労したとか しかし発着距離の
    短いのは良かったとか
    まさのり

  5. >3
    対米戦初期に遭遇したB-17がひじょうに墜しにくかったことから、零戦の翼内銃4挺化が提案されますが、当然翼面荷重が大きくなりますから、ならば零戦の一部を局戦型として翼内4銃化すればよい、といった意見が出されたという範囲のものです。
    もちろん、そのためには翼剛性の強化と並んで発動機出力の向上も必要になりますから即実現可能なものではなく、このときは進展しません。

    しかし、要請自体が絶えてしまったわけでなく、のちに栄の水メタ化の目処が立ってきたあたりでこれがA6M5Cとして実現されてゆくことになり、けれど水メタの方が遅れてしまったのが五二丙型であるわけです。


  6. >陸上戦闘機は泥詰まり防止のためか脚収納部のカバーが無い機体が多いですが
    多いですかね?一式戦や二式単戦あるいはBF109やスピット、P-40あたりの事を言っているのかもしれませんが海軍機でもF2A.F4Fあるいは97艦攻などでも
    フルカバーではありませんが、陸上とか艦上機の差ではなく脚引き込み式の初期の機体で収納庫カバー作動のリンケージなど複雑になる事を避ける為ではないのかと。
    また対ソ戦線のドイツ機のように雪解け時の泥対策で脚カバーを外したりするケースはありますが、同時に水冷Fw190系のタイヤ収納部はカバーが無く
    エンジン後部下がむき出しである事から見て地上滑走時の異物巻き込みは
    さほど神経質に鳴るような物ではなかったのではなく、どうしても支障があるケースではカバーを外すなどの対応ですむ程度のものであったのではないでしょうか。
    ちなみのF-4ファントムIIの空軍形は高圧の海軍型に対して低圧タイヤが使用されています。
    ROCKS

  7. >陸上戦闘機は泥詰まり防止のためか脚収納部のカバーが無い機体が多いですが
    多いですかね?一式戦や二式単戦あるいはBF109やスピット、P-40あたりの事を言っているのかもしれませんが海軍機でもF2A.F4Fあるいは97艦攻などでも
    フルカバーではありませんが、陸上とか艦上機の差ではなく脚引き込み式の初期の機体で収納庫カバー作動のリンケージなど複雑になる事を避ける為ではないのかと。
    また対ソ戦線のドイツ機のように雪解け時の泥対策で脚カバーを外したりするケースはありますが、同時に水冷Fw190系のタイヤ収納部はカバーが無く
    エンジン後部下がむき出しである事から見て地上滑走時の異物巻き込みは
    さほど神経質に鳴るような物ではなかったのではなく、どうしても支障があるケースではカバーを外すなどの対応ですむ程度のものであったのではないでしょうか。
    ちなみのF-4ファントムIIの空軍型のタイヤは高圧の海軍型に対して低圧タイヤに変更されています。
    ROCKS


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