989 アメリカの飛行機レースで、参加者はだいたいP51を改造して出場するそうですがなぜP47を使わないのですか?P47なら軽量化すればかなり早くなるとおもうのですが。
あきすてのへむゆらを

  1. まずWW2機改造レーサーがどれほど速いかを知りましょう。

    850.24 km/h Date:1989-08-21
    Aeroplane: Grumman F8F "Bearcat" (N7771)
    Engine: 1 Wright R-3350 Duplex cyclone

    これはレースではなく、FAI公認の速度記録ですが、N7771ってのはリノ最強と目されるF8F改造レーサー『レア・ベア』。エアレースで飛んでいるのはこういう飛行機です。この記録は3km直線コースを「高度100m以下で」飛び抜けた時間を地上から計測して速度に換算しています。「海面高度での速度」でなければ公認記録になりません。

    エアレースではやはり地表スレスレ、電柱よりちょっと上くらいの高度を飛びます。ただしこちらは周回コースで、リノの場合一周約8マイル。こちらもラップタイムを速度に換算して「平均速度」を競います。これまでの最速記録は800km/h超、平均800km/hで周回、つまり旋回しています。800km/hでの水平面内の格闘戦をイメージして下さい。それがエアレースです。

    P-47は高度9,200mで697km/h出せますが、海面高度では600km/h出るかどうか。海面高度で800km/hの水平面ドッグファイト(相手はF8FやP-51)をやるにはどんな改造が必要になるか考えてみれば、P-47が選ばれない理由が解るでしょう。
    Syn1

  2.  一言でいうと「図体が大きすぎるから」です。
     図体が大きすぎるので、小さい機体(F8F等)に比べて空気抵抗が大きく不利なのです。

     P-47はF8Fと同じR2800エンジンを搭載していますが、両者の機体のサイズは一回り以上違います。当然、機体がもつ空気抵抗も一回り違います。
     P-47に盛り込める工夫はF8Fにも盛り込むことができます。
     P47を改造して性能を上げれば、同じ分だけF8Fも性能を上げることができます。
     なので、P47の大きすぎる図体という根本的なハンディキャップは克服することができません。

     つまり、P47改造レーサーはF8F改造レーサーに(チームごとの経済力や技術力が同じだと仮定する限り)絶対に勝てないのです。

     一応、P-47改造レーサーが全くいないわけではありません。
    おうる

  3. P-47よりちょっとだけ小さいシーフューリーならたくさん飛んでるんですけどね。
    図体がデカイ分、R-4360とかの化物エンジンとのマッチングもよさそうとは思いますが、排気タービン(のスペース)が余計な存在なのが大きいのかもしれません。
    また、アメリカ国内に有るフライアブルなP-47が15機程度と少ないのもネックかと。
    だご猫


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