529 旧帝国海軍艦艇の通風系統についてご教示下さい。

重油専焼缶の系統をおおざっぱに書くと、
・強圧送風機→空気予熱器→缶→空気予熱器→煙突
となろうかと思いますが、
1)強圧送風機出口圧力
2)煙突入口温度
の値はどの程度のものになるのでしょうか?

目的は、強圧送風機に対する煙突高さの影響度を略式計算することです。(煙突高さと煙突入口温度から煙突効果を求めて、[強圧送風機出口圧力+煙突効果]と[強圧送風機出口圧力]を比較してみたいと考えております。)

※煙突高さを調べる必要上、艦艇名も教えて下さい。煙突高さを教えて頂けたら尚更うれしいです。
※教示データの運転状態はわかれば書いて下さい。全力時とか巡航時といった書き方で結構です。
※空気予熱器のない艦艇のデータもあるとうれしいです。

よろしくお願いします。

太助

  1. 排ガス温度については、時代も型式も違いますが、情報らしきものがありました。
    http://www.foodtechinfo.com/FoodPro/GasTechnologies/boilers.htm

    450-650°F程度とのことですので、約230-340℃といったところでしょうか。
    ただ、エコノマイザ関係のところに記述があるため、エコノマイザ通過後の排ガス温度が硫酸露点より高くなるように設定された、エコノマイザ入口ガス温度かもしれません。
    http://www.nssmc.com/product/catalog_download/pdf/A012.pdf
    他にも、現代ならではの脱硝触媒の運用可能温度域にかぶせた温度データかもしれませんね。

    つまるところ、エコノマイザも脱硝触媒もない艦艇では、煙突排気温度は450-650°Fよりも低くなる可能性があります。もちろん硫酸露点の140℃あたりよりは高いはずですが。

    昭和造船史によれば、初春のボイラ効率78%、以降80%とありますので、現在(添付HPでは75-85%)と比べてもさほど効率が低いとは思えず、煙突排気温度が450-650°Fよりも大幅に高くなることはないと考えます。


    具体的なデータがないので、現代の機器データから考察してみましたが、なかなか難しいですね。「450-650°F」がどういう条件のどこの温度のことなのか、読み取る力がないのが残念です。

    太助

  2. 「450-650°F」は文脈より見てエコノマイザ入口ガス温度と思われます
    温度の幅は部分負荷か全負荷かによるものでしょう
    駄レス国務長官

  3. 回答ありがとうございます。
    煙突エコノマイザ入口ガス温度(煙突エコノマイザがない場合は煙突排気温度)が全負荷で約300℃ということですね。

    ところで、ちょっと面白いグラフを見つけました。
    「2012省エネルギー手帳」に記載があるのですが、
    ・燃料:A重油
    ・空気比:2.0
    ・排ガス温度:300℃
    で、排ガス熱損失率が20%になる、つまり大雑把にいうとボイラ効率が80%になるというグラフです。
    http://www.smrj.go.jp/keiei/kankyo/kankyofaq/076152.html#Q10

    初春以降の缶データもこんな感じなのかなと思います。
    A重油とC重油の違いや、空気比が2.0あたりだという確証がないのが弱いところですが、何かの書籍かHPを読んで「昔はこんなに空気を過剰に送っていたのか」と驚いた記憶があります。情報元を忘れてしまったのが残念ですが。

    なんにせよ、「燃料種類」「空気比」「ボイラ効率」が分かれば「排気ガス温度」もだいたい分かるということが判明したことは収穫でした。「燃料種類」「空気比」「燃料消費量(バーナ力量、本数)」が分かれば、強圧送風機の全負荷「風量」も計算できますしね。

    どうも調べるべきは「空気比」のように思えてきました。小生も調べてみますが、もし旧帝国海軍の缶の「空気比」がわかる方がいらっしゃれば、あわせてご教示願います。

    太助

  4. 「軍艦機関計画一班」改訂増補三版(海軍機関学会1918)に
    「最モ適当ナル送風量ハ(中略)理論上必要ナル量ヨリ三割乃至五割多キモノトス」
    とありました
    バーナ力量、本数は「昭和造船史」に載ってます
    なお帝国海軍の缶用重油は第三種(C重油)相当です 

    駄レス国務長官

  5. 重ねてお礼申し上げます。
    空気比が1.3〜1.5ですか、現代日本の基準空気比よりもちょっと大きいだけですね。
    http://www.eccj.or.jp/law/factory/h150110/attach1a.html

    さっそく>>3のグラフに適用してみました。仮に空気比1.5、ボイラ効率80%としてA重油のグラフに外挿すると、煙突排気温度は約380℃あたり。硫酸露点なんぞ問題にしない高温ですな。

    ここに質問する前は、煙突排気温度は硫酸露点より上の200℃前後かなあと漠然と考えていましたが、実際はこんなに高温だったとは驚きです。


    一方で、強圧送風機についても教えて頂きたい。
    http://tng.sub.jp/kusin-07.pdf
    のHPにある「缶室送風機」は強圧送風機のことを差しているのでしょうか?
    旧帝国海軍艦艇の強圧送風機は艦本式送風機だと思っていたので、荏原の「缶室送風機」は強圧送風機とは違うような気もしますが、計画風速が50m/secにもなる送風機が換気用な訳がない気もします。荏原では「缶室通風用」と表現されています。
    http://www.ebara.co.jp/company/rd/jihou/pdf/237/237_P05.pdf

    仮に「缶室送風機」が強圧送風機だったとしたら、計画風速を動圧に換算し、煙突効果と比較してみたいと思います。

    太助

  6. 荏原製作所に直接問い合わせては如何でしょうか
    駄レス国務長官

  7. 問い合わせは敷居が高いので、艤装図を見なおしてみました。どうやら、「缶室給気路」「缶室煙路」という用語があるんですね。これに照らし合わせると、「缶室送風機」は強圧送風機であるように思えてきました。

    太助


Back