プラーガE51

 双発双胴の偵察観測機で、Fw189やポテーズ63.11などと同じような前線運用を考えている。
 1936年のチェコスロバキア空軍の要求仕様に応えて設計されたもので、外観はフォッカーG.Iによく似ているが、固定脚である。
 武装は機首透明部と胴体ナセル後端の透明部にそれぞれ1挺の7.92ミリ旋回機銃、双胴と胴体ナセルの間の翼下に200kgまでの爆弾を予定したが、試作機は武装されたことはなかった。
 原型機1機が1938年5月26日に完成したが、ドイツに併合されたために以降の開発は中止された。
 初飛行は1939年2月11日に行われ、審査の過程で失速速度80km/hとこのクラスの機体としては図抜けた低速飛行性能を示したが、ドイツ空軍は特に興味を示さず機体は1940年にスクラップとなった。

(文:まなかじ)


ワルター・サジッタ発動機が見えています。プロペラは左右逆回転になっています。

側面から見る。

諸元
全幅15.60m
全長11.69m
翼面積35.44m2
自重3,102kg
全備重量4,120kg
最高速度380km/h(3000m)
巡航速度330km/h
上昇時間3,000mまで7分30秒
上昇限度7,000m
航続距離900km(過荷重:1,260km)
武装(予定)7.92mmクロメトVz30機銃*2 爆弾200kg
発動機ワルター・サジッタI-MR 空冷倒立V型12気筒540馬力
乗員3名

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