カプロニ Ca102

 Ca101の改造型として、エンジンをアルファ・ロメオ(ブリストル)ジュピターVIII(500馬力)双発としたものである。Ca101とはほぼ並行して試作が進められ、1930年に試作機が完成した。
 Ca101が多用途機を前提としたのに対し、本機は初めから爆撃機として準備された。Ca101に比べると翼幅が1mほど小さくなっており、より高速を狙っていることがわかる。もっとも、1935年度に製作されたロット(2serie)はCa101と同じ翼をつけており、その代償として最大速度は220km/hとやや遅くなっている。
 本機も民間機型数機が先行し、1934〜35年にかけて空軍型34機が製作された。また、1931年にはハンガリーが1機を購入している。
 結局、爆撃機としてもCa101が主用されることになり、Ca102の発注はこの34機にとどまった。
 Ca102はエチオピア侵攻時には本土に留まっており、作戦には参加していない。やはりSM.81と交代して第一線を退き、輸送機としても1939年いっぱいで退役している。
 試作機としては、イゾッタ=フラスキーニ・アッソ(750馬力)に換装したCa102bis、ナセル前後にジュピターVIIIをタンデムに装備して四発機としたCa102quaterがそれぞれ1機ずつ作られた。

(文章:ダリオ・マナカジーニ)


ハンガリーが購入した機体

Ca102bis

Ca102quater

諸元
全幅18.80m
全長13.50m
全高3.89m
翼面積61.70m2
自重3,150kg
全備重量4,975kg
武装7.7mmルイス機銃*4 爆弾500kg
発動機アルファ・ロメオ(ブリストル)ジュピターVIII 空冷星型9気筒 500馬力
最高速度238km/h(1,000m)
実用上昇限度6,000m
航続距離1,000km
乗員4〜5名

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