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マッキMC200 サエッタ

 イタリア戦闘機の最大のコンペとも言えるR計画に対しての、老舗マッキの応募作がこのMC200であった。100mも離れるか、この趣味からしばらく離れるかすると競合作のフィアットG50とまず区別の付かない程によく似た機体ではあるものの、同じ840馬力のエンジンを搭載しながら、この両者の最大速度は40km/hもの差があった。
 840馬力のエンジンで単発戦闘機を作り上げ、その最大速度が512km/hであれば素晴らしく立派に思えるが、イタリア機の速度計測条件に疑問を挟む口もあることなので、敢えて触れずに蔭ながら賛辞を送るに留めるが、同じイタリア機で、同じエンジン、同じ仕様に基づいて製作され、同じゲタを履いて計測された(はずの)フィアットG50に対して40km/hも速いのであるから、やはり空力設計には幻のシュナイダーカップレーサーMC72を製作した経験などが生きているのであろうか。
 その姿を見直すと、フィアットG50より、平面形、翼厚ともにスッキリとした主翼を持ち、胴体もまた丸みを帯びた断面形状で、どこか複葉機の残滓を留めるフィアットG50に対して一日の長があるように思えなくもない。
 そして、目を細めて眺めると、何故か、水滴風防(初期型のみ)といい、テーパー翼といい、胴体の後半、尾翼周りの処理と言い、「零戦」に似ているのである。
 R計画戦闘機の本命として何と大量にも1,153機が製造されているので北アフリカからロシアまで、枢軸空軍戦闘機隊の中を良く探すと、偶にその勇姿に出会えることだろう。
(文章:キソッタ・ホラスキーニ)


諸元
全幅10.6m
全長8.19m
全備重量2,208kg
武装12.7mm 機銃*2
発動機フィアットA74RC38 840馬力
最高速度512km/h
実用上昇限度8,750m
航続距離870km

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