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マッキMC202 フォルゴーレ
画:フッフール氏

 しかし、イタリア中の航空機メーカーが参加したような趣のあるR計画とは一体何だったのであろうか。その優勝者であるMC200にも1939年、すなわち配備の進む以前に既に旧式化の兆しが見え始め、胴体を再設計したMC201の計画がスタートすることになる。更に翌年にはドイツから高性能液冷エンジンDB601Aの供給が開始されることとなり、MC200の改良計画は空力改善からエンジンの換装へとテーマを変更するに至る。
 MC200はもともと素材としては良好であったらしく、開発は順調に進み、1940年8月には初飛行に漕ぎ着け、翌年5月には部隊への引き渡しが開始され、イタリア初の第二次大戦級高速戦闘機として戦闘機隊の主力を構成することになる、と、言いたいところではあるが、イタリア空軍の最も熱い季節、1942年夏の北アフリカに展開した戦闘機隊の半数はMC202であるものの、残り半数は「傑作複葉戦闘機」CR42で編成されていたのである。G50など影も無い北アフリカの空であった。
 しかし空中戦に於いては、P40を装備した英空軍のMC202に対する評価は高く、ME109Fよりも空戦性能に優る手強い機体と受け取られていた様子であるが、比較的弱武装であったMC202の側から見れば、P40は重武装、重防御で撃墜しにくい難敵であったであろうことも想像に難くない。
(文章:キソッタ・ホラスキーニ)


諸元
全幅10.58m
全長8.85m
全備重量2,937kg
武装12.7mm 機銃*2(胴体) 7.7mm 機銃*2(主翼)
発動機DB601A1/アルファロメオRA1000 RC41i
最高速度600km/h
実用上昇限度11,350m
航続距離765km

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