三菱試作遠距離戦闘機 キ-83

三菱が昭和16年5月23日に陸軍に試作を命じられ、100式司偵を手がけた久保富夫技師を主務とした チームがその経験を生かして設計に着手。しかし、爆撃機を援護して侵攻するために長大な航続距離と高高度性能しかも敵戦闘機よりも速度(800km/h以上)、火力、防弾において勝っているという過大な要求がなされていたため難航。
最終的には 発動機を排気タービン付の「ハ211」(A20)、キャノピーは単座にみえるような形、大きさにし後席は特別な場合のみ搭乗するようになり、防弾も必要最低限のものだけとし、 主翼は三菱のMAC357系(最大翼厚比位置40%翼弦)を使用。また量産性を考慮し、主尾翼の一本桁構造化や 翼胴の分割構造化と広板の多用をおこなっている。昭和19年10月に試作1号機を完成させた。
試作機は合計4機がつくられたが次々に損失。残った1号機は終戦後連合軍に接収された。

乗員2
全幅15.500m
全長12.500m
全高4.600m
主翼面積33.71u
縦横比7.12
自重5,980s
搭載量2,950〜3,450s
全備重量8,930〜9,430s
燃料容量2,600〜3,200L
  メタノール 250L
  潤滑油   170L
翼面荷重264〜280s/u
馬力荷重2.03〜2.6s/hp
翼面馬力131〜102hp/u
エンジン「ハ211」ル(「ハ43」11ル)
 (エンジンスペックは参考資料のページを見てね)
プロペラ住友VDM 油圧式定速 4枚羽 直径3.5m
最大速度655q/h・5,000m
686q/h・8,000m
上昇時間10"30'/10,000m
実用上限度12,600m
巡航速度450q/h・4,000m
航続距離正規 2,800q
増槽付3,500q
着陸速度G=7.5で170q/h
着陸距離600m
離陸距離700m
火器30o×2[ホ155]弾数80×2
20o×2[ホ5]  弾数160×2
爆弾50s×2,250s×2