オーストラリア空軍はMk.IAを9機、Mk.IIAを34機保有しており、30年代初めに一線任務を引退してからも1940年6月頃まで練習機や練習用グライダーの曳航機として使用を続けた。
カナダ空軍は英空軍の中古Mk.IIAを1936年にもなってから3機供与され、練習機として使用。カナダは命名元のワピチ(キジリジカ)の産地でありながら、ひどいボロボロのワピティを受け取ることになり、"Wapiti"じゃなくて"What a pity"だとカナダ空軍の将兵が嘆いたといわれる。
南ア空軍はMk.IB 4機とMk.III 27機を使用、一部は1940年にエリトリアとソマリアでイタリア軍との戦闘にも参加している。南ア空軍でも練習機として長く使われ、やはり1944年頃までは飛ばしていた。
また、中国空軍がMk.VIIIを4機購入している。
Mk.I | 原型機とほぼ同一の初期生産型。ジュピターVI 420馬力装備。25機 |
Mk.IA | 主翼にハンドレ・ページ式前縁スラットを装備し、ジュピターVIIIF 480馬力を装備。前縁スラットは以降標準装備となる。38機。 |
Mk.IB | 草地での発着に適するように脚の車軸を左右で結ばず車輪を片持ちとし、高地での発着を考慮してエンジンをアームストロング=シドレー・パンサー550馬力に強化したアフリカ向けバージョン。 |
Mk.II | これまで胴体構造材が木製だったのを改め、鋼管骨組みに改めたもの。試作1機のみ。 |
Mk.IIA | Mk.IIで向上した胴体荷重倍数に合わせて翼構造を強化したもの。最多生産型。 |
Mk.III | Mk.IIAの発動機をアームストロング=シドレー・ジャガーVI 490馬力としたもの。南アでライセンス生産され、南ア空軍のみ装備。27機。 |
Mk.IV | 設計のみ。 |
Mk.V | Mk.IVの胴体を延長し、各部に改正を加えたもの。試作4機。 |
Mk.VI | Mk.IIAの後席に操縦装置を設けた中等練習機。16機。 |
Mk.VII | Mk.Vの1機を改造した武装及び運用研究用の実験機。1機のみ。 |
Mk.VIII | Mk.IVの線図を使用し、発動機にジャガーVIを搭載した中国向けモデル。4機。 |
全幅 | 14.15m |
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全長 | 9.65m |
全高 | 3.61m |
翼面積 | 43.48m2 |
自重 | 1,730kg |
離陸最大重量 | 2,450kg |
武装 | ヴィッカーズ7.7ミリ機銃*1(前方固定) ルイス7.7ミリ機銃*1(後席旋回) 爆弾260kg |
発動機 | ブリストル・ジュピターVIIIF空冷星型9気筒 480馬力 |
最高速度 | 230km/h(1,500m) |
実用上昇限度 | 6,280m |
航続距離 | 850km |
乗員 | 2 |