バーリナー・ジョイス P-16 スリムな単発複座戦闘機

 P-16 は 1929 年 4 月にカーチス、ボーイング、そしてバーリナー・ジョイス三社に発注された複座戦闘機競作から選ばれた機体です。当時の高速複葉機の流行にならい、主翼は下翼の小さな一葉半で、上翼がガル状に屈曲し胴体に結合されている所は カーチス XP-10 に似てなかなかスリムです。構造は鋼管羽布張りで、主翼の肋骨(リブ)まで鋼管を使っているのが特徴でした。エンジンはカーチスのプレストン冷却 V-1570A で、試作機 XP-16 は二翅の金属プロペラと排気タービンを備えていましたが、量産型ではタービンを廃止しプロペラも三翅に改められました。
 P-16 は軽爆と戦闘機の中間的な存在で、汎用的と言えば汎用的ですが中途半端と言えば中途半端で、増加試作型 Y1P-16 25 機が生産されのち P-16 に改称されたもののそれ以上の発注は行われず、バーリナー・ジョイス社はジェネラル・アヴィエーション社(のちのノースアメリカン)に合併されてしまいました。
(文・ささき)


緒元(P-16)
製作1929年
生産数25機
乗員2
全幅34ft(10.36m)
全長28ft 2in(8.59m)
全高9ft(2.74m)
主翼面積279ft2(25.9m2)
乾燥重量2803LBs(1271Kg)
全備重量4409LBs(2000Kg)
武装12.7mm 機銃×2(機首)+7.62mm機銃×1(後方旋回)
爆弾 225LBs(102Kg)
発動機カーチス V-1570A 液冷12気筒 600hp
最高速度175mph(282Km/h) 海面高度
実用上昇限度--
航続距離--

[戻る]