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ボーイング YP-29 P-26 の発展型

 YP-29 はボーイング社が P-26 戦闘機の発展型として 1934 年に製作した機体で、社内呼称 Model264(または XP-940)といいます。主翼は完全な片持支持となって張線がなくなり、主脚は後方への半引き込み式となっています。YP-29 は密閉型の風防(機体後部の背鰭につながるファストバック型)を装備していましたが、保守的なパイロットは密閉風防を嫌い開放風防に改められ(この時 P-26 ゆずりのヘッドレストも復活した) YP-29A と改称しています。YP-29 の二号機は着陸フラップと水滴型(ただし枠だらけ)風防を装備しており、三号機は YP-29B と呼ばれ、YP-29A の主翼上反角を増し左右一体型フラップを装着したものです。
 YP-29 は空力的洗練にも関わらず重量増加によって最高速度はさして向上せず、むしろ上昇力や運動性低下などの欠点が目立ちました。のちにエンジンをプラット&ホィットニー R-1535(700hp) にパワーアップした XP-32 が提案されていますが、計画のみに終わっています。
(文・ささき)


緒元(YP-29)
製作1934年
生産数3機
乗員1
全幅29ft 4in(8.94m)
全長25ft(7.62m)
全高7ft 8in(2.34m)
主翼面積--
乾燥重量2573LBs(1167Kg)
全備重量3572LBs(1620Kg)
武装7.62mm 機銃×2(機首)
爆弾 327LBs(148Kg)
発動機プラット&ホィットニー R-1340-27 空冷9気筒 550hp
最高速度244mph(393Km/h) 高度 10000ft(3048m)
実用上昇限度24200ft(7376m)
航続距離520ml(837Km)

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