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P-66(8.3K) P-66 原形機 Model48
延長カウリングを付けた Model48 一号機、民間コード NX21755。


ヴァルティー P-66 ヴァンガード(Vanguard:衛兵) 輸出用戦闘機

 P-66 は 1938 年にヴァルティー社で自主開発された汎用機 Model48 の戦闘機型です。設計者のロバート・パルマー(Robert Palmer) はかつてヒューズ航空機で H-1B 速度記録機を設計した経験があり、Model48 のデザインには何処となく H-1 と共通するものがあります。
 Model48 は全金属製の単発低翼単葉機で、基礎型から派生して BC-51 初等練習機、B-54 高等練習機、B-54D 軽爆撃機、P-48 戦闘機(米軍制式呼称と混同しないよう注意) の四種類が計画されました。これらのうち B-54 を固定脚化した B-54A(プラット&ホイットニー R-985 空冷9気筒 440hp 搭載)は BT-13 中等練習機として採用され、改良型 BT-15 と合わせ 11537機 も生産されることになります。
 さてプラット&ホイットニー R-1830 空冷14気筒(1200hp)を搭載した戦闘機型の P-48 には「ヴァンガード(Vanguard:衛兵)」の愛称が与えられ、1939 年 9 月に初飛行しました。試作一号機には カーチス P-42 そっくりの先絞りカウリング・延長軸と砲弾型スピナが装備されていましたが、大した抵抗削減にならないばかりか過熱・視界不良などの問題が多発したたため、試作二号機以降は通常のカウリングに改められました。P-46 は小柄な機体の割に重武装で、胴体二挺+主翼四挺の 7.62mm 機銃を搭載していました。

 1940 年 2 月、ヴァルティー社はスゥエーデンから 144 機を受注します。Model48C と呼ばれるこの輸出型は胴体銃を 12.7mm×2に強化していましたが、出荷前に武器輸出禁止令が出て米軍に接収されてしまいました。1941 年 12 月に太平洋戦争が勃発すると西海岸防空の必要が叫ばれ、戦闘機不足を補うため約 50 機の Model48C が P-66 の名称でアメリカ西海岸の防空隊に配備されました。P-66 は同クラスの カーチス P-36 に比べると運動性に優れており搭乗員には好評でしたが、機体強度や防弾性にはいささか脆弱なところもありました。また三点姿勢が高いため地上での視界が悪くて扱いが難しく、グラウンドループを起こす悪癖があったとも言われています。

 1942 年 2 月〜8 月にかけて P-66 は米国内での任務から外され、蒋介石の中国国民党軍に送られましたが、中国における本機の活躍はほとんど知られていません。
(文・ささき)

緒元(P-66)
製作1939年
生産数144 機
乗員1
全幅36ft(10.97m)
全長28ft 4in(8.63m)
全高9ft 5in(2.87m)
主翼面積197ft2(18.3m2)
乾燥重量5237LBs(2376Kg)
全備重量7100LBs(3221Kg)
武装12.7mm機銃×2(機首)+7.62mm機銃×4(主翼)
発動機プラット&ホイットニー R-1830-33 空冷14気筒 1200hp
最高速度340mph(547Km/h) 高度 15100ft(4602m)
実用上昇限度28200ft(8595m)
航続距離850ml(1368Km)


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