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カーチス XP-71 3000hp 双発の超重戦闘機

 X-71 は 1941 年にカーチス社が米陸軍に提案した長距離援護戦闘機です。3450hp のプラット&ホイットニー R-4360 二基を推進式に搭載して二重反転プロペラを駆動、予圧式のコクピットには操縦員と航法員の二名を乗せ、武装は 37mm 機関砲2門と 75mm 自動砲1門を搭載、高度 25000ft(7620m) で 428mph(689Km/h) を出すというものでした。
 果たしてそんな速度が出たかどうか極めて疑わしいのですが、例え計画通りの速度が出たとしても 翼幅 25m・乾燥重量 14t の巨体に運動性など望むべくもありませんでした。おそらく速度と火力に頼った「駆逐機」的な用法を考えていたのでしょうが、この思想が援護戦闘機として不適切なことはバトル・オブ・ブリテンにおけるメッサーシュミット Bf110 双発重戦闘機の惨敗で証明されています。
 米軍は XP-71 二機の試作を発注したものの、やがてこの巨人機では爆撃機援護などおぼつかない事に気づき、1943 年 8 月 26 日をもって XP-71 プロジェクトは正式にキャンセルされました。
(文・ささき)

緒元(XP-71 予定性能)
製作--
生産数0
乗員2
全幅82ft 3in(25.07m)
全長61ft 10in(18.85m)
全高19ft (5.79m)
主翼面積602ft2(55.9m2)
乾燥重量31060LBs(14089Kg)
全備重量39950LBs(18121Kg)
武装37mm 機関砲×2+75mm 自動砲×1(機首)
発動機プラット&ホイットニー R-4360-13+排気タービン 3450hp×2
最高速度428mph(689Km/h) 高度 25000ft(7620m)
実用上昇限度40000ft(12192m)
航続距離3000ml(4828Km)


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