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リパブリック XP-72 P-47 の発展型

 XP-72 は P-47 の発展型として計画された機体です。基本レイアウトは P-47 の設計を踏襲していますが胴体は再設計され、延長された細長い機首に 28気筒 のプラット&ホイットニー R-4360-13(3450hp) を搭載し、絞り込んだ機首から強制空冷ファンによって冷却していました。P-47 と異なり排気タービン吸気口は機首下面に開口しています。
 武装のない試作一号機は 1944 年 2 月 2 日に初飛行し、P-47 に対し最高速度は期待ほど伸びなかったものの、上昇性能・加速性能について著しい改善を見せました。二重反転プロペラを装備した二号機は 44 年 6 月 26 日に初飛行しましたが、十分なテストが完了する前に離陸事故で失われました。
 XP-72 の高性能は陸軍当局を魅了し、より強力な R-4360-19 を搭載した量産型 P-72 100 機の量産発注がなされましたが、戦局はすでに迎撃戦闘機を必要としていませんでした。量産発注はやがてキャンセルされ、ただ一機の XP-72 試作機もスクラップにされてしまいました。
(文・ささき)


緒元(XP-72)
製作1944年
生産数2 機
乗員1
全幅40ft 11in(12.47m)
全長36ft 7in(11.15m)
全高16ft(4.88m)
主翼面積300ft2(27.9m2)
乾燥重量11476LBs(5206Kg)
全備重量14433LBs(6547Kg)
武装37mm 機関砲×4(主翼)
発動機プラット&ホィットニー R-4360-13 空冷28気筒+排気タービン 3450hp
最高速度490mph(789Km/h) 高度 25000ft(7620m)
実用上昇限度42000ft(12802m)
航続距離1200ml(1931Km)
2520ml(4055Km) 増槽使用時

性能比較
項目P-47DXP-72F4U-1F2G-2
速度 563Km/h at 0m
603Km/h at 3048m
653Km/h at 6100m
690Km/h at 9144m
789Km/h at 7620m 515Km/h at 0m
631Km/h at 7315m
642Km/h at 0m
694Km/h at 5000m
上昇力 847m/min at 0m
480m/min at 9144m
1609m/min at 0m
1082m/min at 9144m
951m/min at 0m 1341m/min at 0m
上昇時間 4575m / 7.2min
6100m / 11min
9150m / 20min
4575m / 3.5min
6100m / 5min
3050m / 5.1min
6100m / 10.7min
9150m / 4min

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