言ってはならないことその1 : 匿名希望(99/6/30 18:10)
re:言ってはならないことその1 : P-kun(99/7/1 15:14)
結局、雷電は生まれ出る運命に。 : BUN(99/7/1 23:20)
re:言ってはならないことその1 : SUDO(99/7/1 05:48)
re:言ってはならないことその1 : ささき(99/7/1 03:06)
re:言ってはならないことその1 : 海野土左衛門(99/7/1 01:08)
そうならなかった理由を考察しては? : BUN(99/7/1 00:26)


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言ってはならないことその1
匿名希望(99/6/30 18:10)

雷電って、あれ日本にとってプラスになった機体でしょうか?
あれに費やした予算を考えれば、本土防空は機銃を20ミリにした疾風なり五式戦なり鐘馗なりに任せて、三菱には艦上戦闘機だけを作らせておいた方がよかったと思う。
貴重な生産ラインと開発スタッフを費やすほどの意味はなかったと思う。


1266 [1253] [1269]
re:言ってはならないことその1
P-kun(99/7/1 15:14)

 いつも雷電等の海軍の局地戦闘機について思うんですが、
はたして海軍でわざわざ局地戦闘機を作る必要があったのでしょうか?
局地戦闘機の様な防空メインの機体はむしろ陸軍戦闘機の範疇の様な
気がするんでですが。なんで雷電が作られたか、その背景は既に常連さん方が
述べられた事があったのはよく承知しておりますが、もし仮に陸軍と海軍が
あんな仲ではなかったら、海軍は、はたして局戦を作っていたでしょうか?
どうか反論お願いします。


1269 [1266] なし
結局、雷電は生まれ出る運命に。
BUN(99/7/1 23:20)

 作っていたと想像します。
雷電は十四試なのですが、なぜ十四年に高速邀撃機の試作指示が出たのかといえば、
ソ連製の高速爆撃機に自軍の飛行場が空襲され大損害を出していた事情があります。
 こうした至急の対策を必要とする事態には複数の計画案が進められても自然なことです。
 ひょっとしたら陸軍も採用したかもしれない、といったことが考えられるだけでしょう。

 また、日本の航空機開発姿勢ですが、私はそれ程無計画に乱造したとは思いません。
 合理的に開発を進めていたと言われるアメリカでさえ、大戦中、四十機種程の試作戦闘機を
まさに乱造して飛ばしていますが、日本など試作機が飛んだものは数機種に過ぎません。
必要とされる機種は戦術の要求によって決まり、国力の大小は二義的なものでしょうから、
無定見に乱造したのはどちらかと言えばアメリカの方だと言えるでしょう。

 また、当時の生産性の低い手作り的な量産体制を考えると、たとえ鍾馗と雷電、疾風と紫電をを機種統合しても
それほど生産量を拡大できたとはとても思えません。それよりも、当時の日本の航空機生産能力は
まだ余裕があった形跡があります。生産拡大を阻害していた要因は資源の輸入途絶が最大のものでしょう。

 よって陸海協調の下でも雷電は開発され、我々はプラモのネタに困ることは無い、と。


1263 [1253] なし
re:言ってはならないことその1
SUDO(99/7/1 05:48)

> 雷電って、あれ日本にとってプラスになった機体でしょうか?

なんか言いたいこと
全部、常連のみなさまが書いちゃったので、以下同文(爆)

雷電はプロペラの振動問題で一年潰してますから
素直に、14試局戦のまま投入してれば
以外と活躍の機会は多かったかもしれません
まだ、前線に技量の高い整備員や搭乗員が居たので
戦力発揮にも問題はなかったでしょう

この一年の浪費は
日本の基礎研究の欠如から来るモノです
仮に雷電で起きなかったとしても、他の機体で起きたかも知れません
そして、戦後。あの機体(例えば疾風)は無駄だったと称されるのです

技術の発展とは、失敗がつきものです
たまたま、雷電がそのハズレくじを引いただけなのかもしれません


1262 [1253] なし
re:言ってはならないことその1
ささき(99/7/1 03:06)

言ってはならないこと、ではないと思います。こういう前向きな議論なら
大歓迎ですから。

> 雷電って、あれ日本にとってプラスになった機体でしょうか?
結果論から言えばマイナスのほうが多かったと思います。
三菱設計陣をさんざん振り回した割に生産数が少なく、しかもこの難物を
満足に使いこなせた部隊はごく少数だったので、注ぎ込んだ労力と得られた
効果を比較するかぎりプラスになった機体とは評価しがたいです。

しかしアメリカの資料を調べると雷電の評価は高いのです。アメリカ人の
筆をもって「この機体の完成が技術的トラブルによって遅れ、生産機数が
少数にとどまったことは幸いであった」と言わしめた事実こそ、雷電の
実力を如実に示していると思います。

> 貴重な生産ラインと開発スタッフを費やすほどの意味はなかったと思う。
結果論から言えば確かにそうだと思います。しかし他に選択肢はなかった
とも思います。雷電は日本に「信頼に足る戦闘機用大馬力エンジン」がない
ことを重々承知の上で、手に入る最大出力のエンジンを使って欧米の新鋭
高速重戦闘機と同等以上の性能を実現するよう要求された意欲作でした。
「速度と火力のみを追求し視界や操縦性は二の次とする」という海軍の
要求に忠実に応えたからこそ、あの過激とも言える外形が生まれたと思い
ます。海軍の要求が「性能的には凡庸でもいいから扱いやすいものを」と
いうものであれば雷電も、もっと違った形になっていたでしょう。あるいは
日本に信頼に足る戦闘機用大馬力エンジンがあれば…。

堀越二郎氏は戦後雷電について「私が設計した中では一番いい飛行機」
「日本にマーリンがあれば P-51 と同程度の機体に仕上がったはず」と
語っています。無論、これは負け犬の遠吠えです。しかし限られた資源の
中で要求に応えるべく自らのベストを尽くし、その成果物を「殺人機」
呼ばわりされた技術者の無念を思うと、意味深いものがあると思います。


1259 [1253] なし
re:言ってはならないことその1
海野土左衛門(99/7/1 01:08)

> 雷電って、あれ日本にとってプラスになった機体でしょうか?
> あれに費やした予算を考えれば、本土防空は機銃を20ミリにした疾風なり五式戦なり鐘馗なりに任せて、三菱には艦上戦闘機だけを作らせておいた方がよかったと思う。
 陸軍と海軍の間に存在した,深い溝を忘れていませんか?
 それを言うならば陸軍にしろ中島のキ43を止めて零式艦戦を一式戦として採用すべきであったし,それ以前に九七戦はキ27ではなくキ18若しくはキ33採用でもよかったはず・・・
 そもそも,雷電の失敗の原因は三菱の技術者云々と言うよりは,局戦の何たるかを用兵側が根本的に理解していなかった事によると思います。速力を第一に,とぶち上げておきながら後になって「視界が悪い」だの文句をつける様は,それを如実に表していると思います。

> 貴重な生産ラインと開発スタッフを費やすほどの意味はなかったと思う。

 結果論だけで無駄だと断じるのは,危険なのでは?十四試局戦が計画された時点での事情を考えれば,その様な事は言えないような気がします。


1257 [1253] なし
そうならなかった理由を考察しては?
BUN(99/7/1 00:26)

 御説の通りでしょう。
 しかし、そうはならなかったのです。
 その背景には、陸海軍の対立(恐ろしいことに資材は綺麗に半分ずつでした)もあり、
 また、疾風は三菱の競合相手である中島製であるといった資本主義的な事情もあります。
(逆説的に健全な気さえしますね)
 そして、開発史的には、雷電は零戦の後継機的な期待すら受けていた新戦闘機でした。
 開発に手間取り、実戦参加は遅れましたが疾風や五式戦より前の機体でもあります。

私は架空戦記的な理想論より、うまくいかなかった事情の方に興味をおぼえてしまいます。


FlasH BBS Pro v1.41 [Shigeto Nakazawa]