軍用機の「定説」について : 逆噴(99/11/21 02:14)
Re:軍用機の「定説」について : SAFY(99/11/21 17:09)
Re[2]:軍用機の「定説」について : BUN(99/11/21 18:05)
Re:軍用機の「定説」について : アリエフ(99/11/21 22:50)
特攻隊の伝説 : ささき(99/11/23 07:48)
Re:特攻隊の伝説 : SAFY(99/11/23 10:46)
Re:特攻隊の伝説 : 雪風U(99/11/23 11:05)
Re:特攻隊の伝説 : ”&”(99/11/27 14:50)
Re:特攻隊の伝説 : 印度総督(99/11/27 18:29)
Re:特攻隊の伝説 : dg(99/11/29 16:11)
Re[2]:特攻隊の伝説 : TOMOCAT(99/11/29 21:23)
定説ってなんなんでしょう? : FIX(99/11/30 16:09)
Re:定説とは… : 印度総督(99/11/30 20:25)


2185 Root [2186] [2188] [2189] [2222]
軍用機の「定説」について
逆噴(99/11/21 02:14)

某集団の「定説」が世間の話題になっていますが
軍用機関係の「定説」に疑問を感じたことはありませんか?
例として零戦はそれほど優れていたのか?とかBf109は不安定で主力戦闘機の資格はなかったのでは?とかヒトラーの意向とMe262の開発遅延は関係ないのでは?とかです。


2186 [2185] [2187]
Re:軍用機の「定説」について
SAFY(99/11/21 17:09)

零戦については戦争の初期に伝説的になっただけなのにその伝説を日本の誇りに思っていたのが、今になって零戦って名前だけ知っている奴らが間違った認識で定説級にまでしたのだと私は思います。


2187 [2186] なし
Re[2]:軍用機の「定説」について
BUN(99/11/21 18:05)

零戦の伝説は挙げればキリがありませんよね。
別に今に始まった話ではなくて、戦後の復興期の心の支え的に堀越二郎氏の回想等が読まれたりした歴史的背景の中で生まれたようです。

20mm、落下増槽、クルシー、OPL照準器、栄エンジン、気化器、等、「零戦の秘密」は数々ありますが、いずれも世界初では無かったり、輸入品だったりします。
初期の搭乗員は練度が高く、世界水準を抜いていたというのも伝説というか、妄想の一つでした。

また、戦後のマニアが創り上げた伝説としては、32型陸上戦闘機説がありますが、瑞鶴からの発艦シーンが発表され否定されています。

同じように、「53型は水メタノール噴射装置の不調により試作のみで終わった」とする説も、私は未だ覆されていない伝説のひとつだと思っています。

まあ、マニアが創り上げる伝説はさほど世間には影響無いようですね。


2188 [2185] なし
Re:軍用機の「定説」について
アリエフ(99/11/21 22:50)

Me262も「定説」の変更や異説が多いですね。ヒトラーは爆撃機でなく戦闘爆撃機にしろと命令したのが真実だとか、信頼性の低いJUMOエンジンはアメリカの観点では量産段階に足るものでなく、技術的にそれほど卓越していたわけではないとか。ところで、これの主翼の後退角は後退翼効果を知っていたからだろうか(最近の定説)、それとも重心位置の都合によるものだろうか(かつての定説)。真実は?


2189 [2185] [2190] [2191] [2200] [2201] [2209]
特攻隊の伝説
ささき(99/11/23 07:48)

踏み込みたくない話題ですが、あえて。

沖縄戦に代表される特攻隊の戦果は「米軍を心底震え上がらせた」
とも言われますし、いやいやほとんどが撃墜されて実害は大したこと
なかったとも言われます。「空母轟沈」「巡洋艦撃沈」と報告
された大部分は「輸送船撃破」「駆逐艦炎上」程度の誤認だった
といわれますが、輸送船・駆逐艦の多くが艦上構造物を破壊され
ドックへ回航されたので実戦力に与えた影響は大きなものがあった、
とも言われます。

出撃した若者の多くは憂国を胸に自ら進んで志願したとも言われ、
いやあの裏には形式外での強制があったとも言われます。

特攻隊を目前にした米軍は「理解できん」「クレージーだ」と
評したとも言われ、いやそうではなく祖国に身を捧げる姿に
感動と尊敬の意を持ったのだとも言われます。

多分出撃したひとりひとり、それを目撃したひとりひとりに
それぞれ異なる「特攻」の物語があったのでしょう。
特攻は機械の性能だけで片付く話ではなく、心を持った生身の
人間による行為だったのですから…。

特攻に「定説」があってはいけないのかも知れません。
ただ一つの事実を挙げて「これが特攻の真実だ」と言い切ることは、
むしろ「特攻」という異常な作戦の本質をぼかしてしまうことに
なるのかも知れません。


2190 [2189] なし
Re:特攻隊の伝説
SAFY(99/11/23 10:46)

そのとうりです。外部の人がいろいろ言って決めつけても、中には数々のドラマがあったのでしょうか


2191 [2189] なし
Re:特攻隊の伝説
雪風U(99/11/23 11:05)

全くの同感です。

彼らの死を無駄死と言い切る人々(周囲に若干名実在)には嫌悪感を覚えます。

彼らの死を無条件で賛美する人々(周囲に若干名実在)には不快感を覚えます。

自分の信じる“理念”に頭を焼き切られてしまうと、アンチテーゼを提示されただけで、相手に対して憎悪を抱くようになってしまいます。私は、そうならないように努力しているつもりですが・・・案外、これが難しいんですよね。


2200 [2189] なし
Re:特攻隊の伝説
”&”(99/11/27 14:50)

結局僕らにできることは、こういった事実が有ったということを認めたうえで、
二度とこんなことを起こさないようにするしかないんでしょうね。


2201 [2189] なし
Re:特攻隊の伝説
印度総督(99/11/27 18:29)

 私自身の意見としては限りなく「無駄死に」に近いの
ですが…。

 航空機と爆弾と搭乗員に在庫(酷い云い方ですが、あえて)
があれば、戦争状態が継続している以上、それを使用したい、
と云う意志があったと思います。たとえは悪いですが、廃業間際
の商店が「在庫一掃大バーゲン」をやるようなものです。
 当時の国家がトップダウンを名目にしている以上、現場サイ
ドとしては、こういう形で「一所懸命やってます」と云うことを
表現するしか無かった、ということです。売り上げの無い営業が
期末間際に、とにかく一日歩き回るようなものです。

 搭乗員としても「自分が何とかしなくちゃならぬ」と云う意志
はあったと思います。戦争ですから。

 ただ方法論としてそれで良かったのか、と云うと「違う」と
云うのが私の考えです。「こういう戦い方をせざるを得ない
なら負け」とする方法もあった、ということです。いくら飛べる
からといって、練習機や機上訓練機に爆弾をくくりつけて攻撃
させると云うのは、後世から見れば現場の言い訳にしか写りま
せん。まして組織的体当たり攻撃で日本の敗戦条件が有利に
なったかと云えば、そうは思えません。「カミカゼ」と云う単語
を辞書に載せたくらいなものです。

 そう云う意味で私はあえて「無駄死に」と云う云い方をしま
す。国家上層部の思惑と現場の熱意は別モノです。当然現場サイ
ドに立てば「無駄死に」ではなかった、と云うことになるでしょ
う(おそらく「無駄死に」と云う云い方に不快感をあらわすの
はそういう方だと思います)。私も現場サイドから見ればそう
思います。

 あそこまでの組織的体当たり攻撃を展開して敗戦時期を遅ら
せた結果が沖縄戦だったり原爆だったりソ連の参戦と無条件降
伏だったとすれば、心情的にはどうであれ「無駄死に」とされて
も仕方のないことです。敗戦後の「宇垣特攻」で道連れになった
搭乗員は、彼自身の意見は別にしても「無駄死に」と云われても
仕方が無いと思ってます。

 もっと云ってしまえば「大東亜戦争」そのものが壮大な無駄
と云うべきものなのです。

 結局「無駄死に」論になってしまいましたね…。スミマセン。


2209 [2189] [2214]
Re:特攻隊の伝説
dg(99/11/29 16:11)

> 踏み込みたくない話題ですが、あえて。

第1号といわれる関 幸夫大尉が、やまれぬ熱情で
突入したのは事実のようですが、
その後その敢闘精神が吹聴され、特攻隊選抜は、各航空隊にノルマとなって
のしかかりました.
散華した隊員たちの手記が「ああ、出撃5分前」
など、編集されておりますが、その多くは、
勇ましいものというより、あきらめ、達観、家族への愛と惜別に満ちています.


2214 [2209] なし
Re[2]:特攻隊の伝説
TOMOCAT(99/11/29 21:23)

 私の彼女のお母さまの兄弟の話です。
 兄Aは特攻隊に志願したそうです。とても聡明な方だったそうです。残念というべきかどうか、戦果はきけませんでした。すくなくとも戦死です。で、兄Bは全然聡明ではなく、食料庫の警備をしていたそうな。で、彼はしばしば食料を家族に横流ししていたそうです。私はこの話を聞いて曰く、「どちらも正しい」と応えてしまいました。だって、国家に忠な人と、孝(でいいんでしょうか?)な人と一族で両方輩出しているワケですから。
 その彼女と一緒に知覧の特効記念館に行った時のことです。私は2度目の入館だったのですが、彼女は初めてで、涙を浮かべながら「どうして特攻があったんだろうね」と訊きました。わたしゃ冷酷な人間なんで、「当時の日本で一番確実な誘導技術だから」と答えた記憶があります。その答えを小耳にはさんで、前に座っていた爺さんが何か言いたそうにこちらを見ました。もし彼が論戦を挑んできたら受けていましたけど、それで終わりました。
 私は無駄死にとも思わないし、賛美もしません。
 悲しむだけです。


2222 [2185] [2223]
定説ってなんなんでしょう?
FIX(99/11/30 16:09)

 そもそも、『定説』ってなんなんでしょう?
 正しいことって決めるのは誰なんでしょう?
 考えれば考えるほど、そういうのって無意味なんじゃないかと思えてくるのです。
 いくつか例を挙げてみましょう。


 たとえば、「零戦」の読み方って妙じゃありませんか?
『零戦を「ゼロせん」と読むのは戦後マンガが擦りこんだ『定説』である』
 という主張がありますが、戦時中からゼロせんという呼び方が存在したらしいという証拠はたしかに存在するから、先の主張自体が『定説』なのです。
 ですが、その考えもまた『定説』じゃないとは誰が言いきれるでしょう。


 たとえば、特攻という行動が過去行われました。
 現代的な視点で見れば明らかに『正しくない』行動です。
 しかし、少なくとも当時は『正しい』と考えられていました。
 特攻に向かった人の自己犠牲の精神自体は多分『正しい』のでしょう。
 国家が国民を犠牲に生存を図るなどという行動は、私は『正しくない』と思っています。


 何が言いたいのかといいますと、真実などというものは視点によっていくらでもかわるんじゃないかということです。
 だから、「定説」なんてそんな安っぽいものであれこれ括ってもしょうがないかな、と。
 ごめんなさい、うまくまとまりませんでした。


2223 [2222] なし
Re:定説とは…
印度総督(99/11/30 20:25)

>  正しいことって決めるのは誰なんでしょう?

 それは私達自身です。

 「定説」自体の定義は辞書を見てもらうこととして、私自身は「誰もが知っていて、今更疑いようの無いものの考え」だと思っています。

 現在流通している「定説」の大部分は過去の人々が作り上げたものでしょう。とはいえ、合理的な理由があれば、「定説」は覆ります。天動説から地動説への転換もその一つです。

 「戦艦は海の王者だ」と云うのは第二次大戦まで定説でした。大日本帝国が総力を挙げて大和型戦艦を建造したのは、そのためです。現在、「戦艦は海上兵器として最強である」と無条件で信じている人は少ないと思います。それは定説が変わったからです。

 過去には過去の定説、現代には現代の定説、未来には未来の定説があるのは当たり前のことです。

 過去の定説は歴史的事実として認識するのは当然ですが、その歴史が現代からみてよろしくない場合は、その定説を改めてやる必要があると思ってます。

 そういう意味で、私は戦中あるいは戦前を必要以上に美化する手合いを信用しません。「国の大事に殉ずる」行為は立派です。そういう場面になれば、私もそうありたいと思っています。ただ、「国の大事」が一部国民(俗に云う権力者)の私利私欲や面子のために引き起こされたのなら、国民はたまったものではありません。

 トップが誤らないためにも、普通の国民(我々)は「定説」を時には疑わなければならないと思います。そしてそれを発言できる場があれば、利用すべきだとも考えています。

 「定説に意味は無い」と云うようなことは云わずに、自分が定説を立てる権威になるくらいの気概を持とうじゃあありませんか(気概を持つのはタダですし…)。


FlasH BBS Pro v1.41 [Shigeto Nakazawa]