雷電に火星は必要だったのでしょうか? : たかつかさ(99/12/14 01:07)
Re:雷電に火星は必要だったのでしょうか? : SUDO(99/12/14 01:31)
栄を積んだジービーになりそう… : ささき(99/12/15 02:28)
Re:栄を積んだジービーになりそう… : たかつかさ(99/12/15 03:46)
実在したミゼット・インターセプター達 : ささき(99/12/15 09:07)
Re:実在したミゼット・インターセプター達 : R(99/12/28 22:56)
要求性能 : SUDO(99/12/15 03:51)
Re:要求性能 : たかつかさ(99/12/15 04:05)
Re[2]:要求性能 : SUDO(99/12/15 05:38)
機体には適正サイズがあるのでは? : 無頼庵(99/12/16 14:20)
火星に雷電は必要だったのでしょうか? : BUN(99/12/15 11:54)
Re:火星に雷電は必要だったのでしょうか? : たかつかさ(99/12/15 16:22)
Re[2]:火星に雷電は必要だったのでしょうか? : Navy(99/12/16 00:47)
Re[3]:火星に雷電は必要だったのでしょうか? : BUN(99/12/16 12:20)
Re[4]:火星に雷電は必要だったのでしょうか? : SUDO(99/12/16 17:47)
Re[4]:火星に雷電は必要だったのでしょうか? : たかつかさ(99/12/27 18:11)
[投稿者削除] : BUN(99/12/28 00:15)
楽しいのは知ること。 : BUN(99/12/28 00:25)
Re:楽しいのは知ること。 : たかつかさ(99/12/28 00:36)
Re[3]:火星に雷電は必要だったのでしょうか? : ささき(99/12/16 16:44)
Re[4]:火星に雷電は必要だったのでしょうか? : Navy(99/12/17 10:28)


2454 Root [2455] [2485] [2487] [2494]
雷電に火星は必要だったのでしょうか?
たかつかさ(99/12/14 01:07)

紫電改のツリーで雷電が出てきたので、
以前から気になっていたことを。

雷電は零戦に比して大馬力のエンジンを載せ、
離着陸性能・航続力・視界を切り下げて高速化を
計っています。

が、この中で「大馬力エンジン」は必須だったのでしょうか?
たとえば零戦の動力艤装をそのままで
翼面積の切りつめ・それに合わせた胴体短縮、
燃料タンク容積の縮小または数の削減、
これらを行なった小さな機体を想定したとき、
雷電と同等程度の性能は出るのでは無いでしょうか。

別の言い方をするならば狭い戦域しかカバーできない
ことを前提とした機体(数が必要になる)には、
安価なエンジンを指定すべきではなかったかと言うことです。


2455 [2454] なし
Re:雷電に火星は必要だったのでしょうか?
SUDO(99/12/14 01:31)


> が、この中で「大馬力エンジン」は必須だったのでしょうか?
> たとえば零戦の動力艤装をそのままで
> 翼面積の切りつめ・それに合わせた胴体短縮、
> 燃料タンク容積の縮小または数の削減、
> これらを行なった小さな機体を想定したとき、
> 雷電と同等程度の性能は出るのでは無いでしょうか。

零戦32型を、もうちょっと思いきったモノにした飛行機
武装や防弾強化する余裕無しと見ます

取りあえず、速度は出るかもしれないけど
あの上昇性能は得られず、代替品にはなれないと思う

また、機体数量よりは、操縦者の数量がネックになるかと


2485 [2454] [2486]
栄を積んだジービーになりそう…
ささき(99/12/15 02:28)

> 翼面積の切りつめ・それに合わせた胴体短縮、
> 燃料タンク容積の縮小または数の削減、
> これらを行なった小さな機体を想定したとき、
> 雷電と同等程度の性能は出るのでは無いでしょうか。
私は零戦の高性能(1,000hp 級としては驚異的)は徹底的な
軽量化にあったと思っています。エンジンは栄のままで
あれ以上軽量な機体は作れたのでしょうか?作れないことは
ないでしょうが、おそらくジービーレーサーのようなジャジャ馬で
航続距離も武装搭載能力も非常に限定された小粒な飛行機に
なったのではないでしょうか。

> 別の言い方をするならば狭い戦域しかカバーできない
> ことを前提とした機体(数が必要になる)には、
> 安価なエンジンを指定すべきではなかったかと言うことです。
三菱としては高価な「火星」が沢山売れたほうが良かった、という
経営的事情はなかったでしょうか(^_^;)。少なくともライバル中島の
エンジンを積んだ飛行機はもう作りたくなかったのでは…。


2486 [2485] [2491]
Re:栄を積んだジービーになりそう…
たかつかさ(99/12/15 03:46)

> 私は零戦の高性能(1,000hp 級としては驚異的)は徹底的な
> 軽量化にあったと思っています。エンジンは栄のままで
> あれ以上軽量な機体は作れたのでしょうか?
翼面積その他が同じままなら、着艦フックや胴体内の
浮き袋を省いても隼程度が限度でしょう。

>作れないことはないでしょうが、おそらく
>ジービーレーサーのようなジャジャ馬で
> 航続距離も武装搭載能力も非常に限定された小粒な飛行機に
> なったのではないでしょうか。
翼面荷重と翼面馬力を雷電と同等にするならば、
翼面積14平米程度(キ44より1平米小さい)、
総重量2400kg程度となります。
燃料搭載量を半減することを考えれば不可能な数値でもなく、
「局戦と言うことで離着陸性能を我慢するなら」
(乗り易さの基準を雷電に置くなら)なんとかなるでしょう。
零戦と比較されて没、あるいは採用決定が遅れると
言うのがオチになるでしょうけども。


もっとも、一番論じたいことは
「限定された用途の機体に高性能エンジンを与えるべきか?」
でした。
高性能なエンジンは陸軍の言う『理想的戦闘機』
高速で航続力も搭載量も優れた機体にこそ充てるべき
ではないかと思うのです。

> 三菱としては高価な「火星」が沢山売れたほうが良かった、という
> 経営的事情はなかったでしょうか(^_^;)。少なくともライバル中島の
> エンジンを積んだ飛行機はもう作りたくなかったのでは…。
案外これが一番大きいかも^^;
もし三菱がさらに高価な液冷大馬力エンジンを生産していたら
仕様検討会議が後の「烈風」並みに紛糾してたりして^^;


2491 [2486] [2817]
実在したミゼット・インターセプター達
ささき(99/12/15 09:07)

> 翼面荷重と翼面馬力を雷電と同等にするならば、
> 翼面積14平米程度(キ44より1平米小さい)、
> 総重量2400kg程度となります。
> 燃料搭載量を半減することを考えれば不可能な数値でもなく、
> 「局戦と言うことで離着陸性能を我慢するなら」
> (乗り易さの基準を雷電に置くなら)なんとかなるでしょう。
> 零戦と比較されて没、あるいは採用決定が遅れると
> 言うのがオチになるでしょうけども。
なるほど…限定されたエンジン馬力を限定された機体に積むことで
限定された範囲での性能を達成する(笑)というわけですね。
外国のインターセプターには近いコンセプトで計画されたものが
ありますね。ちょっと比較してみます。
-------------------------------------------
J2M3 雷電(日)
 火星 1820hp 612Km/h 1898Km 4x20mm

A6M3 零戦(日)
 栄 1100hp 545Km/h 2380Km 2x20mm+2x7.7mm
-------------------------------------------
ベル XP-77(米)
 レンジャー V770 500hp 531Km/h 885Km 2x12.7mm

コードロン C.714(仏)
 ルノー Ro12 450hp 487Km/h 900Km 4x7.5mm

アンブロシーニ SAI.207(伊)
 イソタ RC40 750hp 625Km/h 850Km 2x12.7mm
 
ハインケル He162(独)
 BMW003E 910Kg 890Km/h 620Km 2x20mm
-------------------------------------------
まぁ He162 は例外として(^^;)、一番近いのは比較的大きな
エンジンを積んだイタリアの SAI207 ですね。隼なみの
武装の弱さが目立ちます。20mm x 2 には発展できても、
それ以上は難しいでしょう。日本海軍の場合長くて重い
99式2号が主力銃なので尚更厳しいですね。これで B-29
に立ち向かうのは苦しいでしょう。

> 高性能なエンジンは陸軍の言う『理想的戦闘機』
> 高速で航続力も搭載量も優れた機体にこそ充てるべき
> ではないかと思うのです。
確かに十四試局戦の計画段階では、迎撃すべき敵はせいぜい
SB-2 クラスの軽爆を想定していたでしょうから、当初 7.7mm x 4
のち 20mm x 2 を前提に「栄」か「瑞星」でミゼット・インター
セプターを作ってもあながち的外れではなかったかもしれません。
なんせ群れをなしてやってくる怪物 B-29を迎撃する必要性なんて、
昭和十四年の段階では妄想に過ぎなかったわけですしね。

しかし海軍の要求書を額面通りにとらえる限り、十四試局戦という
プロジェクトは必要に迫られて実用品を求めているというよりも、
むしろ「この際だからどれだけ速い飛行機ができるかいっちょ
試してやろう」という実験的意味合いが大きかったように思えます。
多少高価についても、どうせ局戦なんて大量には要らないんだし…
という前提があったのかもしれません。

> もし三菱がさらに高価な液冷大馬力エンジンを生産していたら
> 仕様検討会議が後の「烈風」並みに紛糾してたりして^^;
当時三菱で生産を検討していたヒスパノスイザ系V12液冷エンジンに
ついて堀越氏が14試局戦に採用を検討していたとの話が残っています。
しかし海軍から「液冷はやめろ」とストップがかかって「火星」にせざるを
得なかったとか。堀越氏が液冷を使いたがった理由はヨーロッパで
流行の流線形高速戦闘機を作りたかったからと伝えられていますが、
あるいは三菱の社内から圧力が…ということも考えられますね(^_^;)


2817 [2491] なし
Re:実在したミゼット・インターセプター達
R(99/12/28 22:56)

> 当時三菱で生産を検討していたヒスパノスイザ系V12液冷エンジンに
> ついて堀越氏が14試局戦に採用を検討していたとの話が残っています。
> しかし海軍から「液冷はやめろ」とストップがかかって「火星」にせざるを
> 得なかったとか。堀越氏が液冷を使いたがった理由はヨーロッパで
> 流行の流線形高速戦闘機を作りたかったからと伝えられていますが、
> あるいは三菱の社内から圧力が…ということも考えられますね(^_^;)
堀越技師の回顧録に、「私はマーリンエンジンが使える英国の技術者を心底うらやましく思った。」とありますよね。技師の描いたマーリン搭載のインターセプター、ぜひ見てみたかったです。


2487 [2454] [2488]
要求性能
SUDO(99/12/15 03:51)

雷電の要求性能を見ると
空冷、600km/h以上-6000m、6000mまで5分半
航続力は全速で0.7h、巡航で増槽付けて4.5h

コレきっついわぁ(^^;;

零戦32型が6000mまで7分20秒、544km/h

零戦ベースで達成可能ですかねえ(^^;;


2488 [2487] [2490] [2512]
Re:要求性能
たかつかさ(99/12/15 04:05)

> 零戦ベースで達成可能ですかねえ(^^;;

わたしの最初の書き方が悪かったので補足します。
「零戦を切りつめ」と言うのは参考として
考える場合で、もちろん新規設計しないと成立しないでしょう。

繰り返しになりますが、「迎撃機に高価なエンジンは適切か」
を考えてみたいと思うのです。
「無理だ」の一言でも構いませんが。


2490 [2488] なし
Re[2]:要求性能
SUDO(99/12/15 05:38)

>> 零戦ベースで達成可能ですかねえ(^^;;
> 「零戦を切りつめ」と言うのは参考として
> 考える場合で、もちろん新規設計しないと成立しないでしょう。
> 繰り返しになりますが、「迎撃機に高価なエンジンは適切か」
> を考えてみたいと思うのです。

うい、了解です

では迎撃戦闘機を考えてみましょう
主力戦闘機としての戦闘機が存在する以上
その機体は、迎撃では主力戦闘機以上でしょう

零戦と言う、優れた主力戦闘機が有る事
エンジンの価格が機体価格の大半を占める事

その機体が零戦よりもずっと安価に仕上がるならともかく
零戦と大差ない価格で、零戦と大差ない性能では
わざわざ別個に揃える必要性は皆無なのでは無いでしょうか

そう、高くても良いのです
高いだけの性能を発揮してくれるなら(笑)


2512 [2488] なし
機体には適正サイズがあるのでは?
無頼庵(99/12/16 14:20)

近似的な思考ですが、球体の場合、体積が2倍になっても表面積の増加は1.26倍で済みます。
表面積の増加は、空力摩擦抵抗の増加と考えて差し支えないかと考えます。
もし、機体の空力設計が理想的であり、抵抗の大半が空力摩擦抵抗であるとすると、
「機体の余剰容積が増加しても、機体の抵抗はさほど増加しない」と言えるかと思います。
この場合、運動性と抵抗値・ペイロードの兼ね合いで機体の適正サイズと発動機の出力は決定されるのではないでしょうか。
栄を使用し、翼面荷重と馬力荷重を雷電と同じにしても、上昇性能と加速は満足できますが、最高速度の点では苦労すると思います。


2494 [2454] [2498]
火星に雷電は必要だったのでしょうか?
BUN(99/12/15 11:54)

> 別の言い方をするならば狭い戦域しかカバーできない
> ことを前提とした機体(数が必要になる)には、
> 安価なエンジンを指定すべきではなかったかと言うことです。
>
確かにその通りだと思います。
しかし、気筒数が同じで、コストのかかるバルブの数も同じ、排気量五割増しのエンジンが果たして栄に比べて格段に「高価」であったでしょうか?
安価なエンジンとはFM−2等が搭載した単列星型エンジンなのではないかとも考えます。
もっとも、「栄は中島製だったから、比較的安価に製造できた」のかもしれませんが、三菱も終戦までエンジン生産では量的にもトップメーカーですから判断の難しいところです。

問題はむしろ「火星に雷電は必要だったか」ではないでしょうか。


2498 [2494] [2503]
Re:火星に雷電は必要だったのでしょうか?
たかつかさ(99/12/15 16:22)

> しかし、気筒数が同じで、コストのかかるバルブの数も同じ、排気量五割増しのエンジンが果たして栄に比べて格段に「高価」であったでしょうか?
と言うわけで「みつびし航空エンジン物語」を
参照してみました。
栄の資料は手元に無いので、金星と火星のコストを
両エンジンの生産数量が一番接近している昭和17年度で
計算してみると、
金星:約3万円
火星:約3万3千円
となりました。
栄のコストをどなたかご存知でしたらご教示ください。


> 安価なエンジンとはFM−2等が搭載した単列星型エンジンなのではないかとも考えます。
これは確かにその通りです^^;

> 問題はむしろ「火星に雷電は必要だったか」ではないでしょうか。
栄に比して直径14センチ増しですから、雷電のような
極端な設計をせずとも納まりますね。

一番望ましいのはBUNさんのご指摘どおり、1000馬力程度の単列エンジンだったかと思います。


2503 [2498] [2511] [2513]
Re[2]:火星に雷電は必要だったのでしょうか?
Navy(99/12/16 00:47)

単列9気筒の光から複列14気筒の栄に換装して97式艦攻1号が3号になったわけだよね?
ライトR-1830とかじゃなし、光が1350HP出せればいいかもしらんが、無茶では?和製じーびー

試製14局戦の視界改修型であれば、ハミルトンプロペラで、速度も575km出ていた。振動も問題になっていない。下手に15knt向上させようとして泥沼になった、横須賀の勇み足なんでは?零戦21型に対して確実に30knt向上している新型機を初期から大量装備していれば、部隊運用や集団空戦、一撃離脱戦法の部隊での実施、運用研究に役立てたと思える。

火星(13)こそ雷電にふさわしい。


2511 [2503] [2516] [2795]
Re[3]:火星に雷電は必要だったのでしょうか?
BUN(99/12/16 12:20)

> ライトR-1830とかじゃなし、光が1350HP出せればいいかもしらんが、無茶では?和製じーびー

光は血筋が血筋ですし、うまくいじれば1200馬力級位なんとかなりそうな気がしますが、やっぱりだめでしょうか・・・。

>部隊運用や集団空戦、一撃離脱戦法の部隊での実施、運用研究に役立てたと思える。

それは制空戦闘機の仕事では?用途が限られ、配備した地域に縛られる邀撃機は安価なエンジンで済ませられないか、との話なのですし。
しかし、可能性としては十分に合理的かも知れません。史実でも雷電はある時期、零戦に代る主力戦闘機として期待されていましたし、紫電もそうした期待を担っていましたから。
最近気づいたのですが、紫電=一号局地戦闘機は強風の完成を待たずに14年度の海軍航空本部の性能標準から計画に載ってた様ですね。応急改造機では無かったようです。雷電の難産が既に予測されていたのでしょうか。

> 火星(13)こそ雷電にふさわしい。

紫電があるなら、あのアバンギャルドな姿で実戦配備も良いか、と。


2516 [2511] なし
Re[4]:火星に雷電は必要だったのでしょうか?
SUDO(99/12/16 17:47)

>> 火星(13)こそ雷電にふさわしい。
> 紫電があるなら、あのアバンギャルドな姿で実戦配備も良いか、と。

基本的に賛成ですけど

J2M1の性能は数字のトリックでは?
雷電21型の596kmの速度は
エンジンの全開高度より1300m高い5450mで
14試局戦のはエンジン全開高度6000mだったのです

13型の1速公称よりも23甲の2速の方が出力大きいのです
つまり、6000mより下の高度では
雷電21型は全域で高速であり
特に火星13型が2速に入る2600m以上
火星23甲の全開高度4150mの間では圧倒的な差が開く

勿論、海軍の要求数値が6000mで600kmとの事ですから
6000mで最高性能を発揮できる14試局戦は正解ですが

A6M5 6000m−7分01秒 565km/6000m
J2J1 6000m−6分16秒 575km/6000m
J2M3 6000m−5分38秒 596km/5450m

見てのとおり、その性能は雷電21型と零戦52型の中間です
運用や配備にかかる手間も含めて考えた場合
果たして、どれだけの利益があるのか疑問ですね

J2M2の開発にトラブったのは
日本の国力や基礎技術の限界を露呈したのであって
雷電で出なくても、他の機体で問題になったであろう事柄です

もしトラブルが無ければ
14試から半年遅れぐらいで実戦化出来たでしょうから
初期型を半年後にリプレースすることの混乱を考えれば
当初から火星23甲で行くと言うのも、間違いではなかった

まあ、先行量産、もしくは増加試作のカタチで
ラバウルに17年中に送り込むぐらいはしても・・・(^^;;


でもって、迎撃機に必要な事を考えてみました

本来、要地防空を海軍の任務とする事が間違いなのですが
これは、まあ、おいておくとして
局地戦闘機というジャンルは
雷電の為に生み出されたような物ですから
最初に、局地戦闘機の定義を「安価なシロモノ」にしてれば
たかつかさ氏の提案は十分に納得のいくところがあります

しかし、海軍が要地防空をするとして
果たして、大量配備という可能性は有ったのでしょうか?
「艦爆なんだから量産性悪くてもオッケー」と考える連中です
また、大量配備するとして
それが運用面で可能だったのでしょうか?

飛行場には一度に運用できる数量の限界があるので
大量にというのは問題が有ります
飛行場の増設能力に日本軍が著しく見劣りしていたことも合わせると
例えば、ラバウル付近に多数の緊急迎撃飛行場を用意するのは難しそうです

また、安価と言っても
発動機と操縦者は他の飛行機と同様に1セット必要です
どちらも日本では簡単に用意できない貴重品です

つまり、日本軍の根本的な体質を改善しない限り不可能です

大量投入、大量養成、大量消費を前提とした消耗戦を
肯定し、理解し、対応できる「国力や判断能力」が有れば
そういった運用思想も妥当性を持ってくるでしょう


2795 [2511] [2801] [2802]
Re[4]:火星に雷電は必要だったのでしょうか?
たかつかさ(99/12/27 18:11)

>> ライトR-1830とかじゃなし、光が1350HP出せればいいかもしらんが、
>>無茶では?和製じーびー

>光は血筋が血筋ですし、うまくいじれば1200馬力級位
>なんとかなりそうな気がしますが、やっぱりだめでしょうか・・・。
少し古いレスポンスになりますが、検討してみました。

光(B×S=160×180、9気筒)に
栄21型の平均ピストンスピード(13.5m/s)と
平均有効圧力(高度2850mで10.46気圧、高度6000mで9.32気圧)
を単純に代入すると

仮称『光4型』の性能は
954馬力/高度6000m
1071馬力/高度2850m

となります。
ボアサイズ160mmと言うのはガソリンエンジンの上限近くなので
平均有効圧力(BMEP)はもう少し下がるかもしれません。
過給機を2速にすることに伴う重量増大を考えると
栄と大差無い重量になるでしょうが、コストは確実に安いでしょう。


(オマケ)
誉11型の平均ピストンスピードは14.5m/s、
平均有効圧力は14.6気圧/高度2000mになります。
トラブル頻発で知られるR3350の数値は18.12m/s、
11.49気圧/離昇です。
R2800などはもっと低い値を採用しています。

これらは誉の開発時に知り得ない話なので、極端な例として
参考として1939年のヨーロッパグランプリレースチャンピオンカー、
メルセデスW154のM163Kエンジンの数値を挙げてみます。
18.2m/s、15気圧になります。
このエンジンはガソリンでは無く、メタノールにトリニトロベンゼンと
エーテル、アニリンを混ぜた燃料を用いています。
オイルに関しては常温では流動しない高温専用のものをオーブンで暖めてから
与えています。
このエンジンのスペックは当時の日本国内で発売されていた『スピード』
などにも掲載されています。

ここからは(その時点から見て)未来の話。
より連続で高出力状態を科せられるインディー500マイルレースとなると、
誉の数値に達するのは戦後、1950年代に入ってからのことです。
ル・マン24時間においては1960年代末。
ラリーでは80年代、グループBカーが猛威を振るった時代になります。
極端な比較なので結論は示しません。


2801 [2795] なし
[投稿者削除]
BUN(99/12/28 00:15)

投稿者によって削除されました。(99/12/28 00:15)


2802 [2795] [2803]
楽しいのは知ること。
BUN(99/12/28 00:25)

内容、そのものより、こういう議論が楽しい、と、しみじみ思います。
僕等の世代が戦中派に対して一番面白く切り込める領域はこの辺かな、とも、いや、不遜な発言ではなく、思います。
栄、2万8千CC?、いや、初期のGPカーは2万CCも常識だけど・・・、といったところからの議論が楽しいのではないか。誉を云々したければまず、自らの車のボンネットを開けて見よう、というところから始まれば、ここの議論もたかつかさ氏の曰わく「自分の為になる」ことだと思います。飛行機ファンよ、自動車ファンでもあれよかし。運が良ければ・・・。
しかし、たかつかさ氏は自身のホームページでの誉11型はさほど問題が無かったとの主張を撤回されたのでしょうか?
いや、その主張すべき所は十分に理解していますが・・・。


2803 [2802] なし
Re:楽しいのは知ること。
たかつかさ(99/12/28 00:36)

> しかし、たかつかさ氏は自身のホームページでの誉11型は
>さほど問題が無かったとの主張を撤回されたのでしょうか?
> いや、その主張すべき所は十分に理解していますが・・・。
BUNさんがここで引かれた私の主張とは
「誉は1800馬力が限度」と言う趣旨の記事だと思います。

今回、検討してみて改めて誉の極端さを痛感して悩んでいます。
反省点としては中島飛行機自身の研究の妥当性について
考察が不十分だったこと、栄31型の実績について
調査不十分だったことです。
今回オマケとした箇所に結論を出せなかった理由のひとつに
それがあります。
以前BUNさんが言われた、「2級酒『誉』」と言う
ラインが限度なのかもしれません。

なお今回の書き込みでは参考文献として
「中島飛行機エンジン史」(酣燈社)、
「メルセデス・ベンツグランプリカー」(二玄社)
「歴史に残るレーシングカー」(GP出版)を用いました。


2513 [2503] [2523]
Re[3]:火星に雷電は必要だったのでしょうか?
ささき(99/12/16 16:44)

> 試製14局戦の視界改修型であれば、ハミルトンプロペラで、速度も575km出ていた。振動も問題になっていない。下手に15knt向上させようとして泥沼になった、横須賀の勇み足なんでは?零戦21型に対して確実に30knt向上している新型機を初期から大量装備していれば、部隊運用や集団空戦、一撃離脱戦法の部隊での実施、運用研究に役立てたと思える。
>
> 火星(13)こそ雷電にふさわしい。

私も同意します。
離昇出力 1820hp を誇る火星23型も高度を上げると過給器がアップアップして
見る見る馬力が低下してしまい、5,000m を超えると13型と大差なくなってしまい
ます。離昇時のパワーが雷電名物の急上昇力を産んだことも確かですが、震動問題
やら過熱問題を抱えてまで戦闘高度に達するとへばってしまうエンジンを搭載する
意義があったのかどうか…。キャブレターから直噴になったことで背面攻撃時に
エンジンが息をつく心配がなくなったとか利点はあるでしょうが、「爆弾」「殺人機」
「雷電国を滅ぼす」とまで言われた故障・事故多発の歴史を見ると「う〜ん」と
うなってしまいます。


2523 [2513] なし
Re[4]:火星に雷電は必要だったのでしょうか?
Navy(99/12/17 10:28)


>> 火星(13)こそ雷電にふさわしい。
>
> 私も同意します。
> 離昇出力 1820hp を誇る火星23型も高度を上げると過給器がアップアップして
> 見る見る馬力が低下してしまい、5,000m を超えると13型と大差なくなってしまい
> ます。離昇時のパワーが雷電名物の急上昇力を産んだことも確かですが、震動問題
> やら過熱問題を抱えてまで戦闘高度に達するとへばってしまうエンジンを搭載する
> 意義があったのかどうか…。キャブレターから直噴になったことで背面攻撃時に
> エンジンが息をつく心配がなくなったとか利点はあるでしょうが、「爆弾」「殺人機」
> 「雷電国を滅ぼす」とまで言われた故障・事故多発の歴史を見ると「う〜ん」と
> うなってしまいます。
>

あんまし難しい考えでなしに、海軍が96式1号という低性能だけど高い信頼性の戦闘機を早期に日華事変に投入した事例を思い出したのです。


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